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8月12日(日)に札幌競馬場では第23回エルムステークス(G3)が行われる。
札幌競馬場のスタンド改修に伴い、2013年に函館で開催された以降、5年連続で1番人気が勝てておらず苦戦している。昨年も1.5倍と圧倒的な支持を集めたテイエムジンソクが2着に敗れた。いっぽうで、ここ2年は単勝オッズが10倍を超える穴馬が勝利しているように、勝ち馬はついては波乱傾向である。
ただし、3連単の配当で見てみると、10万円を超える決着になったのは過去10年で2度しかない。しかも、そのうちの1回は新潟で開催された年だった。基本的には上位人気が堅実で、荒れても小波乱までにおさまるのがエルムステークスの傾向といっていいだろう。
今年はミツバやハイランドピーク、ロンドンタウン、リッカルドなど14頭が出走を予定している。例年通り固くおさまるのか? 波乱の立役者はどの馬か? さまざまな角度からエルムステークスを分析していこう。
目次
[人気]上位人気堅実も、近年は波乱傾向
エルムステークスは1~3番人気の馬が、過去10年で8勝しているように、上位人気が強いレースである。
ここ2年は敗れているものの、3番人気以内の人気馬が必ず1頭は馬券に絡んでいることを覚えておきたい。また、人気馬の相手候補には単勝オッズ50倍以内を中心に手広く構えるといいだろう。さらに、30~49.9倍の範囲内だった馬は、上位人気並みの高い複勝率を残している。相手には人気薄も必ず絡めるようにするとよさそうだ。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 20% | 30% | 60% | 31% | 70% |
2番人気 | 30% | 40% | 40% | 126% | 68% |
3番人気 | 30% | 30% | 40% | 182% | 74% |
4番人気 | 10% | 30% | 30% | 122% | 66% |
5番人気 | 0% | 30% | 40% | 0% | 139% |
6番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 38% |
7番人気 | 10% | 20% | 30% | 285% | 168% |
8番人気 | 0% | 10% | 30% | 0% | 177% |
9番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
10番人気 | 0% | 10% | 20% | 0% | 213% |
11番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
12番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
13番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
14番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
単勝オッズ | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1.5~1.9 | 40% | 60% | 80% | 62% | 88% |
2.0~2.9 | 0% | 0% | 50% | 0% | 65% |
3.0~3.9 | 20% | 40% | 40% | 74% | 54% |
4.0~4.9 | 40% | 40% | 40% | 178% | 82% |
5.0~6.9 | 25% | 25% | 38% | 127% | 70% |
7.0~9.9 | 9% | 46% | 46% | 72% | 98% |
10.0~14.9 | 10% | 30% | 30% | 122% | 101% |
15.0~19.9 | 0% | 0% | 17% | 0% | 85% |
20.0~29.9 | 7% | 7% | 7% | 190% | 29% |
30.0~49.9 | 0% | 5% | 32% | 0% | 203% |
50.0~99.9 | 0% | 6% | 6% | 0% | 75% |
100.0~ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[年齢]4~6歳馬が中心
過去10年のエルムステークスでは、4・5歳馬が9勝、6歳馬が1勝と、勝ち馬は全てこの年齢から出ているレースだ。7歳以上も馬券に絡むことはあっても、2着以下までが限界となっている。高齢馬から穴馬を狙う場合でも、1着は不要だろう。2,3着に置くと効率が良さそうだ。
今年のメンバーではノーブルサターンやハイランドピーク、ロンドンタウン、ミツバなどが4~6歳に該当する。中心はここから探そう。7歳以上のリーゼントロックやリッカルドは好走できても相手までとしておきたい。
年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 24% | 29% | 48% | 150% | 140% |
5歳 | 13% | 22% | 34% | 118% | 115% |
6歳 | 3% | 8% | 11% | 13% | 42% |
7歳以上 | 0% | 11% | 14% | 0% | 51% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[枠番]4枠出走馬に注目
エルムステークスでは4枠の成績がとにかく良い。過去10年で最多の4勝を挙げており、2着も2回と極めて高い成績になっている。次に勝率の高い1枠については、実はクリールパッションが勝利した1度だけしか馬券に絡んでいない。出走数が少ないことで勝率が高くなっていることを補足しておく。
過去10年の連対馬20頭中、1~3枠が4頭、4~8枠が16頭と、外目の枠が有利となっている。枠順が発表されたら、外目の枠に入れた馬を中心にチョイスすると良さそうだ。
枠番 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 11% | 11% | 11% | 41% | 15% |
2枠 | 9% | 18% | 27% | 110% | 149% |
3枠 | 0% | 8% | 17% | 0% | 55% |
4枠 | 24% | 35% | 41% | 229% | 93% |
5枠 | 5% | 16% | 21% | 7% | 81% |
6枠 | 5% | 10% | 20% | 26% | 81% |
7枠 | 5% | 10% | 15% | 25% | 47% |
