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こんにちは。編集部のJです。
みなさんはジャパンカップや安田記念などで、外国馬の取捨に迷ったことはありませんか?
私自身もこれまでジャパンカップでは、ランドのように前評判が決して高くなかった海外馬を軽視して悔しい思いをしたり、凱旋門賞馬モンジューが馬券圏外に沈んで泣きを見たり……。本当に難解なレースですよね。
加えて、今は海外の馬券も国内で買えるようになって、ますます海外競馬の情報が必要になってきました。
そんな背景を受け、ここでは海外競馬の基礎知識と日本競馬との違いについて、いくつか確認していきたいと思います。
目次
海外競馬のレース情報
海外競馬のクラシックレース
近代競馬発祥の地イギリスのクラシックレースは、牡馬が5月にマイルの英2000ギニー、6月に英ダービーを行い、そして9月に長距離で争われる英セントレジャーで三冠が構成されています。これに桜花賞にあたる牝馬の英1000ギニーと英オークスを加えた5つが、いわゆる「3歳クラシック競走」です。
日本はもちろん、ヨーロッパの国々はイギリス競馬を手本に競走体系を構築した歴史があるため、クラシックの体系にも大きな差はありません。ただし、近年はイギリスでもダービー終了後に、3歳のトップクラスが古馬との対戦に向かうことが一般化していて、三冠馬をいう概念が非常に薄れている1のが実情です。
また、アイルランドやフランスのように、菊花賞にあたる愛セントレジャー、ロイヤルオーク賞といった競走を古馬にも開放している国もあります。
ダートを主体とするアメリカは5月のケンタッキーダービーを皮切りにして、プリークネスS、ベルモントSの三冠競走をわずか1カ月あまりで行う、とてもタフなスケジュールになっています。
一風変わったところでは、馬産を行っていない香港やシンガポールのように、ダービーが4歳馬によるレースという国や地域もあります。
海外競馬のスケジュール
イギリスをはじめとするヨーロッパ主要国では、3月から11月が平地競馬の重賞が行われるシーズン。イギリス、アイルランドなどではそれ以外のオフシーズンは障害競馬が盛んに行われます。
アメリカは広い国土を活かして、年間を通じて競馬を開催しています。地域ごとに中心地となるのが、西海岸が年間を通じて温暖な気候であるカリフォルニア州、中部は世界最大の馬産地としても有名なケンタッキー州、そして東海岸が全米最大の都市ニューヨークがあるニューヨーク州です。冬場には南部のフロリダ州やルイジアナ州などでも、競馬が盛んに行われています。
季節が日本と逆になる南半球では、馬の加齢時期が北半球の1月1日とは異なり、南米が7月1日、オセアニアと南アフリカが8月1日になっていて、これがシーズンを区切りとも言えます。
南半球産馬が多い香港は、9月から翌年7月がワンシーズンです。そして、真夏の8月をシーズンオフに充てています。
また、アメリカのブリーダーズカップ、12月の香港国際競走、ドバイワールドカップデーのようにG1を一日にまとめて行う集中開催もまた、海外競馬のスケジュールを語るうえで、大きな特徴のひとつと言えるでしょう。
海外競馬の売上
国名 | 年間売上高 |
---|---|
日本 | 2兆6709憶円 |
オーストラリア | 1兆9885億円 |
香港 | 1兆7734億円 |
イギリス | 1兆5471億円 |
アメリカ | 1兆2584億円 |
フランス | 1兆1050億円 |
※主要国の馬券売上高(2016年)
JRAの賞金は下級条件から総じて高く、世界一と言えるレベルを誇ります。同様に、下級条件から日本とほぼ同レベルの賞金が設定されているが香港です。
欧米ではG1でも日本のG3より賞金が低いことも少なくありません。JRAの未勝利戦よりも賞金が低いG3も存在します。
このような高いJRAの賞金を支えているのが、馬券の売上です。2016年の年間売上高およそ2兆6700憶円(地方競馬を含めた売上は3兆円以上)は、ご承知の方も多いと思いますが、文句なしの世界一位です。
その他の国々では、オーストラリアがおよそ1兆9900億円、香港がおよそ1兆7700億円、イギリスがおよそ1兆5400億円、アメリカがおよそ1兆2500億円、フランスがおよそ1兆1000億円になっています(いずれも2016年の統計)。
