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数あるG1レースの中でも、長い歴史と伝統を誇る天皇賞(秋)。天覧競馬として行われた際には、優勝した松永幹夫騎手やM.デムーロ騎手が、ヘルメットを取り、天皇皇后両陛下に深々と敬礼した姿を、いまでも鮮明に覚えている。
中距離路線で活躍している一線級が集うため、過去にはドラマチックな展開も数多く繰り広げられてきた。しかし、近年はジャパンカップ(東京芝2400m・G1)や香港カップ(沙田芝2000m・G1)の前哨戦的な意味合いで使われるケースも増えてきているため、少し寂しさを感じる部分もある。
秋の中距離G1戦線を占う意味でも注目となる大事なレース。ここからは過去10年のデータをもとにレース傾向を探ってみよう。
目次
[人気]信頼度が高い1番人気
過去10年の天皇賞(秋)において、1番人気は勝率50%、連対率70%、複勝率90%という抜群の安定感を誇る成績。着外の一戦も、インコースで詰まってしまう展開的な不利があった2011年のブエナビスタ(1番人気 4着)なので、1番人気が大崩れすることはないと思った方がいいのかもしれない。
また、過去10年で1番人気または2番人気の馬が、どちらも連対しなかったのは2009年の1度だけ。馬券を組み立てる際に過度の穴狙いが難しいということは、情報として頭の片隅に入れておくべきだろう。
ただし、1着馬に限れば5番人気の馬が、過去10年で4勝しているという面白い傾向もある。安定感をもとめて1~2番人気を軸に流すか、配当妙味を求めて5番人気前後の馬を1着に据えるか、各々の馬券スタイルから自分に合う方を選ぶと良いだろう。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 50% | 70% | 90% | 150% | 120% |
2番人気 | 0% | 40% | 60% | 0% | 108% |
3番人気 | 0% | 0% | 20% | 0% | 30% |
4番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 24% |
5番人気 | 40% | 40% | 40% | 546% | 112% |
6番人気 | 0% | 0% | 30% | 0% | 89% |
7番人気 | 10% | 30% | 30% | 333% | 190% |
8番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
9番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
10番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 59% |
11番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
12番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
13番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 60% |
14番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
15番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
16番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
17番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
18番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
1~2番人気 | 25% | 55% | 75% | 75% | 114% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[年齢]4~5歳馬を狙うのがセオリー
過去10年の天皇賞(秋)において、連対馬20頭中17頭が4~5歳馬だった。特に、6勝を挙げている5歳馬は要注意だろう。基本的には若い馬を中心視するべきだが、東京競馬場がリニューアルされた2003年以降まで遡ってみても、3歳馬による優勝例がないことは覚えておこう。
若い馬が優位のなか、2009年に天皇賞(秋)を優勝したことで8歳にしてG1馬となったカンパニーは、前走でも毎日王冠(東京芝1800m・G2)を制している勢いがあった。同様に、6歳馬ながら3着に好走した2013年のエイシンフラッシュも、毎日王冠を優勝して当レースに臨んでいた。いずれも前走毎日王冠で1着になっていたという臨戦過程は、高齢馬を評価する際のポイントになるだろう。
年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0% | 13% | 27% | 0% | 44% |
4歳 | 7% | 19% | 26% | 47% | 73% |
5歳 | 14% | 21% | 30% | 161% | 84% |
6歳 | 0% | 0% | 3% | 0% | 4% |
7歳以上 | 2% | 2% | 2% | 27% | 5% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[レース間隔]二極化しているローテーション
過去10年の天皇賞(秋)では、中2週もしくは中9~24週のどちらかに該当していた馬が、好走馬の大半を占めている。
それぞれを紐解いてみると、中2週というローテーションは毎日王冠と京都大賞典(京都芝2400m外・G2)、中9~24週は札幌記念(札幌芝2000m・G2)または宝塚記念(阪神芝2200m内・G1)を使っていた馬という内訳になる。
天皇賞(秋)で好走している馬の臨戦過程には大きな偏りが見受けられるが、中距離路線のトップクラスが使うような番組の都合を考えれば納得できるだろう。
レース間隔 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
連闘 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
中1週 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
中2週 | 8% | 12% | 17% | 80% | 44% |
中3週 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
中4~8週 | 0% | 2% | 7% | 0% | 10% |
中9~24週 | 9% | 20% | 27% | 93% | 82% |
中25週以上 | 0% | 10% | 20% | 0% | 48% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[馬体重]520kg以上の超大型馬は半信半疑
過去10年の天皇賞(秋)において、馬体重による極端な成績の差異は見受けられないので、特に意識する必要はないだろう。
ただし、520㎏以上の馬体重で優勝したのは2017年のキタサンブラック(542kg)のみ。昨年の天皇賞(秋)が、劣悪な馬場状態の中で行われていたことを思うと、求められる適性が例年と違った可能性は否めない。
雄大な馬体はプラス材料とはなり得ないため、基本的には440~519㎏の範囲内に収まっている馬を評価する方が無難かもしれない。
