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11月4日(日)に京都競馬場では第43回エリザベス女王杯(京都芝2200m外・G1)が行われる。
かつては牝馬三冠競争の最終戦という位置付けで行われていたが、現在は3歳馬と古馬の一線級が集うことで最強の牝馬が決まる、まさにレース名に相応しい女王決定戦と言えるだろう。
馬券的な観点で言えば、昨年も3連単¥127,540という高配当が飛び出したように、平穏な決着になることの方が少ない荒れるレース。ちなみに、2009年には単勝1.6倍のブエナビスタが馬券に絡みながらも3連単¥1,545,760という配当を記録した。
なかなか一筋縄にはいかないものの、予想のやりがいを感じるレースでもある。ここからは過去10年のデータを参考に、エリザベス女王杯を分析していこう。
目次
[人気]人気の盲点となっている馬を探す
過去10年のエリザベス女王杯において、1~3番人気に支持されていた馬が馬券に絡まなかった年はなく、最低でも上位人気馬のうちの一頭は毎年好走している。
ただし、1番人気が1勝、2番人気が1勝、3番人気が2勝というように、上位人気馬がイマイチ勝ち切れない傾向にある。とはいえ、残りの6勝のうち5勝が4~7番人気の範囲内で収まっていること考えると、極端な穴狙いは難しいだろう。あくまでも、人気の盲点になっているような馬が狙い目か。
今年は連覇を狙うモズカッチャンが人気の中心となりそうだが、騎乗予定のM.デムーロ騎手にとってはエリザベス女王杯3連覇が掛かっている。そのほかにも、リスグラシューに騎乗するJ.モレイラ騎手、ノームコアにはC.ルメール騎手と外国人騎手が上位人気を占めそうだ。
昨今は外国人騎手というだけで過剰人気になるので、エリザベス女王杯の傾向からすると、まず疑ってみるべき対象と言える。逆に外国人騎手の陰に隠れて過剰不人気になっている馬を見つけることができれば、美味しい配当に辿り着けるかもしれない。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 10% | 50% | 70% | 27% | 87% |
2番人気 | 10% | 30% | 50% | 39% | 79% |
3番人気 | 20% | 20% | 30% | 129% | 66% |
4番人気 | 20% | 20% | 40% | 217% | 96% |
5番人気 | 10% | 10% | 30% | 77% | 109% |
6番人気 | 10% | 20% | 30% | 152% | 117% |
7番人気 | 10% | 10% | 10% | 230% | 38% |
8番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
9番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 63% |
10番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
11番人気 | 10% | 10% | 10% | 771% | 141% |
12番人気 | 0% | 20% | 20% | 0% | 335% |
13番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
14番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
15番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
16番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
17番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
18番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[年齢]3~4歳馬を中心視
過去10年のエリザベス女王杯において、3着以内に好走した30頭中24頭が3~4歳馬だった。牝馬ということを考えると、出走馬の大半が若い馬になるため年齢による取捨は難しいが、それでも素直に評価するべき存在であることに間違いはない。
一方、5歳以上での優勝となると、雨が降るなか重馬場で開催された2012年の勝ち馬レインボーダリアと、後方で有力馬が牽制し合ったため前残りの展開を利した形となった2009年クィーンスプマンテの2頭。どちらも馬場や展開のアシストがあってのものなので、やはり基本的には軽視が妥当になる。
年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
3歳 | 8% | 17% | 23% | 69% | 48% |
4歳 | 7% | 13% | 24% | 56% | 83% |
5歳 | 4% | 8% | 10% | 192% | 43% |
6歳 | 0% | 8% | 8% | 0% | 179% |
7歳以上 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[間隔]牡馬混合戦組に注意
過去10年のエリザベス女王杯では、中4~8週で出走した馬が、勝率11%、連対率20%、複勝率20%、単回収307%、複回収129%と、好走率および回収率において優秀な成績だ。
複勝回収率については、2009年のクィーンスプマンテ(11番人気)とテイエムプリキュア(12番人気)が、共に京都大賞典から中4週で参戦した影響によるところが大きいが、2015年にはマリアライト(6番人気)もオールカマーから中6週で優勝しているように、非常に妙味のあるローテーションと言えるだろう。
ちなみに、中4~8週に該当しつつ好走した日本馬は、いずれも前走で京都大賞典かオールカマーに出走していた。どちらも牡馬混合のG2レースなので、仮に馬柱の見栄えが悪くなっていても侮れないことは覚えておこう。
レース間隔 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
中1週 | 0% | 0% | 25% | 0% | 90% |
中2週 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
中3週 | 5% | 12% | 18% | 50% | 53% |
中4~8週 | 11% | 20% | 20% | 307% | 129% |
中9~24週 | 0% | 0% | 8% | 0% | 20% |
中25週以上 | 0% | 0% | 33% | 0% | 50% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[馬体重]420~479キロ