一見すると、日本も香港も売り上げがずば抜けて高いわけではありません。しかし、JRAは週末を中心に一日最高で3つの競馬場での開催で、香港もほぼ週二回のペースで一日に1つの競馬場で開催。オーストラリア、イギリスなどの国が毎日、複数の競馬場でレースを開催していることを考えれば、日本と香港の一日あたりの売上がいかに多いかを、ご理解いただけるでしょう。
ちなみに、ドバイワールドカップで有名なUAEの国内馬券売り上げはゼロ。イスラム教の戒律により、賭博が禁止されているためです。
海外競馬の賞金
レース名 | 開催国 | 賞金総額 |
---|---|---|
ペガサスワールドカップ | アメリカ | 17億6000万円 |
ドバイワールドカップ | UAE | 11億0000万円 |
ジ・エベレスト | オーストラリア | 10憶6000万円 |
ドバイシーマクラシック | UAE | 6憶6000万円 |
ドバイターフ | UAE | 6憶6000万円 |
BCクラシック | アメリカ | 6憶6000万円 |
凱旋門賞 | フランス | 6憶5000万円 |
ジャパンカップ | 日本 | 6億4800万円 |
有馬記念 | 日本 | 6億4800万円 |
メルボルンカップ | オーストラリア | 6憶円 |
※世界の高額賞金レース(2018年)
世界の売上で日本が世界一であり、賞金水準が世界に比べて高いことを紹介しましたが、世界を見渡せば、日本より賞金の高いレースは少なからず存在します。その頂点にあるのがアメリカのペガサスワールドカップです。ペガサスワールドカップは2017年に賞金総額1200万ドル(およそ13憶円)で始まり、次の年には賞金総額を1600万ドル(およそ17憶6000万円)にアップさせました。
以下は、かつて賞金世界一だった賞金総額が1000万ドル(およそ11憶円)のドバイワールドカップ(UAE)、2017年からスタートしたおよそ10億6000万円のジ・エベレスト(オーストラリア)、およそ6億6000万円のドバイターフとドバイシーマクラシック(UAE)、およそ6憶5000万円の凱旋門賞(フランス)などが続きます。
世界の賞金順でトップテン入りを果たしている日本のレースは、賞金総額6億4800万円と最も高いジャパンカップと有馬記念の2つです。
また、日本で高額な賞金のレースは、その賞金を馬券の売上から捻出されますが、世界の高額レースの賞金捻出方法はさまざまん。そのなかで最もポピュラーなのが、凱旋門賞やメルボルンカップのようにスポンサーがつくレースです。
その他にも、ペガサスワールドカップでは出走枠を100万ドル(およそ1憶1000万円)で出走馬の関係者に販売するシステムが取られています。また、ジ・エベレストでも同じような方法が採用されています。
ブリーダーズカップは、種牡馬のその年の1回分の種付け料を登録料にするなど生産者から少額を広く集めることで、大きな賞金を賄っています。ディープインパクトのように産駒が国際的に活躍している日本の種牡馬も、ブリーダーズカップの種牡馬登録を行っているのです。
海外競馬の競馬場
近代競馬発祥の地イギリスでは自然の地形を活かしたさまざまなコースレイアウトがあり、それぞれがとても独創的です。
日本よりも国土の狭いイギリスには現在60もの競馬場が存在し、そのうち障害レース専用の競馬場も20以上あります。王室が主催するロイヤルアスコットが行われるアスコット競馬場、英ダービーの舞台となるエプソム競馬場、イギリスの競馬と馬産の中心地ニューマーケットにあるニューマーケット競馬場などが有名です。
120近い競馬場があるアメリカは、楕円形に近いオーバルコースで、コースの回りは左回りに統一されています。ダート競馬がメインであるため、芝コースがダートコースの内側に併設されるのが一般的。こちらもいくつか競馬場の名前を挙げると、ケンタッキーダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場、ベルモントSの開催地ベルモントパーク競馬場などがあります。