馬体重 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
420~439kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
440~459kg | 8% | 8% | 15% | 16% | 54% |
460~479kg | 6% | 15% | 21% | 135% | 73% |
480~499kg | 6% | 12% | 16% | 56% | 37% |
500~519kg | 6% | 14% | 19% | 40% | 44% |
520~539kg | 0% | 0% | 10% | 0% | 25% |
540~ | 100% | 100% | 100% | 310% | 160% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[脚質]速い上がりが使えそうな馬を見極める
過去10年の天皇賞(秋)において、上がり3ハロン2位以内の脚を使えていた馬は、勝率32%、連対率50%、複勝率73%、単勝回収率423%、複勝回収率210%、好走率もさることながら回収率でも優秀な成績を収めている。
コース幅が広く、直線が長い東京コースでは、基本的に末脚の質を求められる。あるいは、末脚を武器にしている馬が能力を最大限に発揮できる舞台と言った方が適切だろうか。
逆説的に逃げ馬は苦戦する傾向にあり、2016年エイシンヒカリ(2番人気12着)、2013年トウケイヘイロー(2番人気10着)と、上位人気に支持されていた馬でも二桁着順に大敗している。逃げて結果を残したのは、2008年2着のダイワスカーレットくらいなので、レース展開を予想したうえで上がり3ハロン上位の脚が使えそうな馬を素直に評価するべきだ。
上がり3ハロン | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 33% | 53% | 80% | 384% | 224% |
2位 | 29% | 43% | 57% | 507% | 182% |
3位 | 0% | 22% | 22% | 0% | 41% |
4~5位 | 10% | 14% | 24% | 30% | 89% |
6位~ | 1% | 3% | 6% | 2% | 8% |
1~2位 | 32% | 50% | 73% | 423% | 210% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[前走着順]前走3着以内に好走していた馬を中心に
過去10年の天皇賞(秋)において、3着以内に好走した30頭中20頭が、前走でも3着以内に好走している好調子な馬だった。また、勝ち馬に限れば10頭中8頭が同条件に該当している。
ちなみに、前走4着以下ながら優勝したのは、2017年キタサンブラック、2012年エイシンフラッシュの2頭だが、両者には「東京競馬場で開催されたG1で、すでに優勝歴がある」という共通点が確認できた。
基本的に調子の善し悪しが直結する印象なので、前走4着以下から巻き返しを狙うならば東京コースに充分な実績を持っている馬でないと厳しいだろう。
前走着順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
前走1着 | 8% | 18% | 28% | 120% | 63% |
前走2着 | 16% | 16% | 24% | 96% | 37% |
前走3着 | 5% | 10% | 15% | 55% | 33% |
前走4着 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
前走5着 | 0% | 22% | 44% | 0% | 197% |
前走6~9着 | 4% | 9% | 11% | 43% | 36% |
前走10着~ | 0% | 4% | 4% | 0% | 15% |
前走3着以内 | 9% | 15% | 24% | 97% | 48% |
前走4着以下 | 2% | 8% | 11% | 21% | 42% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[血統]すべての馬に勝機あり
過去10年の天皇賞(秋)において、優勝馬の血統を眺めてみると、毎年違う種牡馬が優勝していることに気づく。つまり、レースの展開や馬場の状態など、様々な状況に応じて好走するタイプが変わるようだ。
これといった血統面での偏りが見られないとなると、どの馬にもチャンスはあるはずだ。自身の血統的な強みを活かし、いかに自分の土俵に持ち込めるかが鍵になるだろう。
種牡馬 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 3% | 17% | 20% | 36% | 57% |
キングカメハメハ | 7% | 7% | 13% | 22% | 23% |
タニノギムレット | 25% | 25% | 50% | 67% | 60% |
King’sBest | 33% | 33% | 67% | 553% | 173% |
ジャングルポケット | 7% | 7% | 7% | 237% | 60% |
スペシャルウィーク | 33% | 33% | 33% | 73% | 36% |
ミラクルアドマイヤ | 50% | 50% | 50% | 575% | 125% |
ハーツクライ | 20% | 20% | 20% | 310% | 48% |
ブラックタイド | 100% | 100% | 100% | 310% | 160% |
スクリーンヒーロー | 100% | 100% | 100% | 360% | 150% |
ステイゴールド | 0% | 13% | 25% | 0% | 92% |
グラスワンダー | 0% | 14% | 29% | 0% | 121% |
ゼンノロブロイ | 0% | 25% | 50% | 0% | 147% |
アグネスタキオン | 0% | 25% | 50% | 0% | 70% |
ダンスインザダーク | 0% | 14% | 14% | 0% | 37% |
Marju | 0% | 33% | 33% | 0% | 56% |
フジキセキ | 0% | 0% | 67% | 0% | 143% |
マンハッタンカフェ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
バゴ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
Giant’sCauseway | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※天皇賞(秋) 2008年以降の集計結果
[まとめ]馬券の組み方次第で配当妙味あり
ここまでのデータを整理してみよう。
人気:1番人気の信頼度は高い
年齢:4~5歳馬を狙うのが基本
レース間隔:毎日王冠、京都大賞典、札幌記念、宝塚記念から臨む馬
馬体重:440~519㎏の範囲がベター
脚質:上がり3ハロン上位を狙える馬
前走着順:前走3着以内、4着以下ならば東京G1優勝歴
血統:偏りなし
これらのデータを用いれば、天皇賞(秋)で評価するべき馬が見えてくるだろう。
1番人気の好走率が非常に高いものの、過去10年で3連単10万円以上の配当を3度も記録しているように、配当妙味に思いのほか期待できるレースだ。上位人気馬を信頼しつつも、高配当を演出しそうな伏兵のケアも怠らないようにしよう。