レース見解

JBCレディスクラシック2018の最新見解・データ

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

2001年に創設されて以来、地方競馬場の持ち回りで開催されてきたJBC競争だが、その魅力を幅広く伝えるという宿願を果たすため、今回に限りJRA主催(京都競馬場)で執り行われることとなった。そして、今年のJBC競争のトリを務めるのが第8回JBCレディスクラシック(京都ダート1800m・Jpn1)だ。

昨年は大井競馬所属のララベルが地方馬としての初優勝を飾り、同じく大井競馬所属のラインハートが3着に好走するなど、JRA所属馬を相手に地方所属馬が健闘してみせた。配当的にも3連単134万540円という波乱の結果となったが、実はJRA所属馬が掲示板を独占したことは過去に2度しかない。

今年は舞台を京都競馬場に移すが、JRA開催となることで傾向に変化はあるのだろうか?ダート界の女王が決まる大一番のレースを、京都ダート1800mというコース形態に着目してデータ検証してみよう。

※JBCレディスクラシックにおけるデータ分析は、2008年以降に京都ダート1800mで行われた「すべての牝馬限定かつ古馬混合(=3・4歳以上)戦」を参考にしている。予めご了承いただきたい。

[人気]上位人気馬に安定感あり

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦は、1~3番人気の複勝率が各々50%以上あるので、揃って凡走する確率は低い

また、1番人気は勝率34%、連対率50%、複勝率62%と、単純計算でも2回に1回は連に絡むような成績なので、上位人気として支持される実績馬が素直に能力を発揮しやすいコースと言えるだろう。

もう少し補足をするならば、地方交流重賞は基本的に堅く収まることが定番だ。そういった事情を覆して、昨年のJBCレディスクラシックが5番人気→4番人気→8番人気で決まっていたことを考慮すると、確率的にも1~3番人気が2年連続で全頭馬券外に敗れることは少々考えづらい。

ただし、今年は地方所属馬の登録が4頭しかなく、地方枠7頭に満たない場合はJRA所属馬が追加で出走できるので、人気の偏り方が例年とは違った様相を呈する可能性はあるだろう。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 34% 50% 62% 81% 80%
2番人気 23% 43% 51% 89% 85%
3番人気 13% 31% 52% 77% 106%
4番人気 7% 21% 32% 58% 66%
5番人気 4% 10% 20% 43% 49%
6番人気 2% 12% 18% 27% 63%
7番人気 4% 11% 17% 77% 103%
8番人気 3% 3% 11% 64% 67%
9番人気 3% 6% 10% 91% 79%
10番人気 6% 11% 15% 271% 176%
11番人気 2% 2% 7% 210% 106%
12番人気 2% 2% 4% 82% 34%
13番人気 0% 3% 11% 0% 151%
14番人気 0% 4% 4% 0% 124%
15番人気 0% 0% 0% 0% 0%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[年齢]配当妙味は5歳以上

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦において、年齢による成績の偏りは見受けられなかった。また、どの世代においても好走率に差がない分、比較的キャリアの多い馬が人気の盲点になりやすく、5・6歳馬は単勝回収率が100%を上回っている。

牝馬は繁殖という生産牧場の行く末を占う第2の馬生があるため、古馬になってからも現役を続ける馬は、そう多くない。そういった状況の中でも、5歳、6歳、あるいは7歳以上になっても走り続けている牝馬は、競走馬としてまだまだ充分に戦えると期待されている証拠だろう。つまり、年齢を口実に割り引いた予想をされることには一種の矛盾が生まれており、ここに回収率が高くなる秘密のうちの一つが隠されている。

JBCレディスクラシックも出走メンバーの大半を4歳馬が占めるが、実績があるにもかかわらず人気を落としているような5歳以上の馬がいれば単穴として狙ってみても面白いかもしれない。

年齢 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
3歳 9% 16% 25% 87% 77%
4歳 8% 16% 25% 63% 88%
5歳 7% 16% 24% 119% 83%
6歳 7% 14% 29% 152% 150%
7歳以上 6% 13% 13% 75% 51%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[間隔]今年もレディスプレリュード組を中心視

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦は、中2週以内のローテーションで臨んだ馬の勝率が高い傾向にある。

連闘という極端な使われ方をされた馬でも成績が良いのは、しっかりと状態面を考慮されているからだろう。ただし、さすがにJBCレディスクラシックともなると連闘で出走してくるような馬はいない。

ちなみに、過去7回のJBCレディスクラシックにおいて、3着以内に好走した21頭中15頭が、前走レディスプレリュード(大井ダート1800m・Jpn2 ※2011~2012年はグレード格付けなし)に出走しており、勝ち馬に至っては7頭中7頭が当レースから臨んでいた馬だった。

