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ゴドルフィンマイルの取扱説明書

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こんにちは。編集部のJです。

今回取り上げるレースは、ドバイワールドカップデーに行われるゴドルフィンマイル。メイダン競馬場のダート1600mで争われるG2戦です。

ゴドルフィンマイルは、UAE競馬の祭典ドバイワールドカップデーの中で、サラブレッドによる最初のレースとして行われるレースです。そのため、ナイター開催のイメージが強いドバイワールドカップデーではありますが、このレースはナイター照明が点灯する前のまだ日が残る時間に発走します。

G2ということもあって、ドバイワールドカップではやや力不足な馬たちが集まるレースという印象が強いと思います。

しかし、過去の優勝馬には、ドバイワールドカップに優勝したアフリカンストーリーや、アメリカのブリーダーズカップダートマイルを勝ったタマークズといった世界トップレベルのG1をのちに勝つ馬が出ています。

まだ国内では馬券発売がないレースですけれども、先のスターホースが生まれる可能性があるので、見逃せないレースです。

それでは、ゴドルフィンマイルの概要と、国内で馬券が発売されることを期待しつつ、その攻略のポイントを探っていきましょう。

ゴドルフィンマイルの基礎知識

まずは、ゴドルフィンマイルの概要からです。

ゴドルフィンマイルの歴史

ゴドルフィンマイルはドバイワールドカップが始まる2年前の94年に創設されたレースです。創設時はナドアルシバマイルというレース名で行われて、ロストソルジャーが優勝しました。

翌95年はジェベルアリ競馬場で行われて、レース名がキーンランドマイルとなりましたが、ここも前年の覇者ロストソルジャーが勝利して、連覇を飾りました。

96年からはドバイワールドカップ創設により、ドバイワールドカップと同日に開催日が移されて、99年までナドアルシバマイルの名前で行われました。

00年にレース名がゴドルフィンマイルに変更されて、01年にG3の重賞に昇格。02年からはG2として行われています。

10年にナドアルシバ競馬場からメイダン競馬場に舞台を移して、メイダン競馬場では10~14年までオールウェザー、15年からは再びダートに戻りました。

ゴドルフィンマイルの賞金

18年のゴドルフィンマイルの賞金総額は、100万ドル。およそ1憶1000万円です。優勝賞金は600万ドルで、およそ6600万円になります。

19年からは賞金がアップして、賞金総額は150万ドル、およそ1憶6500万円になり、優勝賞金は90万ドル、およそ9900万円になる予定です。

ゴドルフィンマイルの観客数

ゴドルフィンマイルを含むドバイシーワールドカップデーが開催された日のメイダン競馬場の観客数は、17年がおよそ6万人。11年にはおよそ8万1000人の観客数を記録しています。

ゴドルフィンマイルのレコード

ゴドルフィンマイルのレコードタイムは、16年にワンマンバンドが記録した1分35秒21です。これはメイダン競馬場のダート1600mのレコードタイムでもあります。

ちなみに、ナドアルシバ競馬場で行われていた時のベストタイムは、99年にレンドアハンドが記録した1分34秒91です。

ゴドルフィンマイルの一次登録について

ゴドルフィンマイルデーの一次登録の締め切りの時期は、毎年1月中旬。一次登録の登録料は無料です。

仮に一次登録が締め切られた後でも、3回に分けて追加登録を受け付けていて、2月中旬までは賞金総額の0.1%(2018年のゴドルフィンマイルの場合は、1000ドル=およそ11万円)、3月中旬までは賞金総額の1%(同1万ドル=およそ110万円)、直前のレース1週間前までが賞金総額の10%(同10万ドル=およそ1100万円)で追加登録が可能です。

ゴドルフィンマイルの出走条件とは!?

ゴドルフィンマイルの出走条件は北半球産が3歳以上、南半球産が4歳以上で、セン馬の出走も可能です。

ゴドルフィンマイルの遠征費用

ゴドルフィンマイルを含めたドバイワールドカップデーの諸競走では、出走馬の輸送費と関係者の渡航費をドバイレーシングクラブが負担をしてくれます。高額の賞金に加えて、遠征費も負担してくれるので、日本馬にとっては格好の海外遠征先と言えそうです。

ゴドルフィンマイルの日本馬の挑戦歴史

日本馬がゴドルフィンマイルに初めて出走したのは、まだ重賞に上がる前の00年です。タガノサイレンスが挑戦して、コンフリクトの6着という結果でした。

ゴドルフィンマイルがG3になった01年は、フェブラリーSに優勝したノボトゥルーが出走。しかし、この年もフェスティバルオブライトの9着に終わってしまいました。

その後しばらくは日本馬の出走がありませんでしたが、06年に日本馬として3頭目の出走になるユートピアが挑みました。レースは1番枠からスタートして先頭に出たユートピアが、馬群を引きつけるような逃げでレースを進め、直線を向くと後続との差を徐々に広げていき、2着ウィンリバーウィンに4馬身差をつけて逃げ切りました。

