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こんにちは。編集部のJです。
今回は3月にアラブ首長国連邦(UAE)で行われるドバイワールドカップを取り上げます。
ドバイを含めたUAEの競馬は、一年のうち10月後半から3月末までのおよそ5ヶ月間がシーズンで、そのシーズンの締めくくるのが、ドバイワールドカップデーです。
ドバイワールドカップデーでは一日にサラブレッドによる5つのG1を含む8つの重賞と1つのアラブによるG1が開催される世界競馬最大クラスのイベント。ドバイワールドカップはそのメインレースにあたります。
メイダン競馬場のダート2000mを舞台に、高額賞金をかけて争われる中東のビッグレースで、日本のファンにもお馴染みですね。
そんなダート世界最高峰のレースについて、概要とデータからその傾向を探っていきますので、馬券攻略のお役に立てれば幸いです。
ドバイワールドカップの基礎知識

まずは、ドバイワールドカップの概要をおさえておきましょう。
ドバイワールドカップの歴史
ドバイワールドカップは、UAE副大統領で、世界的な競走馬組織ゴドルフィンを統括するモハメド殿下によって考案され、1996年に創設されました。ナドアルシバ競馬場で行われた第一回目の賞金総額は、400万ドル。当時の世界最高賞金のレースとしてスタートします。
栄えある第一回はアメリカの前年の年度代表馬で、当時ダートの頂点に君臨していたシガーが優勝しました。その後も、豪雨によって開催が4月にずれ込んだ第二回はジャパンカップに優勝したモハメド殿下の愛馬シングスピール、国際G1となった第三回はアメリカの二冠馬シルバーチャームといったスターホースが優勝したことで、まだ競馬新興国だったUAEが、世界の競馬サークルの中での地位を確かなものするきかっけとなりました。そして、賞金総額も99年の第四回から500万ドル、00年には600万ドルへとアップしていきます。
2009年を最後にナドアルシバ競馬場は閉鎖され、10年からは新たに建設されたメイダン競馬場で開催されます。また、メイダン競馬場の新設に合わせて、賞金総額が一気に1000万ドルに上昇しました。
ナドアルシバ競馬場ではダートコースでドバイワールドカップが行われていましたが、新競馬場はメイントラックにオールウェザーが採用されて、14年まで行われることになりました。15年からはダートのレースに戻っています。
ドバイワールドカップの賞金
2018年のドバイワールドカップの賞金総額は、1000万ドル。およそ11憶円です。優勝賞金は600万ドルで、およそ6憶6000万円。2着でも200万ドル(およそ2億2000万円)、3着でも100万ドル(およそ1憶1000万円)が用意されています。
17年に世界最高賞金の座をアメリカのペガサスワールドカップ(18年の賞金総額は1600万ドル)に奪われましたが、世界屈指の高額賞金レースであることは間違いありません。ちなみに、日本の最高賞金はジャパンカップと有馬記念の賞金総額6憶4800万円。優勝賞金は3憶円です。
また、ドバイワールドカップは19年に賞金総額が1200万ドル、およそ13憶2000万円、優勝賞金が720万ドル、およそ7憶9000万円になることが決定しています。
18年に世界最高賞金だったアメリカのペガサスワールドカップは、新たにつくられる芝のレース(ペガサスワールドカップターフインヴィテーショナル)と賞金を分割するかたちで減額されるが決まっています。19年はドバイワールドカップが、再び世界最高賞金レースになる可能性が大きくなっています。
ドバイワールドカップの観客数
ドバイワールドカップを含むドバイワールドカップデーが開催された日のメイダン競馬場の観客数は、2017年がおよそ6万人。11年にはおよそ8万1000人の観客数を記録しています。
ドバイワールドカップのレコード
ドバイワールドカップのレコードタイムは、2018年にサンダースノーがつくった2分01秒38です。これはメイダン競馬場のダート2000mのコースレコードでもあります。
ナドアルシバ競馬場で行われていた時を含めたレースレコードは00年にドバイミレニアムが記録した1分59秒50です。
ドバイワールドカップの一次登録について
ドバイワールドカップデーの一次登録の締め切りの時期は、毎年1月中旬。一次登録の登録料は無料です。
仮に一次登録が締め切られた後でも、3回に分けて追加登録を受け付けていて、2月中旬までは賞金総額の0.1%(2018年のドバイワールドカップの場合は、1万ドル=およそ110万円)、3月中旬までは賞金総額の1%(同10万ドル=およそ1100万円)、直前のレース1週間前までが賞金総額の10%(同100万ドル=およそ1憶1000万円)で追加登録が可能です。
ドバイワールドカップの出走条件とは!?
