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中山芝1800mを徹底解剖

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競馬予想大学編集部
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こんにちは。編集部のUです。

今回は中山芝1800mの傾向を多角的に分析したいと思います。まずは、コースの特徴から整理していきましょう。データ集計期間は2010年1月1日~2018年12月17日としています。

中山芝1800mの特徴

コースの概要

ゲートが置かれるのは正面直線の半ば。スタート直後に急坂を迎え、1~2コーナーの中間までは上りの区間が続くため序盤のペースは上がりにくいのが特徴です。1コーナー以降は内回りコースを使用しており、3~4コーナーの下りを経て、直線で高低差2.4mの急坂を駆け上がってゴールを目指します。

[ミニ] レコード・平均タイム[/ミニ]

中山芝1800mのレコードは2004年中山記念でサクラプレジデントがマークした1分44秒9です。

なお、今回の集計期間中で最も速かったのが2016年中山記念でドゥラメンテが記録した1分45秒9でした。

ずいぶんと長いことレコードが更新されておらず、ドゥラメンテですらレコードより1秒5も遅いタイムだったと考えると、レコード更新の可能性は高くなさそうですね。

なお、集計期間中の平均タイムは1分50秒8、平均上がり3ハロンタイムは35秒8です。

[ミニ] クラス別タイム・平均ラップ[/ミニ]

(平均ラップの表)

2歳戦の平均勝ちタイムは1分51秒31。オープンクラスの番組はなく、新馬戦と未勝利戦の使用頻度が2:3程度の割合で大半を占めています。なお、新馬戦の平均勝ちタイムが1分52秒66。未勝利戦では1分50秒08です。

3歳戦の平均勝ちタイムは1分50秒41。全92戦のうち、未勝利戦が38戦で1分50秒80、500万下が34戦で1分50秒16と大きな差はありません。重賞を含むオープンクラスは17戦で1分49秒25でした。2歳戦と比べて差がないのは、高速馬場の4回中山(9月)に番組がないためです。

これに対して古馬戦は1分48秒58。全136戦のうち500万下は26戦で1分48秒39、重賞を含むオープンクラスでは1分48秒26でした。クラス間の平均1着タイムに大きな差が生じていないのは、このコースの特徴的な一面と言えるでしょう。

中山芝1800mの平均ラップは12.71-12.14-12.29-12.58-12.20-12.24-11.99-11.64-12.00となっています。スタート直後から上り坂が続くため、どのクラスでもペースが上がりにくく、ラップの起伏があまり発生しません。ただし、下級条件では後半の決め手比べになりやすくなっています。

古馬の1600万下・オープンクラスでは、後半から数えて5ハロン目から11秒台ラップになっています。上のクラスほどペースアップの地点が速いことが、前走距離別・前走コース別成績に影響しています。この点については後述します。

[ミニ] 上位人気の成績・馬券種別平均配当・三連複万馬券率[/ミニ]

1番人気は勝率32.7%、連対率49.8%、複勝率65.7%。概ね1番人気の平均値となっています。その他も上位人気に大きな偏りは見られず、概ね人気なりの信頼度と言えます。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 33% 50% 66% 77% 86%
2番人気 19% 34% 46% 83% 74%
3番人気 11% 29% 43% 66% 83%
4番人気 11% 25% 35% 82% 81%
5番人気 7% 15% 28% 86% 81%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

ただし、重賞に限れば1番人気の勝率は23.5%・連対率41.2%・複勝率55.9%と大幅に下落します。一方で、2番人気の勝率が20.6%・連対率35.3%・複勝率44.1%。3番人気の勝率が23.5%・連対率41.2%・複勝率47.1%となっています。重賞が荒れやすいというほどではありませんが、2~3番人気に支持される実力がある馬なら、1番人気を負かすことも難しくないコースであると考えて良いでしょう。

続いては馬券種別のデータです。

(券種別の表)

単勝の平均配当は901円。対象309レース中150レースが500円未満、88レースが1000円未満の配当であり、1000円から2000円が39レース、単勝万馬券は1回もなく、5000円以上も4レースだけでした。

馬連の平均配当は5296円で、1000円位以上2000円未満が87レース、2000円以上5000円未満が76レースとボリュームゾーンになっています。一方で万馬券も43レースありました。

平均配当が1万8986円である3連複では1000円以上5000円未満の配当が125レース、5000円以上1万円未満は52レース。対して万馬券配当は106レースでシェアにして34.1%、うち1万円以上5万円未満が72レースでシェア23.2%となっています。

