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こんにちは。編集部のMです。
みなさん、「夏競馬は荒れる」という話を聞いたことはありませんか?
その通り。<強2>オープンクラスの有力馬が夏休みに入る夏競馬の出走馬は、能力が今一つ足りない馬たちの集まりとなります。強2>戦う舞台も、函館・札幌・福島・小倉という小回りの競馬場が多く、レース条件もハンデ戦がわんさかと組まれます。紛れの要素がこれでもかというほどが多くなるのです。<強1>必然的にレースは荒れ、夏競馬は、高配当の宝庫となるわけです。強1>
私自身、人生で初めて万馬券を獲ったのは夏競馬でした。忘れもしない2002年7月28日、小倉競馬場で行われた桜島特別。9番人気の連闘馬タイヨーキャプテンから勝負を懸け、3連複3万4210円をゲットしたのです! いやあ、菅谷正巳騎手の渾身の逃げにはしびれました。
……おっと。ついマニアックな思い出に浸ってしまいました。
とにかく、夏競馬を制する者は、競馬を制す。夏競馬の収支が年間収支に直結するといっても過言ではないのです。
そこで今回は、予想に入る前に知っておきたい<強1>「夏競馬の基礎知識」強1>を解説します。
目次
夏競馬とは?
宝塚記念が終われば夏競馬の始まり!
「夏競馬」の期間に正確な定義はありません。この記事では便宜上、9割方の競馬ファンの認識である<強2>「夏の福島・中京開催の始まりから、夏の新潟・小倉開催の終わりまで」強2>として考えます。
中には「新馬戦が始まる6月初めから夏競馬だ」とか、「北海道開催が始まる6月半ばから夏競馬だ」といった考えの方もいることでしょう。その考え方もごもっともですが、ここでは<強1>「宝塚記念が終わり、秋のG1へのステップレースが始まるまで」強1>を夏競馬として話を進めさせてください。
「小粒なメンバー」同士の戦いが多い
夏競馬は「春のG1シリーズ」と「秋のG1シリーズ」のはざまの時期。有力馬の多くは放牧に出され、春の激戦の疲れを癒し、秋に備えます。
夏競馬の番組には、G1はもちろんなく、G2も札幌記念の1レースだけです。
言ってしまえば、<強2>オープンでも「G3レベルの馬」までしか出走してこない強2>ということですね。
<強1>突出した実力の馬が出走せず、メンバーのレベルが団子状態のレースが多くなります。強1>だからこそ予想は難解になり、荒れるレースが増えるのです。
「アフター競馬」も夏競馬の魅力!
夏競馬は出走する馬だけでなく、馬券を買う側にも変化を起こします。
なんといっても、旅打ち勢が俄然色めき立つのが夏競馬。<強2>函館・札幌・福島・新潟・小倉と、夏競馬は海の幸・山の幸が豊富な場所で開催されます。強2>
16時30分。最終レースが終わってもまだ明るく、おいしいお店を探し歩くには十分な時間があります。
北海道ならば海鮮三昧もよし、ジンギスカンから始めて締めにみそラーメンもよし。新潟ならのどぐろ。小倉ならとらふぐや牡蠣……と、<強1>競馬で勝っても負けても一日を幸せな気分で終えられるのが夏競馬の魅力でもあります。強1>
夏競馬で意識したい4つのポイント
「勝っても負けても幸せな気分で終えられるのが夏競馬」とはいうものの、どうせならば勝って帰りたいのが人情です。
そこでここからは、難解な夏競馬を攻略するべく、夏競馬で意識したい5つのポイントを、データとともに見ていきましょう。
牝馬は強い?
「夏は牝馬」は本当だった!
「夏は牝馬」という格言があります。文字通り、「夏競馬では牝馬を狙え」という古くからの言い伝えです。
確かに、全9勝のうち8勝を5~9月に挙げたイクノディクタスをはじめ、古くから「夏女」の異名を持つ牝馬は多くいます。
「夏は牝馬」の格言が馬券にどれほど有効なのか、データで見てみましょう。
勝率(牡馬) | 単勝回収値(牡馬) | 勝率(セン馬) | 単勝回収値(セン馬) | 勝率(牝馬) | 単勝回収値(牝馬) |
---|---|---|---|---|---|
7.6% | 70 | 5.9% | 64 | 6.9% | 80 |
表1は、2013~2017年の5年間の夏競馬(6~8月の札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉開催)における性別の勝率と単勝回収値を算出したものです。
勝率を比べるだけでは、牡馬・セン馬に対して目立った数字を残せていない牝馬ですが、単勝回収値を比べるとその差は歴然。<強2>牡馬70、セン馬64に対し、牝馬は80という高い数字を叩き出しています。強2>
勝率では牡馬に劣る牝馬が、単勝回収値では牡馬を大きく上回る。これはつまり<強1>「馬券的妙味は牝馬のほうが断然上」強1>であるということです。
「夏は牝馬」という格言は、荒れる夏競馬で万馬券獲得を狙うための大きな指針となるはずです。
芦毛は強い?
