レース見解

ジャパンカップ2018の最新見解・データ

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

11月25日(日)に東京競馬場では第38回ジャパンカップ(東京芝2400m・G1)が行われる。

「世界に通用する強い馬づくり」をコンセプトに、日本初の国際招待競争として設立されたジャパンカップも今年で38回目を迎える。いまや世界で活躍する日本馬も数多く、宿願は果たされたと言ってもいいだろう。

一方、以前は世界的な名馬の来日に胸を弾ませたが、近年は外国馬の参戦自体が減少傾向にある。今年はアイルランドのA.オブライエン厩舎が管理するカプリ(Capri)、イギリスのD.ムニュイジエ厩舎が管理するサンダリングブルー(Thundering Blue)の2頭が参戦予定だ。

今年は登録の段階でフルゲート割れが確定しているが、6年ぶり史上5頭目の牝馬三冠を達成したアーモンドアイ、昨年のジャパンカップ覇者シュヴァルグランほか、G1タイトルホルダー9頭が集う楽しみな一戦。

ここからは過去10年のデータを参考に、ジャパンカップの傾向を探っていこう。

[人気]1番人気が来日中の外国人騎手であれば注意

過去10年のジャパンカップにおいて、1番人気は勝率30%、連対率60%、複勝率80%と好走率が高く、連軸としては頼りになる成績を収めている。

2014年 ジェンティルドンナ(1番人気4着)R.ムーア

2011年 デインドリーム  (1番人気6着)A.シュタルケ

2010年 ブエナビスタ   (1番人気2着)C.スミヨン

重箱の隅をつつくデータではあるが、過去10年で1番人気ながら馬券外に敗れた2頭は外国人騎手が騎乗していたという共通点がある。また、少し意味合いは変わるが、2010年のジャパンカップで1位入選後に斜行による走行妨害で2着降着となったブエナビスタも、短期免許で来日していたC.スミヨン騎手が手綱を取っていた。

1番人気に支持されている馬の信頼度を計るうえで、JRA所属騎手か否かということも一種の指標となるのではないか。

ここまでは1番人気についての見解を述べたが、過去10年で1番人気は3勝しかできておらず、2~5番人気の馬が残りの7勝のうち6勝を挙げていた。6番人気以下からの優勝となると、2008年スクリーンヒーローの一例しかないので、基本的には上位人気に支持されている馬を中心視して良さそうだ。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 30% 60% 80% 95% 102%
2番人気 10% 30% 50% 34% 72%
3番人気 10% 20% 20% 66% 49%
4番人気 30% 30% 30% 369% 74%
5番人気 10% 20% 20% 133% 48%
6番人気 0% 10% 40% 0% 143%
7番人気 0% 20% 20% 0% 89%
8番人気 0% 0% 10% 0% 53%
9番人気 10% 10% 10% 410% 71%
10番人気 0% 0% 0% 0% 0%
11番人気 0% 0% 10% 0% 122%
12番人気 0% 0% 0% 0% 0%
13番人気 0% 0% 0% 0% 0%
14番人気 0% 0% 10% 0% 166%
15番人気 0% 0% 0% 0% 0%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%
17番人気 0% 0% 0% 0% 0%
18番人気 0% 0% 0% 0% 0%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[年齢]キャリアの浅い馬が優勢

過去10年のジャパンカップにおいて、3着以内に好走した30頭中28頭が3~5歳馬だった。また、6歳以上となると【0-0-2-45】と連対例がないので軽視が妥当になる。

今年の注目は何と言ってもアーモンドアイになると思うので、3歳馬の成績を抜粋すると【2-3-2-21】となっている。過去10年で2勝を挙げたことになっているが、1頭は2010年ブエナビスタの降着による繰り上げ優勝となったローズキングダム。

つまり、3歳馬で純粋にジャパンカップを勝利したのは2012年ジェンティルドンナのみ。そのジェンティルドンナといえば、同年に桜花賞、優駿牝馬、秋華賞と牝馬クラシックを完全制覇しており、同じ“三冠牝馬”の肩書きを持つアーモンドアイであれば人気に推されても頷ける部分がある。

4~5歳馬に関しては特に偏りもなく、競走馬として充実期を迎えているため素直に評価しやすい。また、苦戦傾向にある6歳以上はジャガーメイル(2011年3着)、トーセンジョーダン(2013年3着)の2頭しか好走例がないが、共にジャングルポケット産駒という血統的に興味深い傾向がある。

年齢 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
3歳 7% 18% 25% 55% 69%
4歳 10% 16% 20% 127% 46%
5歳 6% 15% 23% 43% 57%
6歳 0% 0% 0% 0% 0%
7歳以上 0% 0% 9% 0% 125%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[間隔]中3~8週が理想的

過去10年のジャパンカップにおいて、3着以内に好走した30頭中27頭が中3~8週で臨んでいた馬だった。

一方、中9週以上の休み明けで出走する馬は好走例がなく、今年はサトノクラウン(中21週)とミッキースワロー(中13週)の2頭が該当している。共にノーザンファーム生産馬ということで、サトノクラウンはノーザンファーム空港、ミッキースワローはノーザンファーム天栄で外厩調整されているが、レース傾向と照らし合わせると過信禁物と言えそうだ。

2016年 3着 シュヴァルグラン (中2週)

2013年 2着 デニムアンドルビー(中1週)

2008年 1着 スクリーンヒーロー(中2週)

また、中2週以内の調整が難しい臨戦過程で好走した上記3頭は、いずれもキャリア20戦以下の若い馬ということで評価できそうだ。今年はウインテンダネス、ガンコ、ノーブルマーズがアルゼンチン共和国杯から中2週で挑むことになるが、3頭ともキャリア30戦以上での参戦となると厳しいか。

