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9月23日(月)に中山競馬場では、第64回・オールカマー(G2)が行われた。
3月にドバイで行われたドバイシーマクラシック以来、半年ぶりのレースとなったレイデオロが、直線先に先頭に躍り出たアルアインをゴール前できっちりと交わして優勝。3番人気に支持された昨年の皐月賞馬アルアインが2着、3着には2番人気のダンビュライトが入った。
終わってみれば、上位に支持されていた3頭で決まり、3連単は1640円と固い決着になった。また、東西ともに新旧ダービー馬と皐月賞馬の対決だったが、いずれもダービー馬の勝利でレースを終えている。
ここからは、レイデオロの次走以降の評価方法や、乗り替わりだったアルアインの好走理由、ダンビュライトの敗因など、各馬の走りについて振り返っていこう。
オールカマー2018の各馬の勝因・敗因・次走展望

1着:レイデオロ
昨年のダービー馬で、前走はドバイシーマクラシックに出走していたレイデオロ。約半年ぶりの復帰戦にオールカマーを選び、秋のローテーションをスタートさせた。
昨年の神戸新聞杯を制した後は、ジャパンカップで2着、京都記念で3着と、いまひとつ噛み合わないレースが続いていたが、半年ぶりの復帰戦で見事なレースを披露。1年ぶりの勝利を掴んだ。
ホープフルステークスを勝利しているものの、これまでのキャリアで最も着順を落としたのが、中山で行われた皐月賞。中山への適応力や、先週行われたセントライト記念を全弟のレイエンダが負けた影響なのか、2.0倍という支持で、この馬にしては配当妙味もあったように感じる。
レースは五分のスタートから、包まれず、下げすぎず、中団の位置取りをキープして向こう正面を進んでいく。残り600mあたりから進出を開始すると、道中でマークしていたダンビュライトからはアルアインにターゲットをシフト。坂下あたりで射程圏内に入れると、直線ではきっちりと差し切ってみせた。着差以上の余裕を感じるレースぶりで、まさに完勝と言っていいだろう。このメンバー相手に、小回りでトリッキーな中山も克服。秋初戦を完璧な形でスタートさせた。
ただ、レイデオロの戦歴を見てみると、上がり3ハロンを上位のタイムで走っていることが多い。しかし、よく見ると33秒台前半で走れたことがないのだ。天皇賞(秋)やジャパンカップでは、究極の切れ味が問われることもあり、取りこぼす可能性はゼロということではない。鞍上含め、次走以降も安定して人気を集めることになるだろう。ダービー馬は早熟傾向であることもあり、疑ってかかる目も持っておくようにしたい。
2着:アルアイン
昨年の皐月賞を制した以降、なかなか勝ち切れず、惜しい競馬の続いていたアルアイン。今年はG1の大阪杯でも3着に好走していたが、またしてもレイデオロの後塵を拝す形となってしまった。
今回はテン乗りで北村友騎手への乗り替わりとなったが、0.0秒差の2着なら、見事なエスコートだったと評価できるのではないだろうか。昨年の石橋騎手のように、今年の北村友騎手は、サンデーレーシングからの騎乗依頼が急増。ここで勝てれば完璧であったものの、十分合格点を与えられるレース内容だったと考える。さらに良い馬が回ってきそうだ。
アルアインに関しては、切れ味ではなく、持続力を生かしたいタイプ。馬の特性を理解しており、意図の感じられる乗り方だった。このレース内容であれば、次走以降も騎乗が継続してくことだろう。これまでに、北村友騎手にとって、経験の少ない中山だったものの、よく乗りこなせたと評価したい。
次走以降も、G1でのレースとなれば、東京や中山での騎乗も増えることだろう。先入観なく、馬を軸に考えて乗れるようであれば、今後も好走してくる可能性が高い。アルアインと北村友騎手のコンビは引き続き狙っていきたい。
3着:ダンビュライト
今年のアメリカジョッキークラブカップでは2着に0.3秒差をつけ楽勝劇を演じていたダンビュライト。前走の宝塚記念でも5着に好走しており、得意の中山ならレイデオロを逆転できる馬として、単勝3.8倍の2番人気という支持を集めていた。
ゲートで立ち上がる仕草をみせ、若干出負けするような格好でのスタートとなり、道中は6番手。ダンビュライトとしては、後方寄りの競馬になっていた。ペースが上がる3コーナーあたりから、前にいるゴールドアクターとミライヘノツバサが壁になり、一緒になって下がっていってしまう不利もあった。
レイデオロを行かせた後ろから、追撃を開始するも、なかなか差は詰まらない。最後は伸びを見せ、3着を確保することができたものの、ロスの多い消化不良に近いレース内容だっただろう。手綱を取った武豊騎手が、そのことも最も痛感しているはずだ。
次走のレース次第になるが、引き続き武豊騎手が騎乗するようであれば侮れない存在と言える。ロスの多い競馬だったことは忘れずに覚えておきたい。得意の中山、得意の2200m戦で、引き続き崩れていない。そう評価したい。
4着:エアアンセム
1年以上の休養を挟みながら、古馬になって再び重賞戦線に戻ってきたエアアンセム。前走で念願の重賞制覇を果たすと、一線級を相手取るオールカマーを陣営は選択してきた。
レースでは、3コーナーから早めにスパートを開始。コースロス覚悟で田辺騎手は大外を捲っていき、直線では突き抜けるかと思わせるほどの勢いがあった。結果的に、勝ったレイデオロから3頭分ほど外を回ってきたこととなり、ロスがあったのは間違いない。それでも7歳ながら衰えを感じさせない、むしろ充実ぶりを表す形となった。
次走以降については、G1戦線だと足りない感が否めない。G2もしくはG3のレースであれば中心的存在と言っていいだろう。そして、ここでの好走は無駄にならないはずで、年明けのアメリカジョッキークラブカップに出てくるようなら本命候補にしたいくらいだ。直線の短い、コース限定で、次走以降も狙っていきたい。
5着:ショウナンバッハ
前走の新潟記念では、13番人気(単勝オッズ116.9倍)ながら3着と好走していたショウナンバッハ。三浦騎手との手がよほど合うのだろうか。これだけの馬を相手にしても、5着に好走してみせた。
今回はレイデオロに次いで2番目の上がり3ハロンタイムを記録しており、エアアンセム同様、7歳ながら充実ぶりが著しい。必ずと言っていいほど、末脚も繰り出してくるタイプだけに、どこかで大きな穴を、また開けそうな予感のする馬である。ハンデを生かせば、アルゼンチン共和国杯や中日新聞杯あたりでも好勝負が出来そう。その際も、三浦騎手限定で狙うようにしたい。
まとめ

今年のオールカマーは、適性面を超えた、能力差を感じさせる走りでレイデオロが完勝。それを人気・実績で追うアルアイン、ダンビュライトと、ほぼこれまでの実績が反映されたレース結果となった。
上位3頭については、今後もあまり序列が変わらないと思うが、4着以下は大混戦。施行条件が変われば着順が変わりそうな馬たちばかりである。クラスやコース次第では、負けていても巻き返してくることが期待できる馬も存在している。
この結果を鵜呑みにせず、次走以降の競馬にも、このレース回顧を生かしていきたい。