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重賞レースを100倍楽しむ【競馬入門】

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競馬予想大学編集部
競馬歴10年以上のスタッフが担当。データの取り扱いが得意で、馬券の収支に直結するデータを配信することを心掛けています。競馬予想大学を通して1人でも多くの方が競馬で勝つ楽しみを味わって頂けるよう全力を尽くします。

こんにちは。編集部のMです。

突然ですが、中央競馬の重賞はいくつあるかご存じですか?

2018年に開催される中央競馬の重賞の数は、なんと「138」。膨大な数です。

中央競馬は年間52週すべて開催されており、

毎週末、何らかの重賞レースが組まれています。中には土日で5つの重賞レースが行われる週まであります。

そう考えれば、「138」という数字も自然なものに思えてくるのですが、いかんせん数が多すぎます。普通ならば、とても覚え切れたものではありません。とくに、徳川15代将軍を全部覚えるだけでもいっぱいいっぱいだった私にとっては、138個ものレース名を覚えるなんて途方もない話のはずです。

しかし現実には、私は毎週末に行われる重賞レースの名前を、1月の第1週から12月の最終週まで、順を追って言うことができます。

各レースの「位置づけ」がわかるようになれば、138個もの重賞レースがすべて「つながり」として頭の中にインプットされるのです。

レースの「つながり」が見えると、競馬は100倍、面白くなります。

そこで今回は、「G1」とその「前哨戦」、そして「シリーズレース」について解説したいと思います。

G1レース

開催時期・開催競馬場とともに解説

それではさっそく、競走馬とそれに携わるすべての人たちにとって最高の栄誉である「G1」について、開催時期・開催競馬場とともに見ていきましょう。

2月

フェブラリーステークス

東京競馬場 ダート1600m

JRAのG1開幕戦。冬の府中でダートの最強馬を決めます。

3月

高松宮記念

中京競馬場 芝1200m

競馬界に春の訪れを告げる短距離G1です。スピードだけでなく、パワーも問われます。

4月

大阪杯

阪神競馬場 芝2000m

長らくG2として開催されていましたが、2017年、G1に昇格しました。4歳以上の一線級が一堂に会します。

桜花賞

阪神競馬場 芝1600m

3歳牝馬による可憐な戦いです。同世代のスピード自慢が集い、スタート直後からスリリングな展開が楽しめます。

中山グランドジャンプ

中山競馬場 障害4250m

春の障害王決定戦。暮れの「中山大障害」の王者がそのまま君臨するか、それともリベンジか。意地とプライドがぶつかり合います。

皐月賞

中山競馬場 芝2000m

同世代の中で「最も速い馬が勝つ」といわれるレース。3コーナーからの攻防が見物です。

天皇賞(春)

京都競馬場 芝3200m

平地のG1では最長距離を誇ります。日本を代表する最強長距離馬が春の京都で決まります。

5月

NHKマイルカップ

東京競馬場 芝1600m

3歳春の短距離王決定戦。オークスや日本ダービーに挑むには距離に不安があるスピード自慢が集います。

ヴィクトリアマイル

東京競馬場 芝1600m

4歳以上の牝馬にとっては、春の大目標となるレースです。波乱の多いG1としても有名です。

オークス

東京競馬場 芝2400m

3歳牝馬の頂点を決めるレースです。3歳牝馬にとっては過酷な距離だけに、勝ち馬の強さが際立ちます。

日本ダービー

東京競馬場 芝2400m

「最も運のいい馬が勝つ」といわれる、3歳馬ナンバーワン決定戦。実力だけでは勝ち切れません。日本ダービーの勝利はホースマンの誰もが夢見るものです。

6月

安田記念

東京競馬場 芝1600m

春の東京開催を締めくくるG1。春のマイル王者が決まります。

宝塚記念

阪神競馬場 芝2200m

春競馬の最後を飾るドリームレース。出走馬はファン投票で決まります。独特のファンファーレも見所です。

10月

スプリンターズステークス

中山競馬場 芝1200m

秋のG1シリーズの開幕を告げる一戦。瞬きするのももったいないくらいの激戦が繰り広げられます。

秋華賞

京都競馬場 芝2000m

桜花賞・オークスと繰り広げられてきた、3歳牝馬限定G1のラストを担う競走です。

菊花賞

京都競馬場 芝3000m

こちらは、皐月賞・日本ダービーと続いてきた3歳牡馬路線を締めくくる競走。「最も強い馬が勝つ」といわれます。

天皇賞(秋)