ドバイワールドカップの出走条件は、3歳以上。セン馬も出走は可能です。
登録馬の中から招待馬が選出されて、招待を受諾した馬が出走可能になります。フルゲートは16頭です。
ドバイワールドカップの遠征費用
ドバイワールドカップを含めたドバイワールドカップデーの諸競走では、出走馬の輸送費と関係者の渡航費をドバイレーシングクラブが負担をしてくれます。高額の賞金に加えて、遠征費も負担してくれるので、日本馬にとっては格好の海外遠征先と言えそうです。
ドバイワールドカップの日本馬の挑戦歴史
日本馬によるドバイワールドカップの挑戦は、第一回目の96年にスタートしました。突然出現した世界最高賞金のレースに、ライブリマウントが挑みましたが、結果は6着。当時はまだフェブラリーSがG2で国内ではダートのG1がまだない、ダート路線が未成熟だった時代です。
翌97年には当時のダート界を席巻した女傑ホクトベガが挑むも、レース中の故障によって競走を中止し、予後不良となってしまいました。日本馬初挑戦から5年後の01年はトゥザヴィクトリーが逃げてあわやのシーンをつくったがキャプテンスティーヴに交わせて2着。それでも日本馬初の連対を果たす健闘を見せました。
その後は、アドマイヤドン(04年8着)、カネヒキリ(06年4着)、ヴァーミリアン(07年4着、08年12着)など国内のダートで無敵を誇った馬たちが挑むも、勝利を挙げることはできず。地方からも05年にアジュディミツオーが挑戦して6着に敗れています。
メイダン競馬場に変わった10年には秋華賞馬レッドディザイアが出走して11着に敗れたものの、前哨戦のマクトゥームチャレンジ・ラウンド3(G2)に優勝。オールウェザー馬場になったことで日本馬にもチャンスが大きくなったことを見せてくれました。
そして11年、遂に日本馬初のドバイワールドカップ制覇をヴィクトワールピサが成し遂げます。向こう正面で逃げるトランセンドに並び、そこからは2頭による先頭争いを演じてままゴールイン。トランセンドも2着に続いて、東日本大震災直後の日本を勇気づけるワンツーフィニッシュになりました。
ドバイワールドカップの攻略情報

ここからは、ドバイワールドカップの馬券攻略ポイントを探っていきましょう。
ただし、ドバイのあるUAEでは宗教上の理由から賭博が禁止されているため、馬券の発売は行われていません。したがって、人気などのデータは、イギリスのものを参考にしました。(2017年以降は日本の海外馬券を参考。)
ドバイワールドカップは荒れやすい!?ドバイワールドカップのレース波乱度
2018~2009年の過去10年における1~3着までの人気を見てみましょう。
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
2018 | 5人気 | 1人気 | 7人気 |
2017 | 1人気 | 3人気 | 12人気 |
2016 | 1人気 | 6人気 | 7人気 |
2015 | 6人気 | 1人気 | 2人気 |
2014 | 5人気 | 7人気 | 13人気 |
2013 | 3人気 | 11人気 | 5人気 |
2012 | 9人気 | 5人気 | 7人気 |
2011 | 5人気 | 12人気 | 12人気 |
2010 | 7人気 | 11人気 | 7人気 |
2009 | 4人気 | 7人気 | 12人気 |
過去10年で1番人気は2勝、2着が2回。一見すると、1番人気が不振で波乱度の高いレースに映りますが、これには注意しておくべき点があります。
10~14年の5年間はオールウェザーで行われたため、各馬の馬場適性の判断が難しく、人気と結果が結びつきにくい時期でした。ダートで行われた5回では、1番人気の連対率が80%ですから世界屈指の高賞金レースらしく、人気馬の信頼度は高いと判断していいでしょう。
ダートに替わってからも7番人気以下の人気薄が、3着までに入ったケースも3回あって、伏兵にも目を配る必要がありそうです。
ドバイワールドカップの斤量の決め方・有利な斤量は!?
ドバイワールドカップの斤量は馬齢定量です。北半球産は4歳以上、南半球産は3歳以上が出走可能で、セン馬を含めて性別による出走制限はありません。斤量は4歳以上の牡馬が57キロ、北半球産の3歳牡馬が54キロ。牝馬はそれぞれ2キロ軽い55キロと52キロになります。
次に2018~2009年の過去10年における1~3着までの性齢を見てみましょう。
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
2018 | 牡4 | 牡4 | 牡6 |
2017 | 牡4 | 牡4 | 牡4 |
2016 | 牡4 | 牡5 | 牡5 |
2015 | セン8 | 牡4 | 牡6 |
2014 | セン7 | 牡5 | セン4 |
2013 | 牡5 | セン7 | 牡6 |
2012 | 牡5 | 牡5 | 牡5 |
2011 | 牡4 | 牡5 | 牡4 |
2010 | 牡6 | セン4 | 牡4 |
2009 | セン6 | 牡5 | 牡4 |
過去10年の勝利数では、4歳が4勝で最も多く、5歳と6歳が2勝ずつで続いています。3着までを見ても、過去10年で3着までに入った30頭のうち13頭、割合にして43%が4歳によって占められています。
牝馬は過去10年で3着以内がゼロ。第一回にまでさかのぼっても、牝馬の出走頭数がのべ13頭と少ないこともありますが、3着以内に入ったのは、01年に2着だったトゥザヴィクトリーだけで苦戦が続いています。
ドバイワールドカップで有利な脚質は!?
