競馬予想講座

単勝馬券が「競馬で勝てる」5つの理由

The following two tabs change content below.
川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

こんにちは。競馬予想家の川田信一です。

2012年に『見るだけで「単勝」が当たる“単撃”リスト(東邦)』という著書を上梓。以降も積極的に競馬書籍を出版し、ウェブやメルマガなどで活動しております。

JRAには、単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単、WIN5、と全部で9つの券種の馬券があります。ほとんどのファンは、手持ち資金や予想内容に応じて、どの券種を購入するか決めているかと思います。

では、9つある券種の中で、どれが一番勝ちやすいと思いますか?

どの券種にも長所と短所があります。その両面を考えてみたとき、私は<強1>単勝こそがもっとも勝ちやすい券種だと信じています。実際に私は単勝馬券で勝負して儲けていますし、信じているからこそ単勝にこだわった書籍を書き続けているわけです。

なぜ単勝がもっとも勝ちやすい券種なのか。それをこれから、5つの理由に分けて説明していきたいと思います。

理由①競馬新聞のシルシは勝つ馬を予想したものではない

競馬記者は安定感に◎を打つ

競馬の人気は競馬新聞のシルシが作っています。◎がたくさん集まっている馬は単勝馬券が売れるので1番人気になり、シルシが薄い馬の単勝はあまり人気になりません。

では、競馬記者が◎を打つ馬とはどんな馬でしょうか?

◎が打たれるのは勝つ確率が高い馬ではありません。「1~3着には来てくれるだろう」という安定感のある馬に◎が打たれることがほとんどです。安定感のある馬なら、2着や3着に負けても、本命が馬券にからんだから最低限の仕事は果たせたと格好がつくからです。

たとえば以下のような成績のA馬とB馬がいたとしましょう。

A馬 1着5回 2着10回 着外5回

B馬 1着5回 2着0回 着外15回

両馬の勝率は同じ25%ですが、◎は間違いなくA馬に打たれます。A馬は2着が10回もあり、連対率75%と安定感があるからです。それに対してB馬は勝つか大負けというムラがあって◎が打ちづらい。

たしかにA馬の成績は安定しています。しかしこれは「勝ち切れない」とも言い換えることもできる。A馬は勝てるチャンスが15回もあったのに、そのうち10回も取りこぼして2着に負けている。逆にB馬は5回あったチャンスをすべてモノにしています。

もちろんA馬とB馬のどちらが勝つかは、レースをしてみないとわかりません。しかしA馬は◎が並ぶので人気になる。B馬はシルシが薄いので人気にならない。勝率が同じであれば、ギャンブル的にはオッズの高いB馬の単勝を買うのが正解ではないでしょうか。

毎年のように2~3着を繰り返した挙句、決め手に欠いて、勝ち上がれずに引退する3歳未勝利馬がいます。本来なら単勝を買うのにまったく向いていないタイプなのですが、単勝は常に1番人気になります。記者が勝つ馬ではなく、安定感を勝って◎を打っているのに、ファンが「この馬は◎が並んでいるから勝つ確率が高い」と勘違いをするからです。

これはパドック解説者にも通ずる話で、彼らがパドックで推奨する馬のほとんどは人気馬です。たとえ1番人気のデキが悪く見えても推奨からハズすことはめったにないし、推奨馬すべてが二桁人気になるといったこともありません。本来ならばパドックのデキだけで評価すべきなのに、ついつい好走率の高そうな上位人気を推してしまうのです。

このように大手メディアの予想家は、安定感にシルシを打ちます。しかし本来、ギャンブルは安定感と相反するものです。オッズが同じなら安定感のある馬を買ってもいいですが、オッズにギャップがあるのなら安定感のない方が狙えるというケースが出てくるのです。

単勝馬券は基本的に競馬新聞のシルシ順に売れます。しかしかならずしも1着になる確率が高い馬に◎が打たれているわけではない。ここにオッズのギャップが発生するので、単勝馬券は利益を出しやすいのです。

理由②素人の応援馬券が非常に多く買われている

応援馬券がオッズを歪める

勝つのは難しそうだが、なんとか勝ってほしい、応援してあげたい。そんな馬を応援するために単勝馬券を買った経験は多くのファンにあると思います。

単勝はこの応援馬券がオッズを歪めることがあります。

その代表的なものが突然変異で生まれる「白毛」の馬です。白毛は誕生しただけでニュースになります。新馬戦になるとマスコミが「白毛馬デビュー」と書き立てて注目度が上がり、応援したいと考えるファンも増え、単勝馬券が過剰に売れます。しかし2001年以降、全部で15頭の白毛馬が新馬戦を走りましたが、単勝の平均人気は3・6番人気で、勝ち上がったのは1頭だけ。つまり白毛がいる新馬戦は、それ以外の馬の単勝馬券がかなり美味しいオッズになっていたことがわかります。

