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11月4日(日)に東京競馬場ではアルゼンチン共和国杯(東京芝2500m・G2)が行われる。
スワーヴリチャード(2017年)、シュヴァルグラン(2016年)、ゴールドアクター(2016年)、近3年の勝ち馬は後にG1制覇を成し遂げているように、中距離路線のトップホースになるための登竜門と言っても過言ではないのがアルゼンチン共和国杯だ。
ジャパンカップ(東京芝2400m・G1)や有馬記念(中山芝2500m内・G1)の前哨戦という位置づけに留まらず、将来的なスターを探すという意味でも大注目となる一戦だが、今年はどんな結果になるのだろうか?
ここからは過去10年のデータを参考にアルゼンチン共和国杯を紐解いていこう。
目次
[人気]1~3番人気の扱い方
過去10年のアルゼンチン共和国杯において、勝ち馬10頭のうち8頭が3番人気以内の支持を集めている馬だった。さらに、1~3番人気は勝率27%、連対率40%、複勝率60%という安定感のある成績で、単複ともに回収率は100%を超えており、上位人気に支持されていても配当的な妙味がある。
一方で、アスカクリチャン(2013年 7番人気)やミヤビランベリ(2009年 11番人気)といった人気薄での優勝例もあるように、ハンデ戦らしい伏兵たちの一発にも警戒しなければならない。
しかし、そのミヤビランベリが優勝した2009年こそ、11番人気→4番人気→10番人気という大波乱の決着となったが、基本的には1~3番人気の馬の中から2頭以上が毎年馬券に絡んでいる。上位人気馬を意識しつつ、フォーメーションなどを駆使して馬券を組むのがいいだろう。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 30% | 40% | 50% | 72% | 73% |
2番人気 | 30% | 50% | 50% | 126% | 85% |
3番人気 | 20% | 30% | 80% | 152% | 170% |
4番人気 | 0% | 50% | 50% | 0% | 135% |
5番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
6番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 37% |
7番人気 | 10% | 20% | 20% | 127% | 68% |
8番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 43% |
9番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 66% |
10番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 80% |
11番人気 | 10% | 10% | 10% | 251% | 92% |
12番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
13番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
14番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
15番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
16番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
17番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
18番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
1~3人気 | 27% | 40% | 60% | 116% | 109% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[年齢]将来性のある3~4歳馬
過去10年のアルゼンチン共和国杯において、3着以内に好走した30頭中19頭が3~4歳馬だった。また、7歳以上は【0-0-0-44】と好走例がないため軽視が妥当だろう。
3歳馬が1勝、4歳馬が7勝を挙げており、アルゼンチン共和国杯が出世レースであることを考えても、これからの中距離戦線を賑わせていくような、伸びしろのある馬が狙い目となる。
ちなみに、5歳以上で優勝したのは2013年アスカクリチャンと2009年ミヤビランベリ。人気の項でも、人気薄ながら優勝した馬として紹介した2頭だが、実績面からの共通点を挙げるならば、どちらも七夕賞(福島芝2000m・G3)の勝ち馬ということだろうか。また、後々、血統の項でも触れるが、2頭とも非サンデーサイレンス系だったということは覚えておこう。
年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
3歳 | 20% | 20% | 80% | 40% | 260% |
4歳 | 18% | 29% | 40% | 86% | 101% |
5歳 | 0% | 8% | 14% | 0% | 32% |
6歳 | 6% | 12% | 12% | 111% | 51% |
7歳以上 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[間隔]中4週以上は前走クラスで場合分け
過去10年のアルゼンチン共和国杯では、レース間隔による成績の差異は見受けられない。
ただし、東京芝2500mというコースはスタミナも問われる舞台なので、息遣いのできていない休み明けでは、余程の実力がある馬でない限りタフな展開に苦しむことになる。
それはデータにも如実に表れており、中4週以上で連対した馬は、いずれも前走G2以上のレースに出走していた。一方、中4週以上かつ前走G3以下のレースだった馬は【0-0-2-40】という成績なので、レース間隔で評価する際は前走クラスにも注意しよう。
レース間隔 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
中1週 | 17% | 17% | 17% | 105% | 33% |
中2週 | 9% | 9% | 18% | 71% | 53% |
中3週 | 4% | 15% | 20% | 20% | 54% |
中4~8週 | 4% | 10% | 10% | 17% | 20% |
中9~24週 | 11% | 11% | 26% | 114% | 76% |
中25週以上 | 0% | 11% | 22% | 0% | 108% |
中4週以上かつG3以下 | 0% | 0% | 5% | 0% | 10% |
中4週以上かつG2以上 | 11% | 20% | 27% | 88% | 81% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[斤量]56キロ以上を中心視
過去10年のアルゼンチン共和国杯では、勝ち馬10頭中8頭がハンデ56キロ以上の斤量を背負っていた。さらに、負担重量は重ければ重いほど複勝率が上がるという傾向も見て取れるので、他馬と比較してハンデを見込まれる馬の方が期待できる。
対照的に、ハンデ55キロ以下ながら優勝している2011年トレイルブレイザーと2008年スクリーンヒーローの2頭には、前走1600万下を使っていた4歳馬という共通点があった。もともと若い馬が優勢のレース傾向とも相俟って、5歳以上の馬を評価するならば、それなりの実績がないと厳しいだろう。