「夏は芦毛」は迷信。黒鹿毛も青毛も走る
夏競馬には面白い格言が多く存在します。
先ほど有用性が証明された「夏は牝馬」とともに古くから知られている格言は、「夏は芦毛」。
<強2>馬は、夏の暑さにてきめんに弱い動物。強2>それならば、日光から熱を吸収しやすい「黒っぽい毛色」の馬より、熱を吸収しにくい「白っぽい毛色(=芦毛)」の馬のほうが涼しく走れ、構想も多くなる――そんな理屈から生まれたのが「夏は芦毛」という格言です。
人間でも、炎天下では黒い服を着ているときより白い服を着ているときのほうが涼しく感じます。果たして馬も同じなのでしょうか。データを見てみましょう。
勝率(芦毛) | 単勝回収値(芦毛) | 勝率(白毛) | 単勝回収値(白毛) | 勝率(芦毛・白毛以外) | 単勝回収値(芦毛・白毛以外) |
---|---|---|---|---|---|
7.4% | 63 | 23.1% | 71 | 7.2% | 75 |
表2は、2013~2017年の5年間の夏競馬(6~8月の札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉開催)における芦毛・白毛とそれ以外の毛色の勝率と単勝回収値を算出したものです。
一見、白毛馬の勝率が突出しているように見えますが、単勝回収値を見ると71。これは毛色うんぬんというより、人気馬が実力通りに勝ち切り、人気のない馬が実力通りに消し飛んだ結果に過ぎません。
芦毛と芦毛・白毛以外の結果を対比しても、勝率は均衡していて、単勝回収値は芦毛馬のほうがむしろ低いくらいです。
<強1>どうやら「夏は芦毛」という格言は、単なる迷信に過ぎない強1>のかもしれませんね。
馬体が大きい馬はマイナス?
馬体の大小で夏場の負担は変わるのか
私のようなデブにとって、夏はとてもつらいものです。自宅から最寄りのコンビニまで歩くだけで、滝のような汗が出てきます。
馬のほうはどうなのでしょうか。日本の夏は、馬体の大きな馬にとってマイナスになったりしないのでしょうか。
競馬は基本、大型馬が有利
まずは季節うんぬんの前に、そもそも馬体の大きな馬は競馬において有利なのか不利なのか、データを見てみましょう。
馬体重 | 勝率 | 単勝回収値 |
---|---|---|
~399㎏ | 1.5% | 35 |
400~419㎏ | 3.7% | 48 |
420~439㎏ | 4.8% | 63 |
440~459㎏ | 5.9% | 72 |
460~479㎏ | 7.1% | 76 |
480~499㎏ | 7.8% | 73 |
500~519㎏ | 8.7% | 81 |
520~539㎏ | 9.1% | 76 |
540㎏~ | 9.4% | 74 |
表3は、2013~2017年の5年間の全レースにおける馬体重別の勝率と単勝回収値です。
400~439㎏までは4%台で推移していた勝率が、440㎏を境に5%台後半にどんと上がり、460㎏を超えると7%台に、そして500㎏を超えると8%台後半~9%台を叩き出しています。
つまり傾向としては<強1>「馬体が大きければ大きいほど走る」強1>といえるわけですね。
単勝回収値を見ても、500~519㎏では80を超えるなど、総じて「馬体の大きな馬ほど期待値が高い」といえます。
セパレートコースではなく、スタート直後のポジション争いから直線でのスペースの突き合いまで、肉弾戦が繰り広げられるのが競馬。馬体の大きな馬はそれだけで有利になるわけです。
<強2>競馬は競争能力以前に。馬体重も大きな予想ファクターとなるのですね。強2>
夏競馬では大型馬が苦戦!