その他にも、凱旋門賞の舞台となるフランスのロンシャン競馬場(2018年の改修工事終了後にパリロンシャン競馬場に改名)、12月の香港国際競走をはじめ香港のほぼすべての重賞が行われるシャティン競馬場(沙田競馬場)、ドバイワールドカップの開催地で宇宙船を思わせるグランドスタンドが印象的なドバイのメイダン競馬場などは、日本の競馬ファンにもなじみがある世界の競馬場ではないでしょうか。
日本の重賞レースのなかには、海外の競馬場との交換競走として行われているものもあって、アーリントンカップ(アメリカのアーリントンパーク競馬場)、エプソムカップ(イギリスのエプソム競馬場)、キーンランドカップ(アメリカのキーンランド競馬場)がそれに該当します。
海外競馬の距離
海外競馬の距離表記は、日本と同じメートルを採用している国と、ハロンを採用している国の2つに分かれます。1ハロン(=220ヤード)はおよそ201.168m。便宜上、日本では1ハロンをおよそ200mとすることが多いようです。
ハロン表記を採用している主な国は、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダです。フランス、ドイツ、オーストラリア、香港など、その他の多くの国ではメートル表記が採用されています。
ちなみに、世界で最も短い距離のG1は5ハロン(1000m)。イギリスのナンソープSや凱旋門賞と同じ日に行われるフランスのアベイドロンシャン賞(どちらも2歳から古馬まで出走が可能)などがあります。一方で最長距離のG1は20ハロン(4000m)。イギリスのロイヤルアスコット開催で行われるゴールドカップ、フランスのカドラン賞がそれに当たります。
海外競馬の斤量
斤量も前述の距離と同じように国によってキロ表記とポンド表記に分かれます。1ポンドは0.453592キログラムです。
ポンド表記を採用している主な国は、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、香港など。さらにイギリスではストーンという単位も用いられます。1ストーン=14ポンドのことで、例えば55キロに相当する121ポンドを8・9(8ストーン9ポンド)と表します。
JRAが発表する競走馬のレーティングは競走能力を数値化したもので、ポンドに換算された数値が国際的に採用されています。
海外競馬の頭数
G1を例にすると、アメリカのケンタッキーダービーやフランスの凱旋門賞、イギリスの英ダービーなど、チャンピオン決定戦に相当するレースでは、日本国内のフルゲート18頭を超える最大出走頭数が20頭になる場合もあります。
オーストラリア競馬の祭典メルボルンカップの最大出走可能頭数は24頭。世界一過酷なレースとしても知られるイギリスの障害レース、グランドナショナルでは最大の出走頭数が40頭になることもあるので驚きです。
ただし、海外のすべてのG1でそんなに頭数が揃うかというと、そうではありません。アメリカでは年間のG1が110レース前後もあり、競走馬の輸送が頻繁なヨーロッパもイギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリアで合わせてG1が80ほど。オーストラリアにも70を超えるG1があって、日本の年間G1レース数24とは大きな開きがあります。
それぞれ調教されている頭数に違いがあるとしてもトップクラス同士がぶつかるG1の数がここまで違うと、国内の様にフルゲートもしくはそれに近い頭数が揃うことの方が稀で、G1でも10頭に満たないケースもよく見られます。
海外競馬と日本競馬の違い
馬番とゲート番について
日本の競馬を見ていると馬番=ゲート番が当たり前のことと思われがちですが、海外では馬番とゲート番が異なる国も多く存在しています。
馬番とゲート番が異なる国では、登録時点で斤量の重い順、馬名のアルファベット表記の順などのルールに基づいて、まず馬番が割り当てられて、その後に抽選でゲート順が決定しているためです。
馬番とゲート番が異なる主な国は、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、香港など。アメリカは日本と同じく馬番とゲート番が同じです。
