レース見解

中京記念2018グレーターロンドン悲願の初重賞制覇なるか

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

G1安田記念でも4着に好走したように、マイル路線の実績上位馬。しかし、その後の重賞では掲示板には入るものの、なかなかタイトルに手が届かない。それがグレーターロンドンだ。

近親にダービー馬のキズナがいる良血で、早くから活躍を期待されていた馬。それなのに、重賞になるといつも少しだけ足りない。東風ステークスを最後に連対できていないというのが、この馬の現状である。

今回は適鞍を求めて、初めて東京・中山以外の競馬場へ遠征を陣営は選択した。その決断が実を結ぶのか? 中京記念がマイルに変更された2012年以降のデータを用いて、重賞制覇に必要な条件を探っていこう。

[騎手]田辺騎手、中京でも実績あり

集計期間中の騎乗数が少ないものの、田辺騎手は中京芝1600mの舞台で勝率17%と結果を残せている。競馬場別の成績を見ても、最も勝利の多い中山と遜色ない成績になっており、得意意識のある舞台と言えるだろう。

過去には、ファルコンステークスや愛知杯を制した経験があるように、重賞でも相性が良い舞台。気になる点があるとすれば、中京記念は関東厩舎と関東騎手のコンビが不振というマイナスデータだ。このデータを打ち破れるか、田辺騎手の手綱さばきに期待したい。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
福永祐一 33% 53% 57% 102% 79%
M.デム 21% 35% 54% 95% 93%
北村友一 22% 36% 50% 102% 134%
川田将雅 13% 29% 44% 51% 71%
松若風馬 11% 11% 22% 72% 60%
ルメール 19% 42% 50% 69% 113%
和田竜二 10% 14% 22% 73% 69%
菱田裕二 17% 25% 33% 381% 125%
藤岡佑介 17% 39% 44% 81% 101%
津村明秀 25% 33% 42% 144% 110%
松田大作 16% 21% 21% 119% 55%
藤岡康太 4% 19% 28% 17% 96%
松山弘平 4% 11% 22% 39% 94%
幸英明 3% 9% 12% 132% 56%
岩田康誠 15% 46% 46% 87% 179%
秋山真一 5% 8% 18% 20% 46%
城戸義政 29% 43% 57% 218% 144%
川須栄彦 7% 7% 14% 108% 62%
太宰啓介 6% 6% 9% 13% 37%
池添謙一 29% 29% 43% 728% 194%
坂井瑠星 29% 29% 29% 90% 40%
浜中俊 4% 15% 37% 6% 68%
鮫島克駿 3% 11% 22% 54% 105%
石橋脩 8% 25% 33% 30% 62%
小牧太 5% 11% 16% 9% 36%
中谷雄太 3% 6% 6% 17% 15%
森裕太朗 6% 12% 12% 68% 25%
吉田隼人 8% 17% 17% 53% 44%
田辺裕信 17% 33% 33% 41% 103%
内田博幸 17% 33% 33% 55% 78%

※中京記念2012年以降の集計結果

場所 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
札幌 0% 0% 20% 0% 148%
函館 0% 13% 13% 0% 55%
福島 16% 25% 33% 75% 67%
新潟 15% 25% 34% 141% 101%
東京 8% 18% 29% 75% 81%
中山 12% 23% 34% 81% 84%
中京 14% 24% 24% 324% 101%
京都 3% 6% 9% 48% 16%
阪神 3% 5% 19% 17% 90%
小倉 0% 0% 13% 0% 47%

※芝コースにおける田辺騎手競馬場別成績2015年以降の集計結果

[厩舎]実るか中京遠征

ブラストワンピースやルージュバックが記憶に新しい大竹厩舎。中京へ遠征すること自体が少ない。この舞台では1戦しかしておらず、結果が出ていなくてもノーカウントとしよう。それでも中京は、他の競馬場と比較しても、勝率が高い競馬場なのである。マイナス評価にする必要はないだろう。

