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中山金杯の概要・見どころ
競馬格言に「1年の計は金杯にあり」とあるとおり、新年最初の重賞として古くから親しまれているレース。春のG1戦線への挑戦権を賭け、「一流」と呼ぶにはちょっと力が劣る馬たちがしのぎを削る。2015年には、このレースで重賞を初めて勝ったラブリーデイがそのまま上昇気流に乗り、6月には宝塚記念、10月には天皇賞(秋)を制覇。平凡な馬が一流馬へと「覚醒」するきっかけとなる一戦でもある。
中山金杯の歴史
1952年創設。第9回(1960年)までは中山芝2600mで施行されていた。第10回以降は現行の芝2000mに改定されている(ただし第20回、第27回は東京ダート2100mで開催)。競走名は第1~44回までは「金杯」のみだった(1966年以降は「日刊スポーツ賞」が競走名に付くようになった)が、第45回からは、関西圏で行われる同名競走と区別するため「中山金杯」に改められた。開催場は、1950~60年代は中山開催、1970年代は東京開催と変遷していったが、1980年以降は中山開催で定着している。1984年、グレード制導入によりG3に格付け。有馬記念の直後ということもあり一線級の参戦は少ないが、関係者にとっても競馬ファンにとっても「ゲン担ぎ」として大切なレースとなっている。
中山金杯の開催時期
創設から第9回までは1月中旬の開催。第10回(1961年)から、新年最初の開催日に施行されることになった。ただし1972年は馬インフルエンザと厩務員ストライキの影響を受け、福島芝2000mの条件で4月30日に行われている。
中山金杯の競走条件
直近1年以内に出走歴のある4歳以上が出走可能。負担重量規定は、第1~2回と第10回以降はハンデキャップ。第3~9回は別定。1994年、混合競走に指定され外国産馬が出走可能となり、2006年には国際競走に指定され、外国調教馬も出走可能となった。
中山金杯のコースの特徴
中山芝2000mで行われる。ホームストレッチの入口からスタートし、そのまま内回りコースをグルっと1周してくる形態。直線は310mと中央4場の中では最も短いが、高低差最大5.3mの急坂をスタート直後とゴール前の2度上るコース形態のため、逃げ馬は苦しい戦いを強いられることになる。
人気
ハンデG3とはいえ、1番人気馬の信頼度は高い。2009~2018年の10年間では4勝2着1回3着3回。実に10頭中8頭が馬券に絡んでいる。あわせて目を見張るのが4番人気馬の回収率。単勝・複勝ともに100%を超えている。派手な大穴もときには開くが、基本的には「人気どころを軸にした中穴狙い」までにとどめておいたほうがよさそうだ。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 40% | 50% | 80% | 113% | 118% |
2番人気 | 20% | 40% | 40% | 101% | 78% |
3番人気 | 10% | 10% | 10% | 49% | 16% |
4番人気 | 20% | 40% | 50% | 144% | 119% |
5番人気 | 10% | 30% | 60% | 95% | 175% |
6~10番人気 | 0% | 4% | 6% | 0% | 23% |
11番人気以下 | 0% | 2% | 5% | 0% | 60% |
※中山金杯2009~2018年の集計結果
単勝オッズ | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
2.0~2.9倍 | 75% | 75% | 75% | 202% | 97% |
3.0~3.9倍 | 17% | 17% | 67% | 53% | 103% |
4.0~4.9倍 | 29% | 57% | 57% | 132% | 94% |
5.0~6.9倍 | 14% | 36% | 36% | 84% | 72% |
7.0~9.9倍 | 13% | 20% | 33% | 118% | 90% |
10.0~14.9倍 | 0% | 13% | 38% | 0% | 116% |
15.0~19.9倍 | 0% | 14% | 14% | 0% | 51% |
20.0~29.9倍 | 0% | 5% | 5% | 0% | 24% |
30.0~49.9倍 | 0% | 0% | 11% | 0% | 85% |
50.0~99.9倍 | 0% | 0% | 3% | 0% | 58% |
100倍以上 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※中山金杯2009~2018年の集計結果
ハンデ
1番人気馬が信頼できるというデータが出るのもそのはず。中山金杯は重いハンデを課せられている馬が好走する傾向にある。「人気薄が軽ハンデを生かして穴を開ける」という結果は望まないほうが賢明だろう。
斤量 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
57.5kg以上 | 13% | 27% | 40% | 118% | 102% |
55.5~57kg | 11% | 20% | 25% | 43% | 51% |
53.5~55kg | 4% | 9% | 18% | 14% | 91% |
51.5~53kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
49.5~51kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
49kg以下 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※中山金杯2009~2018年の集計結果
脚質
前述のとおり、逃げ馬が苦戦傾向にある一方、先行馬が圧倒的な実績を残している。先行馬と差し馬では、複勝率こそ差がないものの、勝率で大きな格差が見られる。勝ち切るにはある程度、前目のポジションを取れる馬でないと厳しい。
脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 0% | 10% | 20% | 0% | 116% |
先行 | 17% | 31% | 36% | 84% | 80% |
差し | 6% | 11% | 20% | 31% | 78% |
追込 | 0% | 2% | 5% | 0% | 11% |
マクリ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※中山金杯2009~2018年の集計結果
枠順
下に示す2009~2018年の集計データを見ていただければわかるとおり、中山金杯は目に見えて内枠有利。「迷ったら内枠」が勝利への近道だ。
枠番 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 11% | 17% | 22% | 80% | 48% |
2枠 | 17% | 39% | 39% | 86% | 105% |
3枠 | 16% | 16% | 26% | 51% | 51% |
4枠 | 5% | 5% | 10% | 24% | 15% |
5枠 | 0% | 10% | 20% | 0% | 124% |
6枠 | 5% | 21% | 42% | 30% | 160% |
7枠 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
8枠 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※中山金杯2009~2018年の集計結果
血統
以下に挙げるのは12月・1月の中山芝2000mにおける種牡馬別勝ち数ベスト10だ(集計期間:2009年1月4日~2018年12月15日)。天下のディープインパクトが勝ち鞍としてはやはりトップだが、注目はハーツクライ。単勝・複勝ともに100%を大きく超えている。配当妙味はこちらのほうが上か。もちろん「万能種牡馬」キングカメハメハも上位に名を連ねる。
種牡馬 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 18% | 25% | 36% | 91% | 82% |
ハーツクライ | 15% | 25% | 38% | 148% | 135% |
キングカメハメハ | 14% | 22% | 34% | 79% | 74% |
ステイゴールド | 8% | 16% | 25% | 50% | 72% |
ゼンノロブロイ | 11% | 15% | 22% | 94% | 58% |
ハービンジャー | 11% | 19% | 28% | 67% | 60% |
ジャングルポケット | 9% | 13% | 22% | 111% | 70% |
シンボリクリスエス | 6% | 11% | 15% | 73% | 81% |
アグネスタキオン | 10% | 31% | 41% | 43% | 94% |
ダイワメジャー | 9% | 23% | 32% | 58% | 75% |
※中山芝2000m、2009年1月~2018年12月の集計結果