レース見解

スプリンターズステークス2018の最新見解・データ

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

9月30日(日)に中山競馬場では第52回スプリンターズステークス(G1)が行われる。

2012年と2013年にはロードカナロアが連覇し、ここをステップに香港スプリントまで制した。その鞍上だった岩田騎手は過去10年で複勝率50%と大活躍しているレースであり、ロードカナロアやレッツゴードンキなど、多くの活躍馬とコンビを組み好走してきている。今年も昨年に続きレッツゴードンキで出走予定だ。

過去10年で3連単が10万馬券を超えたことが5度もあり、難解な年になることが多い。ここからは、馬場改修のため新潟で行われた2014年を含む、過去10年のデータを参考にスプリンターズステークスをひも解いていきたい。

[人気]必ず絡む1~3番人気 1度も絡まない4番人気

スプリンターズステークス過去10年勝ち馬のうち、7頭が1~3番人気以内に支持されていた馬だった。しかも、毎年必ず1頭は1~3番人気の馬が馬券に絡んでいる。一方で、4番人気が過去10年で一度も馬券に絡んでいないという不思議な傾向も出ている。馬券を購入する際には注意したいデータとなりそうだ。

1番人気の傾向については、複勝率が50%と安定感を示しているものの、セントウルステークスを勝ってここに挑んだ馬は苦戦している。2016年のビッグアーサーは12着、2009年のアルティマトゥーレは5着と、連勝は難しいようだ。むしろ狙いたいのはセントウルステークスで少し負けていたタイプ。2015年ストレイトガール(セントウルステークス0.0秒差・4着)、2013ロードカナロア(セントウルステークス0.0秒差・2着)といった顔ぶれで、2012年のカレンチャンは2着に敗れたものの、セントウルステークスでは0.1秒差の4着に好走していた馬だった。

今年のメンバーでは、ファインニードルが1番人気になると予想され、これまで結果の出ていないセントウルステークスの勝ち馬に該当。危険な人気馬となるだろう。2着だったラブカンプーは0.2秒差と少し負けていたタイプ。逆転候補として覚えておきたい。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 40% 50% 50% 113% 68%
2番人気 10% 60% 60% 44% 109%
3番人気 20% 30% 30% 204% 104%
4番人気 0% 0% 0% 0% 0%
5番人気 0% 10% 20% 0% 68%
6番人気 10% 10% 20% 138% 68%
7番人気 0% 0% 30% 0% 141%
8番人気 0% 0% 10% 0% 47%
9番人気 0% 10% 40% 0% 280%
10番人気 10% 10% 10% 293% 90%
11番人気 0% 10% 10% 0% 61%
12番人気 0% 0% 0% 0% 0%
13番人気 10% 10% 10% 465% 65%
14番人気 0% 0% 0% 0% 0%
15番人気 0% 0% 10% 0% 118%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%
17番人気 0% 0% 0% 0% 0%
18番人気 0% 0% 0% 0% 0%
19番以下 0% 0% 0% 0% 0%
1~3人気 23% 47% 47% 120% 93%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[年齢]4~6歳馬を中心に

スプリンターズステークス過去10年において、3着内に入った30頭中、26頭が4~6歳馬だった。7歳以上で馬券に絡んだのは、2010年の勝ち馬ウルトラファンタジーや、同年3着のキンシャサノキセキ、2015年のサクラゴスペルの3頭のみ。これらは、その年に重賞を2勝以上もしくは、G1で連対したことがあった実績馬。おさえるとすればこの条件を満たす馬から選ぶと良さそうだ。

3歳馬に関しては、2016年のソルヴェイグ(9番人気・3着)や2010年のダッシャーゴーゴー(2位入線・4着降着)といった、古馬に混ざって重賞で好走していた馬を2着以下におさえるといいだろう。

今年のメンバーでは、3歳馬のラブカンプーが候補に挙がってくるだろうか。高齢馬では、香港からラッキーナインが来日しているが、G1での実績に乏しいため、データ的には割引となるだろう。今年は4~6歳馬を中心に考えて良さそうである。

年齢 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
3歳 0% 0% 9% 0% 67%
4歳 12% 19% 39% 69% 152%
5歳 6% 19% 26% 51% 76%
6歳 8% 8% 11% 150% 59%
7歳以上 3% 8% 8% 73% 43%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[ローテーション]問われないレース間隔

スプリンターズステークスといえば、セントウルステークスやサマースプリントシリーズからの参戦が一般的と思われている。しかし、昨年は安田記念から直行したレッドファルクスが勝利。2着のレッツゴードンキも前走はヴィクトリアマイルで、3着のワンスインナムーンは新潟の朱鷺ステークスからの参戦だった。

どちらにしても、休み明け2戦目の馬が良績を残しており、夏場を連戦してきた馬は2,3着までといったことになることが多い。今年はセントウルステークスをファインニードルが完勝しているように、人気が集まりそうだが、ここまでのデータでは敗れそうなニオイがプンプンしているだけに、波乱決着にも目を向けておいたほうが良さそうだ。

その他からは、キャンベルジュニアレッツゴードンキが理想的なローテーションと言えそう。ナックビーナスもキーンランドカップ組で悪くない。昨年同様のローテーションで挑むワンスインナムーンも侮れない存在と言えそうだ。

レース間隔 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
連闘 0% 0% 0% 0% 0%
中1週 0% 0% 0% 0% 0%
中2週 6% 10% 16% 35% 61%
中3週 0% 0% 0% 0% 0%
中4~8週 5% 10% 20% 101% 89%
中9~25週 12% 23% 23% 160% 96%
中26週以上 0% 17% 17% 0% 48%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[馬体重]460~520キロを狙う