さて、このデータを「夏競馬」に絞ると、どうなるでしょうか。
馬体重 | 勝率(9~5月) | 単勝回収値(9~5月) | 勝率(6~8月) | 単勝回収値(6~8月) |
---|---|---|---|---|
~399㎏ | 0.9% | 14 | 2.8% | 83 |
400~419㎏ | 3.0% | 44 | 5.1% | 56 |
420~439㎏ | 4.4% | 55 | 5.7% | 81 |
440~459㎏ | 5.7% | 69 | 6.7% | 81 |
460~479㎏ | 7.0% | 76 | 7.5% | 76 |
480~499㎏ | 7.8% | 74 | 7.8% | 69 |
500~519㎏ | 8.9% | 85 | 8.0% | 68 |
520~539㎏ | 9.2% | 79 | 8.5% | 64 |
540㎏~ | 9.7% | 79 | 8.2% | 56 |
表4は、表3のデータを9~5月の「夏競馬以外」と、6~8月の「夏競馬」に分けたものです。
まず注目すべきは単勝回収値。
9~5月の「夏競馬以外」では460㎏を境に70を超え、500~519㎏では85という高い数値を叩き出しています。
一方、6~8月の「夏競馬」では、420~459㎏の81をピークに、<強2>馬体が大きくなればなるほど単勝回収値は下降しています。強2>
<強1>勝率を比べても、馬体の大きな馬は夏競馬でパフォーマンスを落とすことがおわかりいただけるでしょう。強1>
なぜ夏競馬で大型馬が苦戦するのか
なぜ馬体の大きな馬は、夏競馬でパフォーマンスを落とすのでしょうか。
これはあくまでも仮説に過ぎませんが、原因としては次の2点が考えられます。
<強2>・小回りコースが多いため、ギア比の大きな大型馬は加速する前にレースが終わってしまう。強2>
<強2>・日本の夏のようなジメジメとした暑さは、大型馬にとって負担が大きい。強2>
いずれにしても、<強1>大型馬が夏に弱いことは数字で証明されています。強1>馬体が大きな馬に人気が集中していたら、思い切って穴を狙ってみてもいいかもしれません。
前走中央開催が狙い目?
周りのメンバーが弱くなって激走
冒頭で述べたように、夏競馬では有力馬が休養に入るため、「小粒なメンバー」同士の争いとなります。
馬券で勝つには、その「小粒なメンバー」の中から「比較的上位の馬」を探す作業が必要になります。競走馬のレベルとして「中の下の上」あたりの馬を探すイメージです。
なんだか難しそうに感じますが、簡単に「中の下の上」の馬をあぶり出す方法がひとつあります。
<強1>「前走、中央開催(東京・中山・阪神・京都)で走っていた馬を探す」強1>という方法です。
夏競馬に入る前、春の東京・中山・阪神・京都開催が行われているうちからローカル開催に出走している馬は、いわば弱いメンバーを求めてわざわざ出張している「能力の劣る馬」。そのような馬より、中央開催で強いメンバーとガチンコ勝負をしてきた馬のほうが、「小粒なメンバー」の中でもレベルが上だと考えられるのです。
データを見てみましょう。
勝率(全体) | 単勝回収値(全体) | 勝率(前走中央開催) | 単勝回収値(前走中央開催) |
---|---|---|---|
7.2% | 74 | 7.4% | 77 |
表5は、2013~2017年の5年間の夏競馬(6~8月の札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉開催)における全出走馬の勝率・単勝回収値と、前走が中央開催だった馬の勝率・単勝回収値を比べたものです。
わずかな差ではありますが、勝率・単勝回収値ともに、前走が中央開催だった馬のほうが高いことがわかります。
<強2>いつも強敵にやられ続けていた馬が、「いつも戦っているメンバー」より格段にレベルが落ちる夏競馬で大いに飛躍するのです。強2>
夏競馬は、鬼のいぬ間に荒稼ぎする「前走が中央開催だった馬」に要注意です。
減量騎手の一発に注目!
周りのメンバーが弱くなって激走
番組として小回りの短距離戦が組まれることの多い夏競馬は、減量騎手が伸び伸びと飛躍する舞台でもあります。
勝率(9~5月) | 単勝回収値(9~5月) | 勝率(6~8月) | 単勝回収値(6~8月) |
---|---|---|---|
4.4% | 63 | 4.5% | 83 |
表6は、2013~2017年の5年間の減量騎手の勝率・単勝回収値を、9~5月と6~8月に分けたものです。
勝率に差はないものの、<強2>単勝回収値を見ればその違いは歴然。強2>9~5月が63にとどまっている単勝回収値が、6~8月は83にまで跳ねています。
この数字から、<強1>「減量騎手は夏競馬で穴を開ける」強1>という事実が見えてきます。
見習騎手に減量が適用されるのは、第1~8レースに行われる平場戦に限ります。夏競馬の期間中は、いつもより少し早起きして、競馬新聞の騎手欄の「▲」「△」「☆」の印に注目しましょう。
先ほどあげたように、期待値は十分。若手の一発に賭ける立派な馬券戦略です。
【まとめ】
「夏は芦毛」という格言こそ迷信に終わりましたが「牝馬を狙う」「馬体の大きな馬は狙いを下げる」「前走が中央開催だった馬を探す」「減量騎手の一発に期待する」という4つの視点は馬券的にも有効であることが見えました。
難解な夏競馬を紐解く切り口として活用していただけたら嬉しいです。