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川田 信一

1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

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今年の春は、7番人気の低評価を覆し、皐月賞を制したエポカドーロ。その走りがフロック視されていたダービーでも2着に好走し、牡馬クラシック路線で連続連対を果たした唯一の馬である。

前走の神戸新聞杯では、スタート直後に大きく躓く不利があり、決して得意とは言えない後方からの競馬で4着に好走してみせた。

今回は3冠最後の菊花賞。皐月賞で2着だったサンリヴァルも、ダービーで先着を許したワグネリアンもいない状況で、もう一冠を手にすることができるのだろうか。

あらゆる角度からエポカドーロを解析していこう。

［騎手］カギを握る戸崎騎手

京都芝3000ｍにおける戸崎騎手は、勝率0％である。関東のリーディング上位騎手ということだけあって、同じ舞台で行われる万葉ステークスにも騎乗がなかった。集計期間中においては、2017年の菊花賞でトリコロールブルーに騎乗し15着、2015年のマッサビエルで9着と、思うような結果が出ていない状況である。

過去10年までさかのぼってみても、2013年のアドマイヤスピカ7着が最高着順で結果は出ていなかった。

京都の外回りコースといえば、3コーナーからの下り坂を生かした競馬を問われる特殊な舞台。日ごろから乗っている騎手でも難しそうなだけに、関東所属の騎手には楽ではなさそうだ。エポカドーロが好走できるかどうかは戸崎騎手の乗り方ひとつにかかっていると言っても過言ではないだろう。

※京都芝3000ｍ　2015年以降の集計結果

［厩舎］菊花賞制覇で牡馬クラシック全制覇なるか

京都芝3000ｍにおける藤原英厩舎は、勝率0％で、集計期間中の出走は、昨年の菊花賞ベストアプローチ（9番人気・13着）のみである。

過去10年の菊花賞では、2011年にトーセンラーが3番人気で3着というのが最高着順だった。2012年にも3番人気のロードアクレイムを送り込んだが、6着に敗れている。

2010年にダービーをエイシンフラッシュで制覇。今年はエポカドーロで皐月賞を勝利し、牡馬クラシックで残すは菊花賞だけとなった。。エポカドーロも3番人気が予想されるだけに、好走確率は高そう。ここも勝って、この世代の2冠馬となれるのか。その走りに注目したい。

※京都芝3000ｍ　2015年以降の集計結果

［血統］父は菊花賞勝ち馬

京都芝3000ｍにおけるオルフェーヴル産駒は、この世代が初年度産駒ということもあり、今回が初出走となる。父の父であるステイゴールド産駒は、オルフェーヴルとゴールドシップという2頭の勝ち馬を送りだした名種牡馬。適性のあるステイゴールドを父に持つ、オルフェーヴル産駒ということであれば、問題なく対応してきそうである。むしろ、適性を見せて大きくパフォーマンスを上げてきそうな予感もするくらいだ。

先週の秋華賞では、同じ初年度ロードカナロア産駒のいアーモンドアイが3冠を達成。ダービーこそ、ディープインパクト産駒のワグネリアンに譲る形となったが、オルフェーヴル産駒も負けていられない。菊花賞を勝って、初年度産駒2冠でロードカナロア産駒を追いかけたい。

※京都芝3000ｍ　2015年以降の集計結果

［脚質］純粋な末脚比べでは分が悪いか

過去10年の菊花賞において、3着内に入った30頭中、26頭が上がり3ハロンタイム5位以内の脚を使った馬だった。

エポカドーロは、前走こそスタートでの躓きが影響して、後方からの競馬となったが、基本的には先行して粘りこむ競馬が得意なタイプ。皐月賞のような厳しい流れを勝ち切ったレース展開と似た形になれば、好走できる可能性は高そう。皐月賞では上がり3ハロンタイム4位を記録できていたように同じ形が作れれば、勝ち切るところまでいけそうである。

自ら逃げるのではなく、例えばメイショウテッコンを先に行かせて2番手からの競馬になると理想的な展開となりそうだ。

※菊花賞　2008年以降の集計結果

［前走］前走のスタートをいかに判断するか

過去10年の菊花賞において、3着内に入った30頭中、30頭すべてが、前走で1000万特別もしくは、G2クラスに出走していた馬だった。

神戸新聞杯4着から、菊花賞で好走した例を挙げると、2012年のユウキソルジャーが該当する。7番人気で3着だった。またエポカドーロと似た状況にあったのが、2009年の皐月賞馬アンライバルド。神戸新聞杯4着から菊花賞に3番人気で出走し15着と大敗している。アンライバルドはダービーでも大敗していただけに、この点ではエポカドーロと大きく違うが、場合によっては同じように大敗する可能性もあると言えそうだ。他の例では、昨年のダンビュライトが5着に敗れている。2016年のカフジプリンスは3番人気ながら8着だった。人気がない方が好走率が高いだけに、エポカドーロはどうだろうか。前走ではスタート直後に躓いたことで、あわや落馬という状況だった。これがなければ、着順を上げていた可能性を考えると、過去10年の4着馬以上に期待できそうである。

※菊花賞　2008年以降の集計結果

※菊花賞　2008年以降の集計結果

［馬体重］連対馬最多ゾーンに該当

過去10年の菊花賞において、3着内に入った30頭中、30頭すべてが、馬体重430キロ～530キロの範囲内だった。

特に480～499キロの範囲内だった馬が、過去10年で12頭という連対馬を輩出しており、最も好走する馬が多く出ている。エポカドーロの前走は486キロだったため、大方はこの前後の馬体重で出てくると判断していいだろう。

さすがに、先のレースを目標としているとも考えづらく、今回がメイチではないだろうか。仮に絞ったとしても480キロ台前半だと考える。もしも減りすぎることがあったとしても、適性体重内なので心配はない。

※菊花賞　2008年以降の集計結果

［人気］近年は馬券イン絡めていない3番人気

過去10年の菊花賞における3番人気の馬は、勝率10％で、複勝率は30％と苦戦気味である。昨年はミッキースワローが6着。2016年はカフジプリンスが8着、2015年はサトノラーゼンが5着という結果が続いているのだ。2014年にはトーホウジャッカルが勝利したものの、そこから3年は不振が続いている。

トーホウジャッカル以外に馬券に絡んだのは、2013年のバンデが3着、2011年のトーセンラーが3着という結果で、この2頭はともに3番人気でありながら、単勝オッズが10倍を超えていた、という共通点があった。

3強の一角を担うような3番人気馬では、負けてしまうことばかりで、2強と差のある3番人気馬のほうが好走率が高い。今年は3強もしくはジェネラーレウーノも含めた4強という菊花賞になりそうなメンバー構成だけに、このデータはエポカドーロにとってマイナスとなりそうだ。

※菊花賞　2008年以降の集計結果

［まとめ］それでも相手候補までか？

ここまでのデータを振り返ってみると、プラス要素が少ない馬という印象だ。

皐月賞は中山で行われるレースということもあり、戸崎騎手が乗りこなせた。今回は京都である。ワグネリアン不在で上位人気となるだけに、相当なプレッシャーがかかるだろう。また、前走4着からの巻き返しデータもプラスとは言えない。人気の面でもいまひとつだった。

これらをふまえると、勝ち負け候補というよりも、2,3着候補として馬券を組んだほうが良さそうである。実績を考えれば、勝ってもおかしくない馬だが、データ面からは推奨しきれなかった。