斤量 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
~49kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
49.5~51kg | 0% | 0% | 8% | 0% | 50% |
51.5~53kg | 4% | 8% | 12% | 34% | 35% |
53.5~55kg | 2% | 7% | 17% | 11% | 45% |
55.5~57kg | 12% | 19% | 21% | 55% | 51% |
57.5~59kg | 9% | 18% | 27% | 131% | 82% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[馬体重]勝ち馬の大半が480~499キロ
過去10年のアルゼンチン共和国杯において、連対した20頭中11頭が480~499キロの範囲に収まる馬体重だった。
また、480~499キロ以外の範囲から優勝した馬は4頭いるが、そのうちの3頭(2017年スワーヴリチャード、2016年シュヴァルグラン、2014年フェイムゲーム)はハーツクライ産駒という興味深い傾向がある。
勝ち馬を探す際には480~499キロの馬を意識しつつ、ハーツクライ産駒だけは無条件で例外的に評価するのがいいだろう。
馬体重 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
420~439kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
440~459kg | 3% | 6% | 9% | 14% | 21% |
460~479kg | 3% | 9% | 13% | 12% | 40% |
480~499kg | 12% | 21% | 27% | 111% | 77% |
500~519kg | 6% | 6% | 18% | 17% | 49% |
520~539kg | 0% | 17% | 17% | 0% | 57% |
540~ | 0% | 0% | 20% | 0% | 26% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[脚質]長くいい脚を使える馬
過去10年のアルゼンチン共和国杯において、上がり3ハロンタイム1位の末脚を使えていた馬は、勝率36%、連対率55%、複勝率82%という安定した成績を残している。また、回収率面でも単勝回収率206%、複勝回収率220%と非常に優秀だ。
ただし、あまりにも位置取りが悪い馬では、仮に上位の末脚が使えたとしても勝ちあぐねる傾向にある。これはレースでの4コーナー通過順が10番手以下だと【0-2-3-66】というデータからも証明できるだろう。あくまでもラスト4~5ハロンあたりから勝負に出られる馬でないと厳しい。
つまり、直線が長い東京コースで末脚勝負になるのは定説だが、芝2500mという距離を考えた場合、求められる上がりの速さというのは瞬発力と持続力を兼ね揃えたものになるということだ。
上がり3ハロン | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 36% | 55% | 82% | 206% | 220% |
2位 | 18% | 55% | 55% | 76% | 100% |
3位 | 8% | 23% | 54% | 30% | 166% |
4~5位 | 13% | 19% | 19% | 79% | 38% |
6位~ | 1% | 2% | 4% | 21% | 18% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[前走距離]距離短縮組は不振
過去10年のアルゼンチン共和国杯において、3着以内に好走した30頭中28頭が前走より距離延長で臨んでいた馬だった。
スタミナを問われるレースになるので、長距離を主戦としている馬が多く集まるものの、主に瞬発力の部分で東京コースでは割引になる馬が距離短縮組には多い印象だ。
例外的に前走天皇賞(春)(京都芝3200m外・G1)に出走していた馬からは、アルバート(2016年 2着)、ヒカルカザブエ(2009年 3着)と2頭の好走例がある。しかし、格上のレースを使っていた馬でも勝ち切れていないということは、頭の片隅に入れておくべきだろう。
前走距離 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1600m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
1800m | 0% | 0% | 11% | 0% | 27% |
2000m | 8% | 10% | 21% | 104% | 85% |
2100m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
2200m | 13% | 23% | 26% | 60% | 50% |
2400m | 6% | 16% | 22% | 26% | 46% |
2500m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
2600m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
3200m | 0% | 17% | 33% | 0% | 163% |
3400m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
3600m | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[血統]非主流血統が活躍しやすい
過去10年のアルゼンチン共和国杯では、非サンデーサイレンス系種牡馬の成績が好走率と回収率のすべてにおいて、サンデーサイレンス系種牡馬を上回っている。(※ここで言うサンデーサイレンス系にはサンデーサイレンス産駒も含む。)
昨今、日本競馬界の牙城がサンデーサイレンス系であることを考えると、アルゼンチン共和国杯は主流から少し外れた適性を求められることがわかるはずだ。
また、父がサンデーサイレンス系ながら優勝した5頭は、いずれも3~4歳馬で、5歳以上となると【0-3-2-61】。勝ち馬が出ていないだけでなく、連対率5%、複勝率8%と低調な成績になるので、5歳以上のサンデーサイレンス系は軽視する形がいいだろう。
血統 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
父サンデーサイレンス系 | 6% | 10% | 15% | 22% | 33% |
父が非サンデーサイレンス系 | 6% | 14% | 20% | 65% | 68% |
※アルゼンチン共和国杯 2008年以降の集計結果
[まとめ]将来的にG1で活躍する馬を探す
ここまでのデータを振り返ってみよう。
人気:1~3番人気を絡める
年齢:伸びしろのある若い馬
間隔:中4週以上はG2以上のレース
斤量:56キロ以上
馬体重:480~499キロ、ハーツクライ産駒は例外
脚質:ロングスパート勝負ができる馬
前走距離:2400m以下
血統:非サンデーサイレンス系が健闘
これらのデータを活用すれば、アルゼンチン共和国杯で評価するべき馬が見えてくるだろう。
瞬発力と持久力の両方を兼ね揃えている馬でないと優勝できないので、総合的なポテンシャルの高さを問われているレースといっても過言ではない。それは歴代の優勝馬が、後に数々のG1タイトルを獲得していることからも想像に難くないはずだ。
馬券的には比較的堅い決着になりがちなので、将来のスターホースを探してみるというのも予想をする上での一興ではないだろうか。