レース回顧

菊花賞2018のレース回顧 

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

10月21日(日)に京都競馬場では、第79回・菊花賞(G1)が行われた。

ルメール騎手騎乗の7番人気フィエールマンが、直線で少しだけ先に抜け出したエタリオウをハナ差競り落とし優勝。2週連続でのG1制覇となった。

3着には10番人気のユーキャンスマイルが入り、3連単は10万馬券に。ルメール騎手やデムーロ騎手が絡みながらも、波乱の決着となった。

ここからは上位入線馬を中心に、その走りを振り返りつつ、次走の狙いについても触れていこう。

菊花賞2018の各馬の勝因・敗因・次走展望

1着:フィエールマン

「またルメールだ」と口にしてしまったのは筆者だけではないだろう。今週も? 今回も、ルメール騎手の騎乗馬が重賞を勝利した。ほとんどの重賞を彼が勝っているような錯覚にすら陥りそうになる。

しかしながら、馬も、距離も、馬場も問わず、どんどんと勝たせていくあたりは、武豊騎手やデムーロ騎手でも止められない。圧倒的な上手さと言っていいだろう。大きなレースでルメール騎手を確保することが、勝利への最短距離と言っても過言ではなく、馬券を買う側としては、ルメール騎手から馬券を買うということが必須に近い。そのようなレベルの事態が起きている。ここは、これをチャンスととらえて、予想をしていこう。

話が逸れてしまったが、フィエールマンの走りについて振り返っていく。

年明けのデビューとなったが、新馬戦を勝利すると、続く山藤賞を快勝。ここで陣営はダービーを目指すことなく、馬本位での調整を続けた。続くラジオNIKKEI賞では1番人気の支持を集めながらメイショウテッコンを捕えきれず2着に敗れると、そのまま直行で菊花賞へ出走。

落馬で負傷した石橋騎手から乗り替わったルメール騎手によって、菊花賞馬へと駆け上がった。サンデーレーシングとしては、準主戦騎手から主戦騎手への乗り替わり。ルメール騎手とクラシック路線を歩んだステルヴィオは毎日王冠から中距離路線へ入ったことで、彼のような騎手が空いていたのである。

結果的には最高の形となったわけだが、このあたりのやりくりについてもサンデーレーシングならびにノーザンファームは完璧に近い運用が出来ていると感じさせる。

ディープインパクト産駒としては、2016年のサトノダイヤモンド以来の勝利となり、先々も楽しみな存在になったと言えるだろう。スローペースに落ちたことで、ディープインパクト産駒が台頭した点はサトノダイヤモンドの時と同じ。サトノダイヤモンドはそののちに有馬記念を制しているように、フィエールマンにもその可能性があると言っていいだろう。小回り右回りで結果を出している点も魅力的だ。

次走以降については、この馬のキャラクター的に、33秒台前半の末脚比べは厳しいタイプだろう。中山や阪神内回りなどで狙っていきたいタイプ。東京での末脚比べには向かないタイプであると予想されるため、ジャパンカップに出走するようなら軽視の方向でいいはずだ。

有馬記念→阪神大賞典→天皇賞(春)といった条件を進むようであれば狙っていきたい。ルメール騎手によって大きくパフォーマンスを上げた印象も、石橋騎手へ手が戻っても狙っていい馬だろう。

2着:エタリオウ

またしてもシルバーメダルを集めてしまったエタリオウ。これで6度目の2着となってしまった。主な勝ち鞍は未勝利戦という経歴を持ちながら、これだけの走りが出来たのは立派と言っていい。距離延長も難なくこなし、レース選択の幅が広がったはずだ。

東京、京都、阪神と異なる舞台でもこれだけのパフォーマンス見せており、ステイゴールド産駒ということならば、中山も走れていいのではと考えてしまう。2着ばかり集める結果になっているものの、必ずどこかで負けた馬たちを逆転する時がくるはず。これからの成長力にも注目しよう。

次走以降については、注意したい点がある。それはスローペース以外のレースへの対応だ。4着に敗れたダービーはミドルペース。好走しているレースは全てスローペースだった。中山や、小回りの競馬ではミドルからハイペースになることも多々ある。条件問わずに好走しているように見えても、まだ脆い部分を秘めていることは覚えておきたい。

引き続きスローペースの期待できるレースでは、相手問わず中心に考えていい馬だろう。

3着:ユーキャンスマイル

この馬も年明けの勝ち上がりながら、菊花賞で3着まで上り詰めた。武豊騎手の馬さも光ったが、この馬に関しては血統面での適性があったのではないだろうか。

ユーキャンスマイルの母父はダンスインザダーク。過去にはスリーロールスやフォゲッタブルなど好走馬を多く輩出した種牡馬だ。今は父としてではなく、母父としての活躍馬が増えており、その中の一頭がユーキャンスマイルと言える。

毎日杯や京都新聞杯では足りなかったように、長い距離に適性があったのだろう。1800mや2200mで勝利しているように、非根幹距離が良いタイプかもしれない。年明けは日経新春杯ではなく、AJCCに挑むようであれば狙っていきたい。

とはいっても収得賞金は1500万。次走は自己条件からのリスタートとなる。昨年のポポカテペトルやダンビュライトのようなローテーションを辿るようであれば、今後も狙っていける馬になるはずだ。

4着:ブラストワンピース

今年の毎日杯勝ち馬で、ダービーでは2番人気に支持されていたブラストワンピース。異例のローテーションともいえる、前走の新潟記念を勝利し、菊花賞へ挑んだが、1番人気ながら4着に敗れてしまった。

この馬に関しては、3000mという距離は長かったかもしれない。33秒台前半の末脚を繰り出すことも可能であり、2000mあたりが今後の主戦場となっていくだろう。池添騎手は秋華賞でのサラキア4着に続き、2週連続で4着という結果。ただ、これは適性面を考えると好走に属するはず。力負けではないことを覚えておきたい。将来的にはマイル路線まで距離を縮めても面白そうである。

8着:エポカドーロ

今年の皐月賞馬で、ダービー2着の実績を持つエポカドーロ。今回は3番人気の支持を集めたが、8着に敗れてしまった。

この馬に関しては、基本的にスピード型の馬だと考える。1800mでも好走しているように、アルアインのイメージと重ねるといいだろう。2000m前後のタフな展開が合う。中山記念から大阪杯へ挑むローテーションなら中心に考えていいだろう。

鞍上の戸崎騎手にとっても、西の開催は難しいはず。東京や中山の中距離で改めて狙いたい。

まとめ

今年の菊花賞は、とにかく騎手の上手さが目立つレースだった。ルメール、デムーロ、武、

池添、福永。リーディング上位騎手ばかりである。つまりは、騎手によって差が出た部分も少なからずあって、力を出し切っていない馬がいることも事実。

次走以降条件が変えて出走してくる馬には注目するといいだろう。多くの馬が、ここで休養を挟むはず。年末から年明けに、またこの記事を読んで馬券検討に挑みたい。

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