レース回顧

関屋記念2018のレース回顧 

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

8月12日(日)に新潟競馬場では、第53回・関屋記念が行われた。1番人気に支持された3歳馬プリモシーンが直線で馬場の真ん中を抜け出すと、最後方から追い込んだワントゥワンをクビ差しのいで優勝。3着には逃げたエイシンティンクルが最後まで粘ってみせた。

3歳馬の関屋記念制覇は22年ぶりのことだが、なかなか3歳で人気になる馬の出走が無かったという背景もある。今後は出走の増えそうなローテーションになるだろう。プリモシーンに騎乗した北村宏司騎手は、この日通算1300勝を達成し、勢いよく重賞まで勝利。流れも味方につけての勝利だった。終わってみれば牝馬のワンツースリー決着。さらにディープインパクト産駒の独占と、目立つレース結果になった印象だ。1番人気→5番人気→3番人気で決着し、今年も8番人気以下が馬券に絡まなかった。

勝ちタイムは1分31秒6で、レコードにコンマ1秒差と好タイム。馬主であるシルクレーシングはアーモンドアイと2頭の牝馬で3歳路線を賑わせているが、使い分けるようであれば秋以降はマイル戦線に進むのだろう。これだけの古馬を相手に、この勝利なら通用していきそうであるものの、今回は51キロと斤量の恩恵も大きかったはず。このあたりを克服できるかどうか、今後も注目である。

関屋記念のレース分析

エイシンティンクルが好スタートを決め、チェッキーノが少し出遅れてスタート。ダッシュよくエイシンティンクルがそのまま先頭に立ち、内からフロンティアやスターオブペルシャ、ウインガニオンなどが先行争いへ。ショウナンアンセムもそのグループへ加わると、2番手争いは激化していく。

その後ろにはヤングマンパワーやロードクエストも続き、600mを過ぎるあたりでやっと隊列が落ち着いていく。それでも前半600mは34秒2と比較的速いペースで後半戦へ進む。

ペースが緩むことなく直線へ向くと、残り400mでウインガニオンの手ごたえがなくなり後退していく。ショウナンアンセムも伸びはいまひとつ。ヤングマンパワーがエイシンティンクルを捕えにかかるが差は詰まらない。すると外からプリモシーンが脚色良く先頭めがけて伸びてくる。さらに外からはワントゥワンも猛然と追い込んできた。

残り100m付近でプリモシーンが抜け出し、ワントゥワンがそれに迫るがなかなか差は詰まらないまま、プリモシーンが押し切って優勝。クビ差及ばず2着にワントゥワンが入り、3着にエイシンティンクルが粘りをみせた。4着には一昨年の勝ち馬ヤングマンパワーが力を示し、5着には新潟2歳ステークスの覇者でもあるロードクエストがコース適性をみせ力を示した。

ここからは上位着順馬や上位人気各馬の走りを振り返り、次走以降の狙いについて考察していきたい。

関屋記念2018の各馬の勝因・敗因・次走展望

1着:プリモシーン

前走のNHKマイルカップでは、スタートで出遅れ、道中で不利、直線で進路を失いながらも5着と好走していたプリモシーン。今回は北村宏司騎手へ乗り替わり、スタートは出遅れなし。道中の不利もなく、直線までスムーズな競馬で見事に巻き返した。

北村宏司騎手とのコンビでは未勝利戦を制しており、今回で2戦2勝。外目の枠からスムーズな競馬で、完勝と言える内容だった。レース当日の北村宏司騎手は通算1300勝の区切りも達成し、流れがあったのだろうか。前走まで騎乗した戸崎騎手はリライアブルエースに騎乗し着外に沈んでおり、乗り替わりまで、上手くはまった印象である。

「スムーズに運べば」という北村宏司騎手のコメントにもあったように、乗り手が上手くエスコートすれば能力を持っている馬。北村宏司騎手は今回の勝利で、関屋記念は通算4勝目。勢いだけでなく、鞍上の腕も光り、馬もそれに見事に応えてみせた。

22年ぶりの3歳馬の勝利になったが、ここ10年は人気馬の出走もなかった。新しいローテーションとして来年以降も注目である。また、今回はプラス10キロと大幅に馬体重を増やしており、鞍上も「成長を感じた」とコメントしていたように秋以降も期待が高まる。最後の直線ではヨレるシーンもあったように、まだ荒削りな部分は今後の伸びしろとして考えるといいだろう。

2着:ワントゥワン

中京記念5着からここへ挑んだワントゥワン。最後の直線では32秒8という強烈な末脚を繰り出したが、クビ差及ばず2着に敗れた。関屋記念にしては、道中のペースも流れたことで、展開がはまった感は否めない。デムーロ騎手は「もっとペースが上がれば」とコメントしていたように、勝ち切るためには展開の助けが更に必要となるだろう。

次走以降も、溜めれば最後はいい脚を使ってくるが、馬券に絡めるかどうかは、メンバーやペース次第。直近の勝利が1400m戦だったように、距離短縮が良さそうである。デムーロ騎手が騎乗すれば必ず人気になるだけに、過信禁物と言えそうだ。

3着:エイシンティンクル

今回がはじめての重賞挑戦となったエイシンティンクル。兄にエイシンヒカリを持つ良血馬が力を示した印象だ。これだけのペースを逃げたことで、先行馬のほとんどが馬群に沈む結果になったのにも関わらず、3着に粘る姿は兄を見ているかのようだった。

兄同様に1800m以上でも勝利経験があり、エイシンティンクルに関しては前走で1400mも克服済み。血統がなせるスピードと根性なのだろう。今回は和田騎手が、あまり実績のない新潟までわざわざ騎乗しに行ったが、この判断は正解だったのではないだろうか。和田騎手が騎乗したここ3戦はどれも高いパフォーマンスを発揮しており、手が合っている印象だ。

秋以降、和田騎手の得意な舞台に変わればさらに良い走りをしてきそうである。好調モードに入ると止まらなかった兄のような走りに、次走以降も期待していいだろう。

4着:ヤングマンパワー

一昨年の勝ち馬で、昨年も4着と好走していたヤングマンパワー。今年は11番人気という人気薄でも4着に好走してみせた。最後の直線での手ごたえは勝ち切ってしまうのか? と思わせる動きだったように、得意の新潟での相性を示した結果だ。

G2やG1では能力的に足りない印象も、G3やオープン特別であればまだまだ活躍できそうである。テン乗りだった大野騎手も見事なエスコート。前日に体調不良で乗り替わりになった状態ながらよく導いた。手が合うようであれば引き続きコンビの継続で見てみたい。

6着:リライアブルエース

道中は後方待機で展開に恵まれたはずのリライアブルエース。最後の直線では伸びてきていたものの、先行馬を交わすこともできず6着に敗れている。

今回のように33秒台前半の上がりを問われると厳しいのだろうか。レースにフィットしなかった印象だ。兄のアルバートドックは七夕賞や小倉大賞典を制しているように、距離延長や経験の少ない京都・阪神など、条件を変えてくるようであれば狙っていきたい。このままの条件では、オープン特別でも厳しそうである。

まとめ

今年の関屋記念は、近年結果の出ていなかった、上がり3ハロンタイム上位の馬がワンツーフィニッシュを決める結果となった。ただ、これはペースによる恩恵も否定できないため、来年以降も先行馬の前残りには警戒したい。

それでも、今年も上位人気で決着したように、やはり荒れないレースであることは継続している。来年も上位人気7頭を中心に馬券を組み立てるようにしよう。

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