応援馬券が売れるジョッキーといえば、JRAで唯一の女性ジョッキー・藤田菜七子騎手でしょう。2017年の藤田騎手の全騎乗馬の平均単勝オッズは54.8倍でした。そして藤田騎手と同程度の勝率がある村田一誠騎手の平均単勝オッズは126.9倍、川島信二騎手は92.9倍、酒井学騎手は97.3倍。単純に平均単勝オッズを比較してみると、藤田騎手は実力の倍以上に単勝馬券が過剰に売れていることがわかります。つまり、藤田騎手がいるレースは、その他の騎手の単勝馬券のオッズに妙味が出ます。

白毛や菜七子騎手ほど極端なケースは珍しいにしても、どんなレースでも応援馬券は少なからず買われています。POGや一口馬主の持ち馬であれば実力と関係なくかならず単勝を買うというファンは多いし、競馬ビギナーは気に入った馬や名前の面白い馬の単勝を買いがちです。

つまり、単勝馬券は他の券種に比べると、「勝つ馬を買う」という常識的な投票行動が行なわれていないのです。その分だけ、話題性に欠いて地味だがじつは能力があるといった馬の単勝期待値が大きく跳ね上がるのです。

理由③控除率が低い

控除率と勝率は反比例する

カジノでもっとも人気がある種目はバカラです。なぜバカラを好まれるかというと、シンプルで奥が深いゲーム性に加えて、ハウスエッジ(控除率)が1%と低いから。ハウスエッジの高いルーレットや大小に比べると、それだけ勝てる確率が高いためです。

カジノ種目ごとにハウスエッジが違うように、競馬も券種によって控除率が違います。JRAの控除率は、単勝と複勝が20%、枠連と馬連とワイドが22.5%、馬単と3連複が25%、3連単が27.5%、WIN5が30%に設定されています。3連単やWIN5は一発の的中で大金を手にできますがギャンブル的にいうと勝ちにくい券種、一攫千金は難しいものの単勝はギャンブル的には勝ちやすい券種です。

単勝の控除率が低いことを知っていても、「わずか数パーセントの違いなんて」と気にしない人がいます。しかしこれはもったいない。馬券収支をつけるようになると、回収率を5%上げるのがいかに難しいかがわかると思います。単勝を中心に馬券を組み立てるようになると、控除率の差の分だけ回収率は上がりやすくなります。

さらに単勝はJRAの払戻金上乗せキャンペーン対象になることがあります。よく行なわれているのは「2歳単勝」キャンペーンで、2歳戦の単勝払戻金に売上の5%相当額が上乗せされます。このキャンペーン中なら、単勝の控除率がさらに約15%へと低下します。

かつて日本競馬の控除率は高いといわれてきましたが、控除率15%は世界的にみても客側に有利な設定です。これを利用しない手はありません。

もちろん控除率が低いといっても、2着や3着までズバリと当てられるのであれば、3連単を買うべきでしょう。ただ相手が絞り切れず何点も流すのであれば、単勝を買った方がじつは期待値が高かったという例はよくあります。

・単勝払戻金400円

・3連単払戻金20000円

このような払戻金レースがあったとしましょう。パッと見は3連単を当てた方が儲かるように思うかもしれません。しかしこの3連単は50点以内で仕留めないと、単勝よりも期待値は低くなるのです。とくに控除率に差がつけられるようになって以降、このケースは増えています。控除率20%と控除率27.5%の差が配当に出るからです。

理由④資金コントロールがしやすい

競馬のキモはコマの上げ下げ!?