この勝利は、日本調教馬によるダートの海外重賞初制覇でした。そして、ユートピアはこの勝利をきっかけに、ゴドルフィンに400万ドルでトレードされます。その後は、アメリカでG3のウエストチェスターHに優勝しました。

07年のフサイチリシャールは6着に終わり、舞台がメイダン競馬場に移った08年以降は、オールウェザーで10年のグロリアスノアが4着、14年のブライトラインが5着。ダートに15年に戻ってからも、17年のカフジテイクが5着、18年はアディラートとアキトクレッセントが挑戦してそれぞれ3着と14着という結果でした。

ゴドルフィンマイルの攻略情報

次に、ゴドルフィンマイルの馬券攻略ポイントを探っていきましょう。

ただし、ドバイのあるUAEでは宗教上の理由から賭博が禁止されているため、馬券の発売は行われていません。したがって、人気などのデータは、イギリスのものを参考にしました。

もう一つ注意点として、JRAでは海外G2の馬券を発売した実績がないので、「どうしてもゴドルフィンマイルの馬券を買いたい!」という人は、イギリスのブックメーカーなど合法的に海外の馬券を発売している国で購入する必要があります。

ゴドルフィンマイルは荒れやすい!?ゴドルフィンマイルのレース波乱度

2018~2009年の過去10年における1~3着までの人気を見てみましょう。

1着 2着 3着
2018 1人気 7人気 12人気
2017 6人気 10人気 2人気
2016 2人気 6人気 5人気
2015 1人気 3人気 14人気
2014 3人気 1人気 4人気
2013 1人気 16人気 5人気
2012 1人気 5人気 3人気
2011 1人気 12人気 2人気
2010 6人気 9人気 2人気
2009 1人気 10人気 10人気

過去10年のデータを見ると、1番人気が6勝もしていて、2着が1回。連対率7割という非常に高い信頼度を誇っています。

その他の優勝馬の人気は、6番人気が2勝、2番人気と3番人気が1勝ずつで、勝ち馬に関しては、比較的人気上位で収まっている感じです。

2着と3着の人気はと言うと、表にもあるように、2番人気と二桁人気だったり、二桁人気の伏兵が2頭も入ってきたりと、とにかくバラバラです。

二桁人気の馬が過去10年で2、3着に7回も絡んでいるように、人気薄のがんばりが目立つレースでもあるので、その辺りを狙った馬券だと1番人気との組み合わせても高配当が見込めるかもしれません。

ゴドルフィンマイルの斤量の決め方・有利な斤量は!?

ゴドルフィンマイルの出走条件は北半球産が4歳以上、南半球産が3歳以上。セン馬の出走も可能です。斤量は4歳以上牡馬が59.5キロ、南半球産牡馬が57.5キロ。牝馬はそれぞれ2キロ減です。

南半球産3歳馬の出走がない場合は、4歳以上牡馬が57キロ、牝馬が2キロ減の55キロになります。

次に18~09年の過去10年における1~3着までの性齢を見てみましょう。

1着 2着 3着
2018 セ8 セ5 牡4
2017 セ5 牡5 牡4
2016 牡5 牡6 牡5
2015 牡5 牡4 セ6
2014 牡5 牡4 牝4
2013 牡3 牡6 セ5
2012 セ5 牡5 牡5
2011 牡5 セ4 牡4
2010 牡5 牡7 牡4
2009 牡4 牡4 牡5

過去10年のデータを見ると、5歳が7勝を挙げていて、他では3歳、4歳、8歳が1勝ずつ。5歳が他の年齢を圧倒しています。

4歳は2着が4回、3着が5回で、優勝こそ少ないものの、2着以下ではどちらもトップの数字を残しています。

牝馬は出走頭数が少ないこともありますが、過去10年で3着以内に入ったのは、14年3着のフロティラのみ。苦戦をしています。

注目しておきたいのは、13年に勝っている3歳です。もちろん出走条件から南半球産の3歳になります。

本来であれば、3歳馬は3歳限定で賞金も高いUAEダービー(ダート1900m)に出るのが普通です。13年に優勝しているソフトフォーリングレインは、距離に不安があったため、UAEダービーではなく、ゴドルフィンマイルに出走して見事勝利しました。

ちなみに、過去10年で3歳馬がゴドルフィンマイルに出走したのは、このソフトフォーリングレインだけ。今後もこのようなケースはあった場合は、馬券でも積極的に狙っていくべきでしょう。

ゴドルフィンマイルで有利な脚質は!?