レース間隔 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
中1週 0% 17% 17% 0% 85%
中2週 4% 4% 8% 164% 41%
中3週 7% 14% 24% 38% 85%
中4~8週 7% 13% 16% 52% 38%
中9~24週 0% 0% 0% 0% 0%
中25週以上 0% 0% 0% 0% 0%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[所属]近年の外国馬は劣勢

過去10年のジャパンカップにおいて、3着以内に好走した馬はすべてJRA所属の調教馬だった。

以前は外国馬の活躍も多かったが、2006年ウィジャボードの3着を最後に好走例が見られず、過去10年では【0-0-0-42】と散々な結果。外国馬の参戦によって日本では馴染みの薄い血統に触れられる点については興味深いものがあるが、馬券的観点で捉えるならば静観が妥当になってしまう。

今年出走する外国馬を簡単に紹介すると、2017年に愛ダービー(G1)と英セントレジャー(G1)を制し、先月行われた凱旋門賞でも5着と好走していたカプリの方が実績では上だが、サンダリングブルーも8頭中7頭がG1馬という豪華メンバーで行われた2018年英インターナショナルステークス(G1)で、唯一のG1未勝利馬ながら3着に健闘するあたり意外性を秘めている。

所属 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
美浦 3% 5% 11% 110% 78%
栗東 10% 20% 28% 64% 75%
地方 0% 0% 0% 0% 0%
外国 0% 0% 0% 0% 0%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[馬体重]馬格の大きい馬は過信禁物

過去10年のジャパンカップにおいて、馬体重460~479キロで出走した馬は勝率19%、連対率27%、複勝率31%、単勝回収率131%と好成績を残しているので、今年も該当する馬がいれば積極的に狙っていきたい。

一方で、馬体重500キロ以上の大型馬は苦戦しており、優勝したのは小雨降るなか行われた2016年のキタサンブラック(536キロ)一頭だけ。ちなみに、2016年は2着サウンズオブアースも502キロだったことを考えると、例年とは少し異なる適性を問われた可能性もありそうだ。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
400~419kg 0% 0% 0% 0% 0%
420~439kg 0% 17% 17% 0% 85%
440~459kg 6% 12% 12% 54% 20%
460~479kg 19% 27% 31% 131% 62%
480~499kg 5% 10% 18% 79% 84%
500~519kg 0% 5% 13% 0% 39%
520~539kg 7% 7% 7% 27% 10%
540~ 0% 0% 50% 0% 60%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[脚質]瞬発力は必須

過去10年のジャパンカップにおいて、3着以内に好走した30頭中22頭が前走上がり3ハロン5位以内の脚を使えていた。東京競馬場で開催されることを考慮しても、末脚のしっかりしている馬の方が評価しやすい。

例外的に前走上がり3ハロン6位以下ながら優勝したのは2016年キタサンブラックのみ。しかし、ジャパンカップが休み明け2戦目ということから逆算して、前走が叩き台だったと割り切るならば大目に見られる部分を幾分残している。

ジャパンカップが休み明け2戦目にあたる馬を除けば、前走上がり3ハロン6位以下は【0-1-1-30】。唯一の連対例も3歳馬のディープスカイ(2008年2着)なので4歳以上は軽視していいだろう。

前走上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1位 10% 14% 29% 60% 73%
前走2位 6% 31% 31% 55% 73%
前走3位 33% 33% 42% 211% 79%
前走4~5位 10% 15% 30% 249% 162%
前走6位~ 2% 6% 9% 7% 37%
前走1~5位 13% 22% 32% 140% 100%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[前走クラス]近年のトレンドはJRAのG2

過去10年のジャパンカップにおいて、3着以内に好走した30頭中27頭がJRAのG2以上に出走していた。日本馬でも海外のレースに出走していた馬は帰国初戦となるため分が悪いようだ。

また、前走JRAのG1に出走していた馬は【7-6-8-61】と好走率が高いのだが、そのなかで少々気になる点を挙げるならば「5歳以上の牡セン馬」は【0-2-6-29】と勝ち切れていないことだろう。

近2年に限れば京都大賞典を使っていた馬が2連勝していたり、2016年は古馬G2戦から挑んだ馬が1~3着を独占していたりするので、傾向が少しずつ変わってきているのかもしれない。

前走クラス 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1600万下 0% 0% 0% 0% 0%
OPEN特別 0% 0% 0% 0% 0%
G3 0% 0% 0% 0% 0%
G2 9% 15% 18% 176% 54%
G1 9% 16% 26% 51% 86%
海外G2以下 0% 0% 0% 0% 0%
海外G1 0% 5% 7% 0% 22%

※ジャパンカップ 2008年以降の集計結果

[まとめ]三冠牝馬vs古馬の一線級という図式

ここまでのデータを整理してみよう。

人気:上位人気馬中心

年齢:3~5歳馬

間隔:中3~8週

所属:JRA所属馬

馬体重:500キロ以上は苦戦

脚質:末脚に自信のあるタイプ

前走クラス:JRAのG2以上

今年のジャパンカップは、おそらく1番人気に支持されるであろう3歳牝馬のアーモンドアイが、初めての古馬混合戦、しかも牡馬相手に善戦できるかどうかが最大の焦点と言えそうだ。

近年は日本馬が圧倒的優勢になってしまっているジャパンカップだが、今年も2頭の外国馬の参戦に敬意を払うとともに、世界規模でも注目度の高い一戦を心待ちにして発走を待ちたい。

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