東京競馬場 芝2000m

マイラーと長距離馬が一堂に会す、秋の中距離王決定戦。勝ち馬は一気に秋の展望が開けます。

11月

エリザベス女王杯

京都競馬場 芝2200m

かつては3歳馬限定の競走でしたが、1996年から4歳以上の馬にも解放されました。秋の最強牝馬が決まります。

マイルチャンピオンシップ

京都競馬場 芝1600m

秋のマイル王決定戦。3歳馬と4歳以上の馬の世代対決も見物です。

ジャパンカップ

東京競馬場 芝2400m

世界の強豪たちが集うレースです。かつては外国馬に完膚なきまでにやられていましたが、近年では日本馬の上位独占も目立ちます。

12月

チャンピオンズカップ

中京競馬場 ダート1800m

暮れの尾張で、ダート中距離のナンバーワンを決めます。

阪神ジュベナイルフィリーズ

阪神競馬場 芝1600m

2歳牝馬のナンバーワン決定戦。翌年の桜花賞に向けての重要な戦いです。

朝日杯フューチュリティステークス

阪神競馬場 芝1600m

2歳G1。若駒たちがスピードと瞬発力を競い合います。

中山大障害

中山競馬場 障害4100m

歴史ある障害レース。暮れの中山でナンバーワン障害馬を決定します。

有馬記念

中山競馬場 芝2500m

1年の総決算。出走馬はファン投票で選ばれます。「競馬」の枠を超え、もはや国民的行事となっています。

ホープフルステークス

中山競馬場 芝2000m

2017年に新設された2歳G1です。翌年の皐月賞やダービーを見据え、中距離での完成度を競います。

八大競走・クラシック・三冠・トライアルレース

歴史と伝統がある「八大競走」

オープンレースにおける「格付け」という意味では、G1はみな一様に「日本競馬最高峰のレース」。賞金の高低はあれど、その価値に変わりはありません。

しかし競馬に携わるホースマン、すなわち生産者や馬主、調教師、騎手からすれば、昨日今日できたG1よりも、古くからの歴史と伝統があるG1を獲りたいと考えるのもまた事実です。

高校球児にとって、夏の甲子園で優勝するのも秋の国体で優勝するのも同じ「全国制覇」ですが、どちらかといえばやはり、夏の甲子園で優勝したいと思うでしょう。高校サッカーならば冬の国立競技場で、高校ラグビーなら花園で優勝旗を勝ち取りたいと考えるはずです。真摯に競技に取り組む人ほど、「伝統」に引きつけられます。

そのような「古くからの歴史と伝統があるG1」こそが、「八大競走」と呼ばれる次のレースです。

・桜花賞

・皐月賞

・オークス

・日本ダービー

・菊花賞

・天皇賞(春)

・天皇賞(秋)

・有馬記念

世代のトップクラスを張る馬たちは、これらのレースを勝とうと全力を尽くします。一流の競走馬がしのぎを削り合う、白熱したレースを見ることができます。

一生に一度しか挑戦できない「クラシック」

八大競走の中でも、3歳にしか出走資格のない次の競走は「クラシック」と呼ばれ、特別視されています。

・桜花賞

・皐月賞

・オークス

・日本ダービー

・菊花賞

クラシックは、一生に一度しか挑戦できない晴れ舞台。レース当日は朝から独特の雰囲気が漂います。

クラシック三冠

クラシックの中で、3歳牡馬・牝馬がともに出走可能な「皐月賞」「日本ダービー」「菊花賞」の3競走を「クラシック三冠」と呼び、3つの競走すべてに勝った馬を「三冠馬」と呼びます。

牝馬三冠

クラシックの中で、3歳牝馬限定の競走である「桜花賞」「オークス」と、クラシックではないものの3歳牝馬限定G1である「秋華賞」の3競走を「牝馬三冠」と呼び、3つの競走すべてに勝った馬は「牝馬三冠馬」として称えられます。

トライアルレース

クラシック三冠、牝馬三冠ともに、大変名誉のあるレースで、出走するだけでも狭き門です。

基本的には、出走登録のあった競走馬の中から収得賞金順で出走馬が決まります。しかし収得賞金は低いもののポテンシャルは高い「遅れてきた大物」のために、クラシックの「予選」的なレースが開催されています。

その「予選」。中央競馬では「トライアルレース」といいます。

トライアルレースでJRAが指定した着順以上に入着すると「優先出走権」が与えられ、収得賞金順は低くてもレースに出走することができます。

クラシック三冠、牝馬三冠のトライアルレースは次の通りです。

皐月賞トライアル

・弥生賞(G2) 2着以内に優先出走権

・若葉ステークス(オープン特別) 1着馬に優先出走権

・スプリングステークス(G2) 2着以内に優先出走権

ダービートライアル

・青葉賞(G2) 2着以内に優先出走権

・プリンシパルステークス(オープン特別) 1着馬に優先出走権

菊花賞トライアル

・セントライト記念(G2) 3着以内に優先出走権

・神戸新聞杯(G2) 3着以内に優先出走権

桜花賞トライアル

・チューリップ賞(G2) 3着以内に優先出走権

・アネモネステークス(オープン特別) 2着以内に優先出走権

・フィリーズレビュー(G2) 3着以内に優先出走権

オークストライアル

・フローラステークス(G2) 2着以内に優先出走権

・スイートピーステークス(オープン特別) 1着馬に優先出走権

秋華賞トライアル

・紫苑ステークス(G3) 3着以内に優先出走権

・ローズステークス(G2) 3着以内に優先出走権

皐月賞に間に合わなかった馬が、トライアルレースで滑り込みの優先出走権を得て、ダービーを勝つ。桜花賞に間に合わなかった馬が、トライアルレースで滑り込みの優先出走権を得て、ダービーを勝つ。こういった例は枚挙に暇がありません。格付けとして「G2」が多く与えられているように、トライアルレースは重賞の中でも、非常に重要な位置を占めています。

前哨戦とは?