18~09年におけるゴドルフィンマイル優勝馬のラスト400mでのポジションは、

・1~3番手…6勝

・4~6番手…3勝

・7~9番手…0勝

・10番手以下…0勝

11年は濃霧の中でのレースだったため、ラスト400mでの各馬のポジションがわからずにノーカウント。過去9回分のデータになります。

09年はナドアルシバ競馬場でしたが、メイダン競馬場のダートらしい先行馬に有利な傾向がここでも出ました。ラスト400mまでには、少なくとも5番手付近までポジションを上げておくとこが、メイダン競馬場のダートの鉄則ともいえます。

ゴドルフィンマイルで内枠・外枠のどちらが有利!?

こちらはゴドルフィンマイルがメイダン競馬場で行われるようになった10年からの枠ごとの成績です。

1着 2着 3着
1 2回 2回 0回
2 0回 0回 1回
3 1回 1回 0回
4 1回 1回 0回
5 1回 1回 1回
6 0回 0回 2回
7 0回 0回 0回
8 0回 0回 3回
9 1回 0回 0回
10 0回 1回 0回
11 0回 0回 0回
12 0回 1回 1回
13 2回 0回 0回
14 1回 1回 0回
15 0回 1回 1回
16 0回 0回 0回

データからは、優勝馬が内側と外側の枠にやや偏っている感じがします。だたし、メイダン競馬場に替わって9回しか行われていないので、明らかな偏重と言ってしまうにはもう少しデータの蓄積が必要でしょう。

メイダン競馬場のダート1600mは、2コーナーから斜めに延びるポケットからスタートして、向こう正面に入るところで緩やかなカーブがある、メイダン競馬場の中ではトリッキーなコースです。それが内枠有利というデータに出ている可能性があるかもしれません。

日本馬のゴドルフィンマイルでの相性は?

日本馬は2018年までに9頭が出走して、06年にユートピアが優勝しています。その他に18年にアディラートが3着に入っています。

メイダン競馬場になった10年以降は、10年に4着だったグロリアスノア、14年に5着

のブライトライン、17年に5着のカフジテイク、そして17年に3着のアディラートと、5頭中4頭が5着までに入るがんばりを見せていました。馬券圏内に入ったのはアディラートだけですが、まずまず健闘していると言えるでしょう。

ゴドルフィンマイルに強い国とは!?

ゴドルフィンマイルがスタートした94年から18年までの25回で、最も勝利を挙げているのは、UAEの16勝です。およそ3回に2回は勝っている計算になり、15~18年も4年連続優勝と近年の成績も良好です。以下はアメリカと南アフリカが3勝、フランスが2勝、日本が1勝になっています。

ただし、UAEは出走頭数も他国に比べて非常に多く、優勝数を出走頭数で割った勝率は10%程度。アメリカと南アフリカは勝率でUAEの上を行っているので、こちらを狙う手もありそうです。

不思議なのはヨーロッパ二ヶ国、イギリスとフランスの成績が対照的なことです。イギリスは18年までに20頭以上出走していますが、まだ勝利がなく、2着1回と3着が3回という成績です。これに対して、フランスは18年まで7頭の出走で、2勝、2着1回と3着2回の好成績を残しています。

まとめ 1番人気の信頼度が高い一方、2着と3着には伏兵台頭も

18年までの過去10年で1番人気は6勝を挙げていて、その信頼度は非常に高いものがあります。しかし、2着と3着には10番人気以下の人気薄がバンバン飛んできていて、難解なレースでもあります。

おすすめは、馬単と3連単です。1着に1番人気を固定して、2着以下には人気薄を絡めても、意外な高配当を手にできそうです。

脚質は先行馬が有利。これはメイダン競馬場のダートコースに共通する条件といってよいでしょう。枠は向こう正面に出るところで緩いカーブがあるコースですので、内枠がやや有利です。ただし、データにはまだ大きな偏りが出ていないので、内の馬と外の馬で迷ったときには、内を選ぶくらいの軽い気持ちの方がよさそうです。

調教国別では、UAEが圧倒的に勝っていますが、それに比例して出走頭数も多いのが難点です。勝率でUAEを上回るアメリカ、南アフリカを含めて、人気上位の馬に絞ることが求められるでしょう。

日本馬は過去に優勝したユートピアも含めて馬券圏内に入ったのが2回。馬券で狙うのは厳しそうです。ただし、まだ日本国内で発売のないレースだけに、海外で馬券を買う場合は日本馬が低い人気にとどまっている可能性が高いので、高配当を演出しれくれるかもしれません。

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