3連単の平均配当は11万102円。1万円未満は76レースで全体の24.3%。つまり、全体の4分の1程度です。

最も多いのは1万円以上、5万円未満で122レース。シェアにして39.0%でした。ここがボリュームゾーンになっています。

10万円を超える払い戻しは合計69レースでシェアにして22.0%。50万円以上は5.1%で、100万馬券は4レースでした。

単勝配当が示すように1着は荒れにくいもののヒモ荒れによる連勝馬券の配当は大いに望めるようです。

中山芝1800mのデータ・傾向

枠別成績

[ミニ] 有利な枠、不利な枠[/ミニ]

続いては中山芝1800mの枠別成績を見ていきましょう。

枠番 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 8% 16% 24% 57% 80%
2枠 8% 18% 24% 90% 87%
3枠 10% 16% 23% 79% 68%
4枠 7% 13% 20% 51% 76%
5枠 7% 14% 23% 57% 68%
6枠 7% 14% 21% 72% 77%
7枠 7% 14% 21% 80% 85%
8枠 7% 16% 23% 42% 58%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

一見するとやや内枠有利にも見えますが、他のコースと同様に、2014年の5回中山以降では、中~外枠の成績がやや向上。現在では枠順の有利不利が僅かで概ねフラットなコースと見ていいでしょう。

ただし、14頭立て以上の多頭数レースになると、5枠から外の複勝率がやや下がり、1枠の勝率・複勝率が大幅に上昇します。これは集計期間中に1枠に人気馬が入ったケースが多かったことも影響していますが、2~3枠の複勝率も上昇していることからも、多頭数のレースでは内枠有利を意識した方が良いかもしれません。

脚質別成績

[ミニ] 有利な脚質・不利な脚質[/ミニ]

脚質別の有利、不利は見られるでしょうか。

脚質上り 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
平地・逃げ 14% 27% 39% 181% 167%
平地・先行 14% 27% 37% 112% 104%
平地・中団 6% 13% 21% 50% 75%
平地・後方 1% 3% 6% 11% 20%
平地・マクリ 12% 26% 35% 77% 108%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

逃げた馬は勝率14.3%、単勝回収率が181%。複勝率は39.3%で複勝回収率は167%。現在の中山芝コースでは、逃げ馬の好走率・回収率がともに高いコースと言えます。

単勝回収率112%、複勝回収率104%と堅調なのが「先行」です。全309レースのうち、235レースは1着馬が4角5番手以内で通過していたように、勝負所までにある程度の位置を確保するのが重要なコースと言えます。

いっぽう「中団」は勝率5.6%、複勝率20.5%。「先行」に比べると安定感では劣ります。重賞では勝率7.3%、複勝率は23.6%といくらか高くなりますが、やはり前に行ける馬を捕らえきれないケースも多いようです。

「後方」は勝率1.4%と苦戦傾向にあります。他の距離と比べても、後方一気が決まりにくいコースであることは意識すべきでしょう。配当の項目で述べたようにヒモ荒れが発生しやすいコースですが、人気薄に警戒すべきは前残りです。

前走距離別成績

前走距離別成績では、同距離が勝率9.0%、複勝率25.4%、距離延長が勝率4.7%、複勝率18.4%、距離短縮が勝率9.1%、複勝率23.9%となっています。

同距離と距離短縮には大きな差がありませんが、距離延長は不振傾向にあります。これは、中山芝1800mがコーナーを4つ回る小回りコースであることが影響していると考えられます。

ざっくりと、前走でコーナーが4つ(3つ以上)のコースを走っていた馬の方が成績は良いと覚えておくのがよさそうです。

もう一点は、ラップの項で前述したように、上のクラスほどスパート地点が手前になり、持続力を求められる点も関連しているでしょう。

前走上がり3F順位別成績

続いては前走上がり3F順位別の成績を見てみましょう。

前走脚質 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
3F1位 12% 23% 34% 59% 69%
3F2位 15% 25% 35% 78% 79%
3F3位 9% 20% 30% 47% 72%
3F~5位 9% 18% 26% 76% 67%
3F6位~ 5% 11% 17% 61% 77%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

前走上がり3F2位が回収率のみならず、勝率・連対率・複勝率すべてにおいてトップ。重賞に限れば、前走上がり2位は、勝率17.0%となっています。

もちろん1位も悪い水準ではありませんが、前走上がり2位に注目するのもアリでしょう。

ちなみに、前走で逃げていた馬の勝率は約10%、複勝率が約30%となっています。単複ともに回収率は80%台をキープ。前残りが発生しやすいコースらしく、ダッシュ力・先行力を見せていた馬には注意すべきでしょう。