中京での重賞出走はルージュバックで挑んだ金鯱賞の1度のみ。その時は敗れたが、今回はグレーターロンドンでリベンジを果たせるか、期待したい。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(栗)藤原英昭 39% 58% 65% 149% 108%
(栗)矢作芳人 16% 22% 22% 59% 31%
(栗)音無秀孝 22% 22% 44% 104% 100%
(栗)池江泰寿 17% 25% 46% 50% 100%
(栗)須貝尚介 12% 36% 44% 29% 68%
(栗)西園正都 15% 30% 40% 134% 96%
(栗)中内田充 27% 55% 55% 98% 72%
(栗)藤岡健一 13% 31% 44% 31% 98%
(栗)山内研二 9% 9% 27% 135% 95%
(栗)西浦勝一 4% 13% 22% 25% 36%
(美)高橋裕 8% 15% 23% 42% 61%
(栗)森田直行 7% 13% 13% 16% 26%
(栗)高橋亮 8% 8% 17% 18% 22%
(栗)河内洋 8% 8% 8% 49% 15%
(栗)本田優 0% 13% 38% 0% 76%
(栗)清水久詞 0% 5% 9% 0% 13%
(美)大竹正博 0% 0% 0% 0% 0%

※中京芝1600m2015年以降の集計結果

場所 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
札幌 4% 14% 18% 7% 46%
函館 14% 21% 37% 61% 85%
福島 8% 15% 22% 32% 46%
新潟 11% 17% 22% 132% 60%
東京 12% 22% 26% 76% 82%
中山 13% 22% 31% 77% 102%
中京 13% 13% 13% 258% 60%
京都 14% 29% 29% 45% 47%
阪神 13% 13% 13% 31% 15%
小倉 6% 6% 12% 91% 48%

※芝コースにおける大竹厩舎競馬場別成績2015年以降の集計結果

組み合わせ 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
調・騎 ともに栗東 5% 11% 20% 46% 79%
厩・栗東×騎・美浦 20% 20% 20% 242% 80%
厩・美浦×騎・栗東 10% 30% 30% 122% 118%
調・騎 ともに美浦 0% 0% 0% 0% 0%

※中京記念2012年以降の集計結果

[血統]コース変わりはプラスに作用!ディープインパクト産駒

中京芝1600mにおける種牡馬別成績ではディープインパクトが勝利数トップの成績を残している。2位のダイワメジャーとは12勝の差をつけており、この舞台では抜けた存在になるだろう。

前走で使った東京芝1400mにおけるディープインパクト産駒の成績と比べると、今回の舞台では成績が上昇する。初コースになるがパフォーマンスアップを期待していいのではないだろうか。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ディープインパクト 15% 28% 39% 56% 74%
ダイワメジャー 10% 24% 42% 24% 104%
ステイゴールド 12% 19% 26% 142% 81%
マンハッタンカフェ 11% 23% 25% 68% 93%
ハーツクライ 6% 17% 24% 26% 41%
アドマイヤムーン 10% 17% 23% 80% 39%
ゼンノロブロイ 5% 15% 18% 20% 63%
ダノンシャンティ 12% 18% 24% 70% 44%
ジョーカプチーノ 33% 33% 33% 253% 76%
アグネスデジタル 0% 0% 0% 0% 0%

※中京芝1600m2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
中京・芝1600 15% 28% 39% 56% 74%
東京・芝1400 12% 22% 29% 50% 72%

※ディープインパクト産駒2015年以降の集計結果

[脚質]自分の競馬に徹すれば

中京記念は先行馬よりも、差し・追い込み馬が有利なレースとなっている。グレーターロンドンは先行したレースで成績を落としており、道中で脚を溜めれば必ず直線では弾ける馬。

田辺騎手も、その特性は理解しているはずなので心配はいらないだろう。

先週の中京芝は、差し決着も目立っていた。最終週の馬場を味方につければ重賞制覇はさらに近づくはずだ。

4コーナー位置 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番手 0% 0% 0% 0% 0%
2~5番手 7% 17% 17% 73% 75%
6~9番手 0% 4% 13% 0% 54%
10番手以下 11% 16% 26% 120% 100%

