レース見解

クイーンステークス2018フロンテアクイーンは重賞初制覇なるか

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

2017年のヴィクトリアマイル以降、馬券圏内を外していない堅実ぶりを見せているフロンテアクイーン。これまでに重賞で4度も2着になっている、典型的なシルバーコレクターだ。

ルメール騎手がディアドラに乗り替わったことで、フロンテアクイーンの鞍上だった北村宏騎手はソウルスターリングへ。そして、フロンテアクイーンには元々の主戦騎手である蛯名騎手が、久しぶりの騎乗を予定している。乗り替わりになった理由は不明だが、その後の成績を考えれば蛯名騎手とのコンビも悪くなかったはず。

今回は間隔が開いての出走になるが、福島牝馬ステークスの追い切り後に心房細動を発症し、同レースを回避している。順調さを欠いた中間だったが、目標をここに立て直してきた。今回も相手は強力だが、これまでに負けた相手も強力だった。立て直してくれば強豪馬相手でも戦えるはずだ。そんなフロンテアクイーンが勝つための条件をさまざまな角度から探っていこう。

[騎手]この乗り替わりは鞍上弱化?

札幌芝1800mにおける蛯名騎手は勝率7%で勝利数は水準レベルに位置している。今回は乗り替わりになっているが、そもそも北村宏騎手が継続騎乗していたら。さらに成績が落ちてしまう。この乗り替わりは歓迎材料ととらえたい。

ただ、北村宏騎手とのコンビだからこそ前走のパフォーマンスができていた可能性が高い。同等の内容を蛯名騎手に求めないほうが良さそうだ。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ルメール 24% 41% 57% 71% 76%
池添謙一 17% 17% 28% 116% 48%
四位洋文 15% 39% 39% 225% 110%
モレイラ 31% 54% 62% 66% 90%
福永祐一 6% 31% 37% 17% 72%
藤岡康太 9% 17% 26% 79% 96%
三浦皇成 13% 19% 38% 35% 51%
吉田隼人 15% 23% 46% 94% 106%
岩田康誠 17% 25% 42% 87% 105%
横山和生 20% 20% 30% 861% 179%
国分恭介 67% 67% 67% 1706% 220%
横山典弘 6% 24% 35% 18% 61%
勝浦正樹 3% 10% 20% 10% 89%
柴山雄一 4% 13% 25% 50% 156%
丹内祐次 4% 13% 17% 13% 86%
井上敏樹 6% 17% 22% 275% 203%
武豊 11% 33% 33% 68% 170%
蛯名正義 7% 13% 27% 192% 60%
柴田大知 20% 40% 40% 194% 96%
菱田裕二 7% 7% 21% 19% 33%
原田和真 14% 14% 29% 205% 102%
松田大作 17% 17% 33% 541% 101%
ティータ 13% 13% 13% 92% 27%
丸田恭介 14% 14% 14% 78% 25%
藤田伸二 20% 20% 20% 236% 88%
永森大智 100% 100% 100% 1150% 320%
ターナー 100% 100% 100% 860% 240%
ダシルヴ 100% 100% 100% 770% 330%
ホワイト 100% 100% 100% 1400% 280%
松岡正海 0% 11% 33% 0% 147%

※札幌芝1800m 2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
北村宏・中山芝1800 15% 21% 31% 125% 75%
蛯名・札幌芝1800 7% 13% 27% 192% 60%

※2015年以降の集計結果

[厩舎]安定の国枝厩舎

札幌芝1800mにおける厩舎別成績を見てみると、国枝厩舎は勝率14%で結果を出せている。出走数が少ないが、この成績なら問題ないととらえていいだろう。

勝利数の多い中山芝1800mの成績と比較しても遜色ない数値になっている。心房細動明けで、どこまで仕上げているのかが問題になるだろう。当日のパドックで状態を必ずチェックしたい。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(美)藤沢和雄 21% 42% 58% 37% 76%
(栗)平田修 43% 43% 57% 544% 120%
(栗)藤岡健一 15% 23% 39% 182% 94%
(栗)中竹和也 33% 33% 50% 361% 135%
(美)国枝栄 14% 29% 29% 78% 41%
(栗)橋田満 0% 0% 25% 0% 0%
(栗)牧田和弥 0% 0% 20% 0% 38%
(美)斎藤誠 0% 0% 100% 0% 200%
(栗)本田優 0% 0% 0% 0% 0%
(栗)高野友和 0% 0% 0% 0% 0%

※札幌芝1800m 2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
中山・芝1800 14% 28% 40% 83% 106%
札幌・芝1800 14% 29% 29% 78% 41%

※国枝厩舎芝競馬場別成績 2015年以降の集計結果

[血統]メイショウサムソンは未勝利のコースだが…

札幌芝1800mにおけるメイショウサムソンは勝利数ゼロとなっている。ただし、複勝率は42%と高水準になっており、苦手なコースということでもなさそうだ。

前走の中山芝1800m成績と比較しても大きな差は出ていない。プラスともマイナスとも評価しないでいいのではないだろうか。勝ち切るというよりは2,3着に好走してくる可能性が高いと言えるだろう。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ハービンジャー 14% 23% 35% 51% 70%
キングカメハメハ 15% 26% 33% 352% 163%
ディープインパクト 21% 33% 50% 147% 120%
ハーツクライ 11% 17% 22% 35% 45%
ジャングルポケット 18% 24% 24% 256% 58%
マンハッタンカフェ 5% 20% 35% 37% 208%
Frankel 50% 50% 50% 85% 55%
メイショウサムソン 0% 25% 42% 0% 90%
エンパイアメーカー 0% 7% 14% 0% 25%
ストロングリターン 0% 100% 100% 0% 250%