このように多くの国では馬番とゲート番が異なることがありますので、海外の馬券を買う際には注意しましょう。
ムチのルールについて
最近のJRAのレースにおいて、騎手に対する制裁でムチに関するものがあるのをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
これは国際的な流れを受けて、2011年から導入されたムチの使用に対してのガイドラインによるものです。ムチの過度の使用(明確な基準はなく、1レースで10回程度)や馬がけがをするような過度に強いムチの使用などが禁止事項になっています。
海外では動物愛護の意識が高い欧米を中心に、日本に先駆けてムチのルールが導入されていました。その内容は国ごとに異なるだけでなく、たびたびルールの改正がなされています。2017年時点では、イギリスが1レースあたり7回、フランスが1レースあたり6回といったように、ムチの使用回数を制限しているのです。
ただ、このルールを考えるうえで、国内でも海外でも問題になるのは、レースでの勝利とルール遵守のどちらが優先されるべきか、という点でしょう。
これは騎手や調教師、競走馬のオーナーら関係者だけにとどまらず、馬券を購入するファンも含めて、これから考えていかなければならない課題なのかもしれませんね。
海外競馬の還元率(控除率)
JRAの馬券の還元率は、馬券の種類によって、70~80%に設定されています。その平均は75%といったところでしょうか。
海外の多くの国も馬券の種類によって還元率は異なりますが、主な国の還元率の平均をいくつか羅列すると、アイルランド93%、オーストラリア86%、香港84%、フランス73%になります。
これらの数字はすべて日本と同じパリミュチュエル方式(※1)による還元率です。アイルランドの還元率が特に高いのは、ブックメーキング方式(※2)による馬券販売の比率が高いため。競馬の運営自体を行わないブックメーカーの高い還元率に対抗するべく、パリミュチュエル方式も高い還元率が設定されているのでしょう。
このなかでは他にオーストラリアがパリミュチュエル方式とブックメーキング方式での馬券販売を行っていまが、現在はパリミュチュエル方式の売上のほうが多くなっています。
イギリス、アメリカは近年の統計が未公表なので、はっきりとした還元率はわかりません。ただ、ブックメーカーの本場イギリスでは、パリミュチュエル方式の還元率が90%近い数字になると見られています。
※1:パリミュチュエル方式……それぞれが賭けた金額をひとつのプール(総賭け金)にまとめて、そこから競馬運営費などの費用を差し引いた金額が、的中者に配当されるシステム。
※2:ブックメーキング方式……公認のブックメーカーから馬券を購入するもの。ブックメーカーは独自のオッズを設定でき、馬券購入(的中)者は買った時点でのオッズで払い戻しを受けることができる。
海外の馬券の種類
現在JRAが発売する馬券の種類は、単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単、そしてWIN5の9種類です。
このなかで枠連は、日本独自の馬券であるため世界にはありませんが、それ以外は同じもしくは似たかたちでどの国でも発売されています。また、世界では日本にない種類の馬券を発売している国もあるので、いくつかの国を例に挙げて見てみましょう。
・ウイン(単勝)
・プレイス(複勝)
・エグザクタ(馬単)
・スウィンガー(ワイド)
・トライフェクタ(3連単)
・ダブル(2レースの優勝馬を当てる2重勝)
・トリプル(3レースの優勝馬を当てる3重勝)
・ジャックポット(6つのレースの勝ち馬を当てる)
・プレイスポット(6つのレースの複勝を当てる6重勝)
・スクープシックス(6つのレースの勝ち馬を当てる)
もうひとつイギリスの馬券で忘れてはいけないのが、ブックメーカーによる馬券の発売がある点です。大きいレースになるとレースの数カ月前から前売りが行われて、馬券を購入した時点でのオッズが払い戻しになります。
・サンプル・ガニョン(単勝)
・サンプル・プラセ(複勝)
・クプレ・ガニョン(馬連)
・クプレ・プラセ(ワイド)
・クプレ・オルドル(馬単)
・トリオ(3連複)
・トリオ・オルドル(3連単)
・ドゥ・スュル・キャトル(4着までの2頭を当てる拡大ワイド)