重・不良馬場になった時の注意点

対象の309レース中、重馬場での施行は16レース、不良馬場は5レースでした。重・不良馬場時を合算して見ていくと、1番人気は[2・5・3・11]、複勝回収率が63%でした。他のコースと同様に道悪では信頼度が大幅に低下しています。また、2~4番人気が3・3・4勝ずつで計10勝。その結果、単勝平均配当が1305円まで上昇しています。

3連複配当も21レースのうち9レースが万馬券となっていますので、馬場悪化時には波乱を意識すべきでしょう。

脚質別では逃げた馬が9勝を挙げており、後方からは2着が4回のみ。中団以降から勝った馬は1頭だけでした。馬場悪化時にはより一層、前残りに注意すべきと言えます。

中山芝1800mの馬券に生かせる前走コース別データ

前走好走馬の前走コース別成績

まずは前走好走馬(1~3着)の前走コース別成績を見てみましょう。

前走コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
東京・芝1800 24% 39% 49% 89% 95%
中山・芝1800 12% 26% 37% 56% 66%
東京・芝1600 15% 28% 37% 73% 71%
中山・芝2000 16% 30% 42% 65% 79%
東京・芝2000 20% 33% 57% 93% 109%
京都・芝1800外 32% 50% 55% 167% 117%
中山・芝1600 9% 27% 41% 43% 75%
福島・芝1800 14% 29% 37% 41% 53%
新潟・芝1800外 16% 29% 42% 43% 56%
阪神・芝1800外 23% 32% 36% 73% 102%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

着度数の多いベスト10内でも、前走好走の価値は前走コースによって差が大きいことが明らかです。

注目に値するのは前走が京都芝1800mで好走していた馬。総数が22頭で連対率50%というのはかなり優秀と見て良いでしょう。

前走が中山芝での好走だった馬はもうひとつですが、東京で好走していた馬は好調。同距離の東京芝1800mも勝率24.0%・複勝率49.0%、単勝回収率89%・複勝回収率95%と優秀です。さらに東京芝2000mは勝率こそ19.6%ですが、複勝率56.9%はトップとなっており、複勝回収率も109%と高い数字をキープしています。

なお、前走が芝1400mで1~3着だった馬は勝率が僅か5.6%、複勝率も16.7%と苦戦傾向にあります。ここでの2ハロンの距離延長は慎重に扱うべきでしょう。

前走凡走馬の前走コース別成績

続いては前走凡走馬(6着以下)の前走コース別成績です。

前走コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
東京・芝1800 7% 11% 16% 95% 49%
中山・芝1800 6% 7% 19% 181% 129%
東京・芝1600 3% 11% 16% 42% 67%
中山・芝2000 5% 11% 15% 40% 70%
東京・芝2000 4% 10% 15% 111% 55%
福島・芝1800 11% 14% 17% 270% 118%
中山・芝1600 2% 6% 7% 26% 31%
新潟・芝1600外 3% 7% 15% 41% 41%
京都・芝2000 12% 19% 23% 209% 88%
阪神・芝2000 13% 17% 17% 351% 61%

※中山芝1800m2010年以降の集計結果

ベスト10のうち単勝回収率100%を超えたコースが5つもありました。

中でも注目は、前走好走馬が振るわない同コース(中山芝1800m)の好成績。単勝オッズ100倍以上の馬を除けば、単勝回収率は247%までに跳ね上がります。ただし、単勝オッズ100倍以上の馬も3着に好走した例が3回あり複勝回収率はプラス。前走の敗因次第では大幅な巻き返しがあり得るので注意しましょう。

京都芝2000m・阪神芝2000mの凡走馬もこのコース替りで一変が見られたケースが複数回あるので要注意のパターン。内訳を見ると、前走京都芝2000mの凡走馬が巻き返したケースは、いずれも1600万下・オープンでした。

また、ギリギリでランク外でしたが、前走が京都芝2200mで6着以下だった馬も3勝を挙げており、単勝回収率は300%を超えています。

前走好走では冴えなかった福島芝1800mがランクインしている点も興味深いポイントと言えます。こちらは未勝利・500万下といった下級条件のレースで穴馬が激走していました。4勝のうちの3勝は中9週以上と比較的レース間隔の長いところなので、休み明けで変わり身を見せるケースに要注意です。

まとめ

前残りが発生しやすいコース形態であることが大きな特徴。ある意味、古くから競馬を見ているファンにとっての中山らしさがあると言えます。

また、1番人気の好走率が平均並みであり、上位人気がそれなりに安定している割には連勝馬券の平均配当が高いので、穴党にも攻めようのある舞台。

そして、前走コース別成績や、道悪になった際の傾向にもメリハリがあります。

その他のポイントにも儲けのヒントがありますので、馬券戦略にお役立て下さい。

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