8枠 | 5% | 15% | 30% | 40% | 99% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[斤量]56・57キロが基本
エルムステークス過去10年の連対馬20頭中、15頭が56キロもしくは57キロの斤量を背負っていた馬だった。また、54キロ以下を背負う馬や牝馬は馬券に絡めていない。
58キロ以上を背負う実績馬は、勝てていないものの、馬券に絡んできている。相手には必ず加えておきたい。
今年のメンバーではアンジュデジールが牝馬に該当するのでマイナス評価。いっぽうでメイショウスミトモは好走率の高い58キロ馬に該当する。人気薄でもおさえるといいかもしれない。
斤量 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
53kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
54kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
56kg | 9% | 15% | 25% | 64% | 76% |
57kg | 7% | 11% | 14% | 61% | 59% |
58kg | 11% | 33% | 44% | 57% | 175% |
59kg | 0% | 100% | 100% | 0% | 335% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[脚質]3コーナー、先頭で迎えるべからず
札幌コースは小回りゆえに、先行馬が有利だが、エルムステークスでは逃げ馬が1度も勝てていないのだ。直線が短いため、4コーナーでは先頭に立っていたい。それでも3コーナーの段階で先頭に立っている逃げ馬は勝てていないのである。
コーナーを使ってまくりきるための位置取り、すなわち逃げ馬を射程圏に入れた2番手以下が理想的だ。そうはいってもレースではどの馬が逃げるかどうか、完璧に読み切ることはできない。そこで前走4コーナーでの位置取りを参考にするといい。
5番手以内だった馬が9-8-10-43と、馬券内のほとんどを占めている。6番手以下だった馬は1-2-0-53という成績で、その差は一目瞭然だ。今年のメンバーではノーブルサターン、ミツバ、ブラゾンドゥリス、ドリームキラリ、リッカルド、モルトベーネがこれに該当する。この中から逃げない馬を見つけられれば、的中に近づくことだろう。
3角位置 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
先頭 | 0% | 10% | 60% | 0% | 205% |
2番手以下 | 9% | 16% | 20% | 63% | 68% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
前走4角 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
5番手以内 | 13% | 24% | 39% | 99% | 129% |
6番手以下 | 2% | 5% | 5% | 8% | 18% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[前走クラス]特注!前走1600万クラスだった上がり馬
エルムステークスでは、前走が1600万、オープン特別、中央G3、地方重賞だった馬から狙っていこう。その中でも特に1600万クラスから昇級戦になる馬の成績がずば抜けている。2013年のフリートストリートや、2016年のリッカルドがこれに該当する。さらにこの2頭は、前走で安達太良ステークスを勝っていたという共通点があった。また、中央のG1やG2から挑む馬は基本的に軽視でいいだろう。
今年のメンバーではノーブルサターンが安達太良ステークス勝ち馬で、この馬のみが1600万クラスからの昇級馬ある。穴馬として必ずチェックしたい馬だ。中央G2組のモルトベーネは軽視でいいだろう。来ても3着まで。
前走クラス | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1000万下 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
1600万下 | 29% | 29% | 43% | 521% | 161% |
OPEN特別 | 8% | 13% | 20% | 24% | 61% |
中央G3 | 5% | 18% | 18% | 55% | 50% |
中央G2 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
中央G1 | 0% | 0% | 33% | 0% | 283% |
地方 | 8% | 24% | 36% | 40% | 125% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[前走着順]好走組を中心に
エルムステークスは前走の着順が良かった馬の成績が良いレースである。特に3着以内に入っていた馬の成績が優れており、回収率も人気馬中心ながら高水準だ。これが4着以下になると大きく成績を落としているように、前者が有利と考えるといいだろう。
4着以下だった馬で、馬券になった馬からは次のように狙いたい。2017年のドリームキラリや2013年のエーシンモアオバーのような、前走で逃げて5着前後に粘れていたタイプが良さそうである。
今年のメンバーではアンジュデジール、ハイランドピーク、ノーブルサターン、ミツバ、モルトベーネ、リーゼントロックが該当する。上位候補はこの中にいるのではないだろうか。
前走着順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 20% | 28% | 40% | 173% | 89% |
2着 | 6% | 19% | 44% | 31% | 115% |
3着 | 8% | 25% | 25% | 34% | 152% |
1~3着 | 13% | 25% | 38% | 98% | 111% |
4着以下 | 4% | 10% | 14% | 30% | 57% |
※エルムステークス 2008年以降の集計結果
[まとめ]上位人気から手広く攻めれば
ここまでのデータをまとめていこう。
人気:1~3番人気を中心に相手は手広く
年齢:4~6歳が中心、7歳以上は2着まで
枠番:4枠中心に外目を狙う
斤量:56~57キロを基本に、58キロは相手まで
脚質:先行有利も逃げ切れない
前走:好走組を本線に、特注は1600万クラス
2014年のリニューアル以降は三連複でも5000円を超える配当が続いており、人気馬から手広く馬券を組み立てたとしても、マイナスにはならないのではないだろうか。これらのデータを用いて無駄になりそうな馬を消し込めば、効率よく的中を目指せそうである。