2018~2009年におけるドバイワールドカップ優勝馬のラスト400mでのポジションは、
・1~3番手…10勝
・4~6番手…0勝
・7~9番手…0勝
・10番手以下…0勝
オールウェザーだった年も含めて過去10年は、逃げ、先行が圧倒的に有利なデータが出ています。
メイダン競馬場のダートコースは、ラストの直線が400mありますけど、追い込みが日本以上に利きにくい印象です。17年にスタートで出遅れながら優勝したアメリカのアロゲートも直線入り口には3番手までポジションを押し上げていたように、遅くとも直線に入る前までに先行グループにとりつくことが重要になりそうです。
ドバイワールドカップで内枠・外枠のどちらが有利!?
ドバイワールドカップがメイダン競馬場で行われるようになった2010年からの枠ごとの成績です。
枠 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
1 | 1回 | 0回 | 1回 |
2 | 0回 | 1回 | 1回 |
3 | 0回 | 0回 | 0回 |
4 | 0回 | 1回 | 0回 |
5 | 1回 | 1回 | 2回 |
6 | 2回 | 0回 | 1回 |
7 | 0回 | 1回 | 1回 |
8 | 1回 | 0回 | 0回 |
9 | 1回 | 3回 | 0回 |
10 | 1回 | 0回 | 1回 |
11 | 1回 | 1回 | 1回 |
12 | 1回 | 0回 | 0回 |
13 | 0回 | 1回 | 0回 |
14 | 0回 | 0回 | 0回 |
15 | 0回 | 0回 | 1回 |
16 | 0回 | 0回 | 0回 |
メイダン競馬場に替わって9回しか行われていないこともあり、データに偏りはみられません。脚質で先行有利の傾向が出たことから、先行しやすい内枠が有利かと思われましたが、今のところは真ん中付近の枠の方が良い成績が出ているようです。
日本馬のドバイワールドカップでの相性は?
日本馬は2018年までにのべ34頭が出走して、ヴィクトワールピサによる1勝。2着はトゥザヴィクトリーとトランセンドによる2回があります。特にダートではトゥザヴィクトリーが2着で連対を果たしたのみで、苦戦を強いられています。
日本チャンピオン級のダート馬がドバイワールドカップで良い成績を残せていないのは、馬場の違いが大きいでしょう。
メイダン競馬場のダートは、およそ砂8に対して粒子の細かい沈泥や粘土を1の割合で混ぜられていて、アメリカのダートに近い構成になっています。日本にはない馬場だけに訂正を見極めるのは非常に困難です。
ドバイワールドカップに強い国とは!?
ドバイワールドカップは、2018年までの23回行われて、最も多く勝利している国がアメリカの11勝です。それを追うのが地元UAEの9勝。以下に日本、イギリス、フランスが1勝となっています。
特にアメリカは、ダートで行われた18回で10勝をしていて、ダート競馬世界一の実力をいかんなく発揮しています。
過去の優勝馬シガー、カーリン、そして17年のアロゲートのようなアメリカのチャンピオン級が参戦した時は、逆らわない方がよさそうです。
まとめ 過去は先行馬が圧倒的に有利!アメリカ馬が強さを発揮

ドバイワールドカップがダートに戻った15年以降の4年は、1番人気が2着、1着、1着、2着に来ていて信頼度は抜群です。1番人気になったのはすべてアメリカ馬で、基本的に先行タイプでした(17年優勝のアロゲートは出遅れてしまいましたが…)。今後もそのような馬が出走してくれば、連軸として考えて良いでしょう。
アメリカ馬に対抗できるとすれば、地元の理を活かせるUAE勢。アメリカ馬が人気を集めるようでしたら、配当的においしいこちらから入るという手もあるかもしれません。
4歳、5歳の活躍が目につきますが、7、8歳といった高齢馬にも注意が必要です。データからは、牝馬に分の悪いレースと出ているので、実績上位であっても軽視するのが得策でしょう。
日本馬は、日本と砂質の違う馬場に適性がある馬をどう見つけるかが、ダートのドバイワールドカップで栄光を勝ち取るための鍵でしょうか。そのためにも現地の前哨戦を使ったラニや、ダートに初挑戦した芝のG1馬エピファネイアのような思い切ったチャレンジにも期待したいものです。