今年もレディスプレリュードから臨む馬は中2週での出走となるため、京都ダート1800mのコース傾向とも合致しており、信頼するべき存在だろう。

間隔 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
連闘 14% 16% 22% 179% 56%
中1週 9% 18% 27% 44% 81%
中2週 11% 19% 25% 150% 91%
中3週 5% 18% 29% 60% 83%
中4~8週 7% 14% 20% 86% 92%
中9~24週 6% 12% 20% 54% 70%
中25週以上 3% 16% 30% 7% 152%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[馬体重]480キロ以上が理想的

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦において、馬体重による成績の傾向を探ると、牝馬のなかでも480キロを超えるような大柄なタイプが好ましく、馬格が大きければ大きいほど勝率や連対率が高まっている

歴代のJBCレディスクラシック優勝馬を見ても500キロ近い馬体重の馬が多く、昨年優勝したララベルは554キロという牡馬も顔負けの雄大な馬格の持ち主だった。

ダート戦は芝戦と違って、スピードや切れ味よりもパワーの有無が最重要になってくるため、馬格の大きい馬が優位となるのは必然。ましてや、それが牝馬限定ダート戦の最高峰ともなるJBCレディスクラシックならば尚更のことだろう。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
~399kg 0% 0% 33% 0% 50%
400~419kg 8% 12% 12% 174% 60%
420~439kg 8% 10% 16% 211% 83%
440~459kg 7% 17% 22% 48% 89%
460~479kg 7% 16% 25% 91% 68%
480~499kg 10% 19% 28% 53% 94%
500~519kg 10% 15% 29% 44% 78%
520~539kg 13% 29% 36% 218% 226%
540~ 0% 0% 25% 0% 37%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[脚質]速い上がりを求められるが…

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦において、上がり3ハロン1~3位の脚を使えていた馬の成績は、勝率25%、連対率46%、複勝率67%、単勝回収率256%、複勝率回収率230%と、好走率もさることながら回収率面でも非常に優秀な成績を収めている。

ただし、速い上がりと言われると追い込み脚質を想像しがちになるが、好走馬のほとんどが4コーナー通過5番手以内というレース運びをしていた。このことから京都ダート1800mでは、ある程度の位置でレースの流れに乗れないと、そもそも速い上がりを使うことすらできないということがわかる。

前々で競馬をして押しきれるような、実にダート戦らしい正攻法な戦い方ができる馬を評価するべきなので、極端な追い込み戦法を得意としているタイプは過信禁物だろう。

上がり3ハロン 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1位 38% 57% 77% 394% 274%
2位 24% 46% 69% 244% 201%
3位 11% 33% 54% 113% 211%
4~5位 6% 15% 24% 64% 85%
6位~ 1% 3% 5% 13% 20%
1~3位 25% 46% 67% 256% 230%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[前走距離]今回と同じ1800mのレースを評価

2008年以降に京都ダート1800mで行われた牝馬限定かつ古馬混合戦では、前走でも今回と同じ1800mのレースに出走していた馬の成績が勝率10%、連対率20%、複勝率29%と安定している。これは距離延長または距離短縮で臨む馬の好走率と比較しても約2倍の数値だ。

つまり、ここでも大井ダート1800mで開催されるレディスプレリュードは好評価の対象となるようだ。今年はプリンシアコメータ、ブランシェクール、アンジュデジール、ジュエルクイーン、クイーンマンボ、ディアマルコ、リエノテソーロ、ラインハートと、8頭の馬が出走を予定しているが、今年もこの中からJBCレディスクラシックの優勝馬が誕生するのだろうか。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
今回延長 6% 11% 18% 6500% 7700%
同距離 10% 20% 29% 10600% 9500%
今回短縮 5% 8% 15% 2300% 5700%

※京都ダート1800m(牝馬限定かつ古馬混合) 2008年以降の集計結果

[まとめ]例年通りレディスプレリュード組が優勢か

ここまでのデータを整理してみよう。

人気:上位人気を中心視

年齢:5歳以上馬に配当妙味

レース間隔:中2週以内

馬体重:480キロ以上、大きければ大きいほど良い

脚質:正攻法の競馬で速い上がりを求められる

前走距離:今回と同じ1800m

やはり今年もレディスプレリュード組の取捨がポイントとなりそうだ。プリンシアコメータやブランシェクールが引き続き好走を果たすのか。はたまた、人気を集めていたクイーンマンボをはじめ、凡走していた馬の中から巻き返してくる馬が現れるのか。過去7回のJBCレディスクラシック優勝馬は、いずれも当レースからのローテーションだったことを思うと注目せざるを得ないだろう。

一方、デムーロ兄弟が手綱を取るラビットランやフォンターナリーリは、人気を集めるかもしれないが、データからは少し強調しづらい印象だ。それでも、基本的に堅い決着になるのが地方交流重賞のセオリーなので、バッサリと買い目から削ってしまうのも幾らかの不安が残る。

穴馬に期待して手広く人気馬まで流すのか、買い目を絞って少点数で勝負をするのか。各々の馬券スタイルに合わせて、ここで検証したデータを活かして欲しい。

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