スプリンターズステークス過去10年で連対した20頭中19頭が、馬体重460~520キロの範囲内だった。唯一の例外は、2010年の勝ち馬ウルトラファンタジーで、この馬は香港馬だった。この範囲から漏れる馬は3着までが精一杯で、2014年の馬場改修以降は馬券に絡んでいない。

昨年は522キロで出走したメラグラーナが2番人気で7着。2016年のビッグアーサーは520キロで出走し、1番人気12着だった。今年のメンバーでは、カイザーメランジェ(446キロ)、キャンベルジュニア(532キロ)、ナックビーナス(522キロ)、ラインスピリット(442キロ)、ラブカンプー(434キロ)、ワンスインナムーン(448キロ)(※いずれも前走体重)が該当する。過去10年のデータを信用するならば、これらの馬はあっても3着までということになりそうだ。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
460~520kg 7% 16% 22% 79% 77%
上記以外 3% 3% 10% 75% 72%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[脚質]上がり3ハロンタイム1位が勝てない

スプリンターズステークス過去10年における、上がり3ハロンタイム1位だった馬は、0-0-1-9と3着が1度のみである。末脚が鋭すぎる馬は、3着までがやっとという成績となっている。

それでも、前走では上がり3ハロンタイム3位以内だった馬が優秀で、過去10年のうち6頭がこのデータと合致しており、昨年まで5連勝中である。スプリントG1で連対経験があれば、先行馬でも構わないが、そうでないタイプは前走で速い上がり3ハロンタイムを出していた馬が良さそうだ。

今年のメンバーで、前走上がり3ハロンタイムが3位内だった馬は、アレスバローズ、グレイトチャーター、スノードラゴン、ファインニードル、プラヴィッシモ、ムーンクエイク、レッドファルクスが該当している。このなかに、勝ち馬がいるかもしれない。

上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1位 0% 0% 10% 0% 49%
2位 27% 27% 40% 154% 120%
3位 25% 38% 38% 611% 127%
4~5位 5% 18% 23% 5% 77%
6位~ 3% 9% 14% 49% 68%
2~3位 26% 30% 39% 313% 122%
前走1位 10% 14% 24% 50% 72%
前走2位 7% 7% 14% 332% 78%
前走3位 19% 19% 25% 62% 57%
前走4~5位 0% 13% 17% 0% 49%
前走6位~ 4% 11% 18% 39% 85%
前走1~3位 12% 14% 22% 131% 69%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[前走]1200m組が中心だが…

スプリンターズステークス過去10年において、3着内に入った30頭中、26頭が前走も1200m戦を使われていた馬だった。ただし、近年傾向に変化が見られており、昨年に関しては、距離短縮組が馬券圏内を独占するといった事態が起こっている。

また、26頭から漏れている4頭については、安田記念やヴィクトリアマイルからの直行馬だった。しかも、前走がマイル戦だった馬は、その年に1400m重賞を勝っているという共通点もあった。2017年レッドファルクス(京王杯スプリングカップ)、レッツゴードンキ(京都牝馬ステークス)、2015年サクラゴスペル(京王杯スプリングカップ)。昨年3着のワンスインナムーンは朱鷺ステークスで、こちらも新潟の1400m戦だった。1400mの距離実績を注意して見てみると良さそうだ。

王道ローテーションのセントウルステークスからは、馬場改修2014年以降、3着内に好走しつつ、スプリンターズステークスも好走できた馬が出ていない。昨年もファインニードルとラインミーティアが本番で大敗している。

今年は安田記念から直行のレッドファルクスが出走を予定しているものの、1400m戦での実績というと阪急杯3着のみ。さすがに3連覇は厳しいだろう。昨年と同じローテーションで挑むワンスインナムーンには今年も注目したい。また、前走でスプリント戦は厳しいと思われた印象のムーンクエイクは、今年の京王杯スプリングカップの勝ち馬。またルメール騎手が重賞を勝利するのだろうか。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同距離 7% 13% 19% 91% 77%
今回延長 0% 0% 0% 0% 0%
今回短縮 5% 14% 23% 14% 84%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[血統]改修後に変化あり

2014年に新潟で開催された以降の直近3年において、好走馬の血統に変化が見られている。

馬券に絡んだ9頭中8頭が、父もしくは母父にサンデーサイレンス系の血を持つ馬だった。また、サンデーサイレンス系を持たなかった1頭に関しても、父がアドマイヤムーンで、父母父にサンデーサイレンスが入っている血統である。

血統 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
SS有2014年以降 10% 20% 28% 158% 108%
SS無2014年以降 0% 0% 4% 0% 14%
SS有2013年以前 0% 9% 9% 0% 43%
SS無2013年以前 10% 15% 24% 100% 97%

※スプリンターズステークス 2008年以降の集計結果

[まとめ]近年の傾向がはっきりと

ここまでのデータをまとめていこう。

人気:1~3人気が必ず1頭絡む 4番人気不振

年齢:4~6歳が中心

レース間隔:特に問わない 休み明け2戦目は良い

馬体集:460~520キロの範囲で

脚質:上がり3ハロンタイム上位が優勢 1位だけが不振

前走:基本的に1200m組を信頼 近年傾向に変化あり

血統:サンデーサイレンス系を持つ馬

これらのデータで絞り込むと大胆に対象馬が絞れそうである。人気薄まで含めて、的確にチョイスし、馬券を組み立てていこう。

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