過去10年のエリザベス女王杯において、3着以内に好走した30頭中24頭が420~479キロの範囲に収まる馬体重だった。
494キロのアパパネ(2010年3着)や、498キロのカワカミプリンセス(2008年2着)が1番人気の支持を集めても勝ちあぐねているように、馬体重が480キロを超える大柄な馬は過信禁物。
ちなみに、2013年にメイショウマンボ(488キロ)が480キロ以上で唯一優勝しているものの、2分16秒6(重)という勝ち時計からも分かるように、天候不良により馬場状態が悪化したなかでの開催だった。
今年も天候次第なところはあるが、馬券の軸に据えるならば420~479キロの範囲に該当している馬を選ぶのが無難だろう。
馬体重 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
400~419kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
420~439kg | 7% | 13% | 13% | 101% | 63% |
440~459kg | 4% | 12% | 23% | 161% | 75% |
460~479kg | 10% | 14% | 17% | 103% | 58% |
480~499kg | 3% | 6% | 11% | 11% | 20% |
500~519kg | 0% | 33% | 33% | 0% | 378% |
520~539kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
420~479kg | 7% | 13% | 19% | 127% | 66% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[脚質]瞬発力勝負のセオリーか
過去10年のエリザベス女王杯において、勝ち馬10頭中7頭が初コーナー通過5~9番手という位置取りを選択していた。
人気薄のクィーンスプマンテとテイエムプリキュアが後続を大きく離して逃げ切ったり、イギリスから来日したスノーフェアリーが物凄い末脚を駆使して追い込んできたりと、脳裏に刻み込まれているイメージとは裏腹に、逃げ・追い込みといった極端な脚質の馬の1着付けはデータ的に狙いづらい印象だ。
シンプルながらも、中団で運びながら脚を溜め、しっかり最後に上がりをまとめられるような好位差しタイプが勝ち馬候補となりやすい。
初コーナー通過順位 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
4番手以内 | 2% | 16% | 20% | 171% | 146% |
5~9番手 | 14% | 20% | 24% | 122% | 47% |
10番手以下 | 3% | 4% | 12% | 32% | 30% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[前走クラス]前走G2以上のレースに出走していた馬
過去10年のエリザベス女王杯において、連対馬20頭中18頭が前走G2以上のレースに出走していた。勝ち馬に限れば全頭が同条件を満たすので、G3以下のレースから臨む馬は大幅に割引が必要だろう。
京都大賞典で何度かスムーズさを欠きながらも2着に好走したレッドジェノヴァ、札幌記念で牡馬相手にタイム差なし3着のモズカッチャンなど、今年は牡馬混合G2で善戦していた馬がいる点にも注目。
また、あえてG3以下から好走した馬に注目するならば、ラキシス(2013年2着)、ピクシープリンセス(2012年3着)、カワカミプリンセス(2008年2着)、ベッラレイア(2008年3着)、いずれもキャリア10戦以下でエリザベス女王杯を迎えていたという共通点があった。今年、G3以下のレースから臨む馬で、キャリア10戦以下に該当しているのはノームコアだけだ。
前走クラス | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
500万下 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
1000万下 | 0% | 13% | 25% | 0% | 111% |
1600万下 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
OPEN特別 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
G3 | 0% | 4% | 7% | 0% | 10% |
G2 | 8% | 15% | 20% | 197% | 120% |
G1 | 11% | 18% | 29% | 80% | 51% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[血統]サンデーサイレンスの血が邪魔になる?
過去10年のエリザベス女王杯において、サンデーサイレンスの血に注目してみると「父も母父もSS系(=サンデーサイレンス系)以外」という馬が好走率および回収率で一番優秀な成績を収めていた。(※ここで言うサンデーサイレンス系にはサンデーサイレンス自身も含む。)
エリザベス女王杯が毎年のように高配当になる要因の一つにサンデーサイレンスの流れを汲む馬の不振傾向が挙げられる。
特に5歳以上となると3着以内に好走した馬は、いずれも「父も母父もSS系以外」に該当していた。「父か母父がSS系」の5歳以上は【0-0-1-54】と連対例がなく、上位人気馬でも期待に応えられていない。つまり、サンデーサイレンスの血を活かせるのは3~4歳馬だけということを覚えておくべきだろう。
血統 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
父がSS系 | 5% | 11% | 15% | 43% | 47% |
父がSS系以外 | 7% | 13% | 20% | 172% | 91% |
母父がSS系 | 0% | 3% | 10% | 0% | 30% |
母父がSS系以外 | 7% | 13% | 19% | 114% | 72% |
父か母父がSS系 | 4% | 9% | 14% | 33% | 43% |
父も母父もSS系以外 | 13% | 21% | 29% | 313% | 141% |
※エリザベス女王杯 2008年以降の集計結果
[まとめ]
ここまでのデータを整理してみよう。
人気:上位人気馬を信頼しつつ、人気の盲点となる馬を探す
年齢:3~4歳馬が中心
間隔:中4~8週、牡馬混合G2組に注意
馬体重:420~479キロ
脚質:好位差しが狙えるタイプ
前走クラス:G2以上
血統:「父も母父もSS系以外」の馬が好成績
例年、高配当になりがちなレースなので、データを有効に活用して欲しい。そうすれば世間の評価に惑わされず、エリザベス女王杯に適性のある馬を見つけることができるだろう。