・ミニ・ミュルティ(上位4頭を当てる4連複)
・ミュルティ(4着までを順番にあてる4連単)
・ピック・サンク(上位5頭を当てる5連複)
・カルテ・プリュス(4着までを順番にあてる4連単、着順通りでなくても当たりになる4連複の要素も含まれる)
・カンテ・プリュス(5着までを順番にあてる5連単、着順通りでなくても当たりになる5連複の要素も含まれる)
・ウイン(単勝)
・プレイス(2着までの複勝)
・ショウ(3着までの複勝)
・キネラ(馬連)
・エグザクタ(馬単)
・トライフェクタ(3連単)
・スーパーフェクタ(4連単)
・デイリーダブル(2レースの優勝馬を当てる2重勝)
・ピックスリー(3レースの優勝馬を当てる3重勝)
・ピックフォー(4レースの優勝馬を当てる4重勝)
・ピックファイブ(5レースの優勝馬を当てる5重勝)
・ピックシックス(6レースの優勝馬を当てる6重勝)
・ウイン(単勝)
・プレイス(複勝)
・キネラ(馬連)
・キネラプレイス(ワイド)
・トリオ(3連複)
・ティエルセ(3連単)
・ファーストフォー(上位4頭を当てる4連複)
・ダブル(2レースの優勝馬を当てる2重勝)
・トレプル(3レースの優勝馬を当てる3重勝)
・ダブルトリオ(指定された2レースの上位3頭を当てる)
・トリプルトリオ(3レースの上位3頭を当てる)
・シックスアップ(6レースの1着、または2着を当てる。6レースすべての1着を当てた場合はボーナス)
香港にはその他にも、その日一番活躍する騎手を当てる「ジョッキー・チャレンジ」という馬券もあります。
海外では馬券の種類、購入点数次第で、フレキシブルベットを導入しているところも多いです。フレキシブルベットでは、馬券購入金額の合計が一定以上ならば、一点あたりの金額が通常の最低馬券購入金額以下にすることができるため、買い目が多くなった時でも合計金額を抑えることが可能になります。
例えば、日本で1つのレースで買い目100点を買った場合に1万円かかってしまいますが、フレキシブルベットで合計3000円買えば、1点あたり30円で購入することができるのです。
海外競馬のオッズの見方
イギリスやアメリカなどでオッズを、5/2や5-2と表記していることをご存知でしょうか?
日本のオッズに見慣れている方には、「これはいったい何倍なの?」と疑問に思うかもしれませんね。
ただ、計算方法さえ理解してしまえば、それほど難しいことはありません。
例に挙げた5/2(5-2)は2を賭けた場合の儲けが5になるという意味で、「5対2」という言い方をします。つまり1を賭けた場合に2.5が儲けになる計算です。
これに賭けた元金の1が戻ってくるので、日本のオッズ表記に直すと3.5倍ということになります。
例えば4/5(4-5)は1.8倍。分母側が大きい場合は、1倍代の圧倒的人気だとわかります。また分子、分母にあたる数字に小数点がつかないので、3.1倍は21/10(21-10)という表記になります。
日本と海外のペースの違い
ヨーロッパの競馬は、マイル以下の短い距離を除いて、大半は前半がスローペースで流れてのラスト直線勝負になります。日本の芝のレースでもその傾向は強いですが、ヨーロッパのスローペースは日本の上をいくもの。200mごとの推定ラップタイムが、15秒台なんてこともざらです。
その原因には馬場の違いなどもありますが、一番は走破タイムを重要視していないことが大きいのかもしれません。例えば日本では2分を切ることが珍しくない芝2000mのタイムが、2分5~10秒になることは当たり前なのです。
そしてヨーロッパの競馬のひとつの特徴でもあるペースメーカーの存在にもここで触れておきます。ペースメーカーとは、マラソン競技でも見られる先導役のことです。別名、ラビットとも呼ばれます。
その役割はマラソンように、タイム短縮に貢献するためではなく、有力な馬を勝たせるために、レースの流れをコントロールすることです。有力馬を出走させる陣営がペースメーカーを用意して、有力馬が引っ掛からないようにその前について落ち着かせたり、超スローペースにならいようにある程度のペースで逃げたりすることで、有力馬がその力を100%出すためのサポートに徹するのです。そういう意味では、ヨーロッパの競馬はチーム戦という要素を含んでいるとも言ってもいいかもしれません。