※中京記念2012年以降の集計結果

[前走距離]距離延長プラスに作用するか

前走は初めて1400mのレースに出走し、結果は4着と敗れた。しかしこれは、中京記念のステップレースとしては良い選択になったと言える。このレースは距離延長馬が有利な傾向が出ているのだ。

また、1400mを使ったことで行き脚がつき、道中の追走が楽になる可能性もある。思っていたよりも後方にならない位置取りで脚を溜められたなら、差し損ねる心配も減るだろう。

グレーターロンドンの、距離延長ローテーションはプラスに評価したい。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同距離 7% 13% 20% 75% 73%
今回延長 10% 17% 21% 114% 93%
今回短縮 0% 5% 14% 0% 55%

※中京記念2012年以降の集計結果

[前走クラス]波乱の理由はここに? 前走重賞好走馬が不振

前走の京王杯スプリングカップでは4着に好走したグレーターロンドンだが、中京記念では、「前走重賞で5着以内に入った馬」の成績が悪いのだ。このタイプは人気を集める傾向にあり、1~2番人気に支持された馬すべてが馬券になっていない

昨年もダッシングブレイズ(1番人気)、トウショウドラフタ(2番人気)がいずれもこのデータに該当し、馬券圏外に敗れている。ダッシングブレイズに関しては、前走京王杯スプリンングカップ4着と着順まで同じだ。このデータが人気馬の不振理由になっている可能性も十分に考えられる。グレーターロンドンにも大きな壁になることだろう。

クラス・着順 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
オープン・1~5着 11% 19% 28% 110% 104%
重賞・6~9着 8% 8% 15% 116% 63%
重賞・10着~ 6% 6% 6% 74% 27%
オープン・6~9着 0% 17% 17% 0% 113%
オープン・10着~ 0% 20% 20% 0% 74%
重賞・1~5着 0% 0% 13% 0% 33%
1600万・1~5着 0% 0% 17% 0% 38%

※中京記念2012年以降の集計結果

[馬体重]大型馬有利 グレーターロンドンは?

中京記念では500キロを超える大型馬の成績が良い。ただ、勝利数で見ると3勝を分け合う結果になっており、マイナスデータとまではいかない。500キロ未満の馬も、勝ち切れていないが、馬券圏内に入ることは多い。

いままでのように好走することはあっても、これまで同様に差し脚及ばず敗退してしまうのか。グレーターロンドンの走りに注目しよう。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500キロ以上 15% 20% 25% 195% 83%
500キロ未満 4% 11% 17% 36% 73%

※中京記念2012年以降の集計結果

[人気]上位人気馬過信禁物

過去6年の中京記念は、3番人気以内の馬が勝利していない。すべて4~7番人気馬が勝利しているレースだ。特に、1番人気が不振で、連対を果たした馬がいない。3着に入ったのも1度だけという現状だ。

1番人気が想定されるグレーターロンドンには、このデータも向かい風になりそうだ。今年も1番人気が波乱の立役者になってしまうのか? 来年以降にもつながる注目データと言えそうだ。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 0% 0% 17% 0% 28%
2番人気 0% 17% 17% 0% 28%
3番人気 0% 0% 33% 0% 83%
4~7人気 25% 33% 42% 279% 149%
8人気以下 0% 6% 7% 0% 52%

※中京記念2012年以降の集計結果

[まとめ]プラスとマイナスを合わせ持つ

ここまでのデータを振り返ると、プラスとマイナスの両面を持ったグレーターロンドンは、絶対的な存在とは言い切れない馬になった。

凡走を繰り返す過去の人気馬と、一致する部分も持っている。不安要素の大きい1番人気と言えそうだ。馬券においては軸にするよりも、相手にとどめておくといいかもしれない。

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