大昔からいわれているギャンブル格言に「博打のキモはコマの上げ下げ」があります。コマというのは賭け金のこと。勝負どころで賭け金を大きくし、勝負が見えないときは賭け金を小さくすることが、ギャンブルで勝つ方法だというものです。

どんな目が出るか誰にもわからないサイコロ博打とは違って、競馬はサイコロ(競走馬)に強弱があります。予想の精度がきわめて高ければ、賭け金の上げ下げをしなくても勝つことは可能です。しかし予想精度を極限まで高めるというのも、難しい。やはり、勝つためには、ある程度の賭け金の上下が必要になってきます。

単勝馬券は資金コントロールが簡単です。基本的に単勝は1点買い、どれだけ購入しても単勝は数点まで。ここで10万円勝ちたいという状況で、単勝6倍の馬を狙うのであれば、2万円を賭ければ済むというのは小学生でもわかります。

しかしこれが3連単だとどうなるでしょうか。たとえば、単勝6倍の馬を1着固定の軸にして、相手8頭に流したとすれば、購入点数は全部で56点。この56点のオッズはすべて違います。この目で10万円を作るためには700円、こっちは300円と、細かい資金配分をしていく必要があります。パソコンソフトを使えばできますが、競馬場やウインズで的確な資金配分ができる人はほとんどいません。

投資というのは、いくらの資金を投下して、どれくらいのリターンが見込めるがわからないと、計画を立てられないものです。つまり3連単や3連複など買い目が多くなる券種よりも、即座に投資金とリターンが計算できる単勝の方が投資に向いているのです。

理由⑤単勝馬券専用のノウハウを持っている人が少ない

単勝を買う人は意外に少ない

勝つ馬を当てるのが競馬の楽しみ。つまり単勝はすべての馬券の基本です。3連単やワイドを販売していない競馬場はあっても不思議ではありませんが、単勝馬券を売っていない競馬場は(ギャンブル禁止の国を除いて)世界のどこにも存在しないのではないかと思います。

しかし日本においては単勝馬券を購入する人は意外に少ない。もっとも売れている馬券は3連単でJRAの売上の約33%を占め、それに続くのが3連複20%、馬連15%、単勝全体シェアの5%程度しか売れていません。常に単勝馬券だけで勝負するというファンは、おそらくほとんどいないはずです。

つまりJRAの単勝馬券の売上は、「たまに単勝を買うファン」に支えられている。ここでビジネス的な観点を持ってみてください。参加頻度の少ないプレイヤーしかいない単勝市場ってオイシイ市場ではないでしょうか

単勝には単勝のノウハウがあります。極端なことをいうならば、単勝は強い馬を買えば良いわけではない。どれだけ強い馬であっても勝つ確率に対してオッズが低いなら他の馬を買う(もしくは賭けるのを見送る)べきだし、20回に1回しか勝てないような馬でも単勝が20倍以上あるなら狙える。

連勝系の馬券は複雑なので、どれくらいの確率で当たるかの判断が難しい。しかし単勝はシンプルなので、じっくりと考えればその馬が勝つ確率をイメージしやすい。オッズを見ながら、旨味がたっぷりある馬券なのか、搾りカスのような馬券なのか、その判断ができるのです。

現在の馬券の主流は3連単、3連複、馬連です。しかし傍流であるからこそ、単勝馬券には大きなメリットがたくさんある。「単勝は配当が安い」と敬遠するファンも多いですが、理由③でも説明したように、じつは多点買いの3連単よりも単勝1点買いの方が儲かったというケースはよくあります。一度、単勝馬券を見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

◎競馬新聞のシルシは勝つ馬を予想しているわけではない

しかし単勝馬券はシルシ順に売れるのでオイシイ配当が生まれやすい

◎素人の応援馬券が非常に多くかわれている

そのためオッズに紛れが生じてオイシイ配当が生まれやすい

◎控除率が低い

他の券種よりも優遇されているのでオイシイ配当が生まれやすい

◎資金コントロールがしやすい

いくら賭けていくら儲かるかの推測が用意なので投資に向いている

◎単勝馬券専用のノウハウを持っている人が少ない

単勝のノウハウを掴めば大儲けできる券種になる

関連記事

  1. 海外競馬の取扱説明書
  2. 脚質を徹底解剖 逃げ編
  3. 枠順を徹底解剖
  4. 血統(系統)の基礎知識②(ナスルーラ系・ネイティヴダンサー系・そ…
  5. 凱旋門賞の取扱説明書
  6. 馬体重の基礎知識
  7. うまい騎手を見極める5つのポイントとは?【騎手の専門家が監修】
  8. 馬齢を徹底解剖

新着記事

人気競馬書籍の著者で、各種メディアでも活躍する講師陣が、競馬予想に役立つ情報を”完全無料で”お届けします。競馬予想大学には、オッズ・日刊コンピ・過去データ分析・血統・調教と各分野のプロフェッショナルの講師陣が在籍しています。

アーカイブ

カレンダー

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
PAGE TOP