本番前の「足慣らし」

何事においても「ぶっつけ本番」は怖いものです。どんなに学力に自信があろうと、一度も模試を受けずに入学試験に挑む人はいませんし、大事なプレゼンの前には、同僚に付き合ってもらって一度や二度、模擬プレゼンをしてみるものでしょう。

競走馬も同じです。

1シーズンにG1を何戦も戦うようなトップクラスの競走馬は、G1のない夏と冬を休養にあてます。休養することで英気を養うことはできるのですが、半面、レース勘は失われていきます。

その失われたレース勘を取り戻すための「足慣らし」的なレースが、G1の前には設けられています。

いわば、G1の「前哨戦」といったところでしょうか。

たとえ「現役最強」と謳われるようなトップクラスの競走馬でも、G1という大本番の前には、この前哨戦を経るのが一般的です。

たとえば、次のようなレースが前哨戦に当たります。

高松宮記念の前哨戦

・阪急杯(G3)

・オーシャンステークス(G3)

大阪杯の前哨戦

・中山記念(G2)

・金鯱賞(G2)

天皇賞(春)の前哨戦

・阪神大賞典(G2)

・日経賞(G2)

安田記念の前哨戦

・読売マイラーズカップ(G2)

・京王杯スプリングカップ(G2)

天皇賞(秋)の前哨戦

・オールカマー(G2)

・毎日王冠(G2)

・京都大賞典(G2)

前哨戦は「足慣らし」とはいえ、大本番を控えた有力馬がこぞって「足慣らし」をしてくるわけですから、出走メンバーはG1並に豪華となります。

G1に余力を残しながら戦う有力馬と、「G2勝利」と目標に目一杯に仕上げられてきた、G1ではやや力の足りない馬。どちらを上位に予想を組み立てるかを考えるのが、前哨戦の楽しみのひとつです。

サマーシリーズとは?

夏競馬を盛り上げる4つのシリーズ

宝塚記念が終わって夏競馬に入ると、G1はお休み。有力馬の大多数も、秋のG1シーズンに備えて夏休みに入ります。

その期間、競馬が盛り下がってしまうかといえば、決してそうではありません。

気温が上がれば上がるほど高いパフォーマンスを発揮する、タフな夏男・夏女たちが燃える「サマーシリーズ」が開催されるのです。

サマーシリーズとは、「2000m」「1600m」「1000~1200m」という3つの距離別に行われるシリーズの総称です。出走馬の成績をポイント化し、最もポイントを多く獲得した競走馬には報奨金が与えられます。

それぞれのシリーズを詳しく見ていきましょう。

サマー2000シリーズ

「サマー2000シリーズ」は、芝2000mで行われる夏競馬の重賞5つ(下記)に出走した競走馬の成績をポイント化し、ナンバーワンを決める戦いです。

・七夕賞(G3)

・函館記念(G3)

・小倉記念(G3)

・札幌記念(G3)

・新潟記念(G3)

サマースプリントシリーズ

「サマースプリントシリーズ」は、芝1000~1200mで行われる夏競馬の重賞6つ(下記)に出走した競走馬の成績をポイント化し、ナンバーワンを決める戦いです。

・函館スプリントステークス(G3)

・CBC賞(G3)

・アイビスサマーダッシュ(G3)

・北九州記念(G3)

・キーンランドカップ(G3)

・セントウルステークス(G2)

サマーマイルシリーズ

「サマーマイルシリーズ」は、芝1600mで行われる夏競馬の重賞3つ(下記)に出走した競走馬の成績をポイント化し、ナンバーワンを決める戦いです。

・中京記念(G3)

・関屋記念(G3)

・京成杯オータムハンデキャップ(G3)

サマージョッキーズシリーズ

「サマー2000シリーズ」「サマースプリントシリーズ」「サマーマイルシリーズ」対象の重賞14レースについて、騎乗する騎手の成績をポイント化。最終的なポイント数によってナンバーワンを決める戦いです。

【まとめ】

毎週毎週、何の脈絡もなく走っているように見える競走馬ですが、実は「クラシック三冠」「G1勝利」「サマーシリーズ制覇」など、さまざまな目的を持って出走しています。G1同士のつながりや、G1に挑むための「トライアルレース」「前哨戦」がわかれば、競馬は100倍楽しくなります。

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