日本では、各々の馬が勝つためにベストを尽くさなければならない公正競馬の観点から、ペースメーカーの存在は認められていません。
アメリカのダート競馬は、ヨーロッパの芝競馬とは反対にペースが速くなることが普通です。ダート競馬では芝ほど差しや追い込みが届きにくい、後方にいると他の馬の蹴ったダート(キックバック)がかかってしまうなどの理由で、先行する方が有利だという認識が浸透しているからです。
よってアメリカでは、スタート後から強い馬同士が先行しての真っ向勝負がよく見られます。馬群の中から力の劣る馬が徐々に脱落していき、最後までスピードが持続した馬が勝利をつかむというわけです。
オーナーと騎手、調教師の関係
ヨーロッパの競馬を理解するうえで、押さえておきたい要素のひとつに、オーナー(馬主)と騎手と調教師の関係があります。
ヨーロッパの大オーナーは、トップジョッキーと主戦契約を結ぶことがあります。日本のように「A氏の所有馬にはB騎手がよく乗っている」いうレベルの話ではなく、そのオーナーの所有馬が出走する場合には、優先して主戦契約の騎手が騎乗することになります。
アイルランドを拠点に世界中で活躍する競走馬を生産、所有するクールモアの主戦を務めるR.ムーアや、ドバイのモハメド殿下が率いるゴドルフィンの主戦W.ビュイック騎手などが有名です。現在は日本で活躍しているルメール騎手も、かつてフランスで乗っていた時代には、実業家でイスラム教の実力者でもあるアガ・カーン殿下らと、主戦契約を結んでいたこともありました。
また、大オーナーのなかには専属の調教師がいるケースもあります。クールモアのA.オブライエン、ゴドルフィンのS.ビン・スルールといった名前は、海外競馬の知識が少しある程度の方ならば、聞いたことがあるのではないでしょうか。
「日本と海外のペースの違い」のところで、ヨーロッパの競馬はチーム戦の要素があると書きましたが、大オーナーが1つのレースに複数の所有馬を出してくるときは、乗っている騎手を見れば、陣営がどの馬を一番勝たせたいと思っているのかを推測することもできます。
サラブレッド以外の競馬
JRAでは現在、平地競走と障害競走しか行っていませんが、世界ではそれ以外の競走も行われています。欧米で平地・障害競走にも負けない人気を誇るのが、繋駕速歩競走です。
繋駕速歩競走とは、人が馬の後ろに引かれた繋駕車(二輪馬車)に乗って行うもので、競走馬が全力で走る日本で一般的な競馬のイメージとは違い、歩法で行なわれる競馬(馬の4本の肢のどれかが地面に接していないと失格になる)です。競走にはサラブレッドではなくスタンダードブレッドという馬の品種が用いられます。また、繋駕車でなく馬に直接人が騎乗するものを、騎乗速歩競走と言います。かつては中央競馬でも繋駕速歩競走が行われていましたが、1968年に廃止されました。
繋駕速歩競走以外にも、JRAでは1995年を最後に見ることができなくなった競馬に、サラブレッドとは異なる品種のアラブ種によるレースもあります。世界では、比較的多くの国でレースが行われていて、フランスの凱旋門賞やUAEのドバイワールドカップと同日に、サラブレッドのG1競走とともに、純血アラブのG1競走が行われています。
その他にもアメリカではクォーターホース(正式名称はアメリカンクォーターホース)による競走も盛んに行われています。品種名は、クォーターマイル(1/4マイル=およそ400m)というレースの距離に由来。スタートからゴールまでわずか20秒前後という、超が付くほどの短距離戦です。
しかし、日本国内にも世界に類ない競馬が存在します。それが地方競馬の北海道・帯広競馬場で行われているばんえい競馬です。1トン近い大きな重種馬が自身の体重とほぼ同じ重量のソリを曳く姿は、まさに圧巻の一語。欧米の競馬ファンも、これにはビックリでしょう。
まとめ
まずは海外競馬の基礎知識として、日本の競馬との違いをでもわかってもらえたでしょうか。
今後も有益になると思われる海外競馬に関する情報をお届けしていきます。これをきっかけに海外の競馬に少しでも興味を持たれた方は、秋の凱旋門賞など国内で発売される海外競馬の馬券にもぜひチャレンジをしてみてください。