※札幌芝1800m 2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
中山・芝1800 9% 19% 30% 29% 52%
札幌・芝1800 0% 25% 42% 0% 90%

※メイショウサムソン産駒コース別成績 2015年以降の集計結果

[脚質]蛯名騎手はどのように乗るのか

クイーンステークスは、前走で先行する競馬をしていた馬の成績が良い傾向にある。フロンテアクイーンは前走の4コーナーで、3番手から2着と好走していた。

過去に蛯名騎手が騎乗していたころは、後ろからの競馬になることが多かったが、今回はどのような騎乗をするのか。その騎乗ぶりで結果は変わってくるだろう。札幌での騎乗が多い蛯名騎手であれば、乗り方はわかっているはず。

前走4角 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
~9番手 9% 18% 25% 77% 79%
10番手~ 4% 8% 20% 234% 91%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

[前走距離]勝ち切れる前走同距離組

クイーンステークスの前走距離別成績を比較してみよう。前走と同距離になる馬は、好走止まりではなく勝ち切ることが多い。それによって勝率が高くなっているのだ。

フロンテアクイーンはこれまでもさまざまな距離を使われてきたが、特に距離の変動に影響なく好走出来ている。今回は同距離なので問題なく対応できるだろう。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同距離 10% 13% 16% 263% 84%
今回延長 11% 25% 36% 41% 121%
今回短縮 5% 12% 20% 65% 53%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

[前走クラス]G1組を逆転できる前走G3組

クイーンステークスは前走G1に出走していた馬の成績が良い。それに次いで、馬券圏内に多くの馬を導いているのがG3組と1600万組である。

福島牝馬ステークスの追い切りで、とん挫してしまったが、そうでなければヴィクトリアマイルまで進めていたはず。心房細動以降は、クイーンステークスを目標に進められてきたとのことで、ローテーションには問題ないだろう。マイナスに評価にする必要はないはずだ。

前走クラス 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万下 0% 0% 0% 0% 0%
1600万下 8% 17% 29% 255% 165%
OPEN特別 0% 8% 15% 0% 100%
G3 5% 10% 18% 135% 57%
G2 0% 0% 0% 0% 0%
G1 16% 29% 37% 57% 71%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

[馬体重]好走馬のほとんどが500キロ未満

クイーンステークスは500キロ未満の馬が多く好成績を残しているレースである。470キロ台での出走になることが想定されるが、休み明けで大幅に増えたとしても500キロを超えることはないだろう。

走れる状態にあれば、力を出し切れる馬体重である。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
~499kg 9% 15% 24% 116% 84%
500kg~ 0% 20% 20% 0% 31%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

[人気]3~6人気は未勝利

今年のクイーンステークスは、ディアドラが1番人気で、2番人気をソウルスターリングとフロンテアクイーンが争う形になるだろうか。いずれにしても上位人気になるはずだ。

ただ、過去のクイーンステークスでは3~6番人気が未勝利で、複勝率については下位人気馬と差がない成績になっている。単勝オッズで見ても、7倍から19.9倍の中穴ゾーンの好走馬が極端に少ない。

このゾーンに入りそうなフロンテアクイーンには、マイナスデータとなりそう。軸に置くにはリスクが高いのではないだろうか。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 30% 70% 80% 83% 120%
2番人気 40% 40% 40% 162% 64%
3番人気 0% 10% 30% 0% 50%
4番人気 0% 0% 20% 0% 45%
5番人気 0% 0% 0% 0% 0%
6番人気 0% 20% 40% 0% 126%
7番人気 10% 10% 10% 325% 39%
8番人気 0% 10% 20% 0% 131%
9番人気 11% 11% 11% 224% 58%
10番人気 0% 22% 22% 0% 130%
11番人気 13% 13% 25% 733% 257%
12番人気 0% 0% 13% 0% 88%
13番人気 0% 0% 0% 0% 0%
14番人気 0% 0% 0% 0% 0%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

単勝オッズ 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2.0~2.9 50% 67% 67% 138% 93%
3.0~3.9 29% 57% 71% 100% 105%
4.0~4.9 17% 50% 67% 66% 115%
5.0~6.9 8% 8% 23% 40% 46%
7.0~9.9 0% 7% 21% 0% 47%
10.0~14.9 0% 8% 15% 0% 60%
15.0~19.9 0% 0% 13% 0% 48%
20.0~29.9 7% 7% 7% 134% 35%
30.0~49.9 6% 18% 24% 191% 154%
50.0~99.9 7% 14% 21% 419% 187%
100.0~ 0% 0% 0% 0% 0%

※クイーンステークス 2008年以降の集計結果

[まとめ]順調さ欠いて、どこまでやれるか

これまでのデータを振り返ると、強調力の乏しい内容ばかりが揃った印象だ。心房細動の影響で仕上げ切らずレースを使う可能性も秘めている。

データ分析では、馬券の組み立てにおいて軸とせず、相手候補の1頭評価したい。

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