- 【勝ち組ノート】2024年4月2週目 - 2024年4月15日
- 【勝ち組ノート】2024年4月1週目 - 2024年4月8日
- 【勝ち組ノート】2024年3月4週目 - 2024年3月25日
- 【勝ち組ノート】2024年3月3週目 - 2024年3月18日
- 【勝ち組ノート】2024年2月2週目 - 2024年2月12日
昨年、マイルチャンピオンシップ(京都芝1600m外・G1)の覇者となったペルシアンナイトだが、3歳馬による優勝は2000年のアグネスデジタル以来、実に17年ぶりの快挙だった。
前年と同様に富士ステークスで秋初戦を迎えるが、今年は芝1600mの王者として受けて立つ立場。59㎏という、決して楽ではない斤量を背負うこともG1馬の宿命だろう。
あくまでも本番となる次走を見据えての参戦だろうが、ここでも馬券的には狙い目となるのか?否か?あらゆる角度からペルシアンナイトを分析してみよう。
目次
[騎手]M.デムーロ騎手が苦戦する舞台
今回は3戦ぶりにM.デムーロ騎手に手綱が戻り、G1を制したコンビ復活となる。安田記念(東京芝1600m・G1)と大阪杯(阪神芝2000m内・G1)では、M.デムーロ騎手にスワーヴリチャードというお手馬がいたため、止むを得ずの乗り替わりだったのだろう。実際、2戦ともスワーヴリチャードはペルシアンナイトに先着しているのだから致し方ない。
東京芝1600mにおけるM.デムーロ騎手の成績は、勝率19%、連対率30%、複勝率45%と、ハイアベレージではあるものの、当騎手の全成績から比較すると幾分物足りない内容となっている。
参考までに、東京芝1600mで行われる重賞の全騎乗成績を出してみると【1-1-5-17】で、驚いたことに24鞍騎乗して1勝しかできていないのだ。ちなみに、その1勝は2017年にブラックスピネルで制した東京新聞杯(東京芝1600m・G3)だ。これはM.デムーロ騎手の重賞実績から考えると、東京芝1600mは苦手にしているコースと言っても過言ではないだろう。
騎手 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
C.ルメール | 28% | 46% | 59% | 103% | 95% |
戸崎圭太 | 17% | 31% | 39% | 86% | 80% |
内田博幸 | 8% | 17% | 24% | 73% | 63% |
M.デムーロ | 19% | 30% | 45% | 126% | 90% |
横山典弘 | 11% | 16% | 25% | 58% | 51% |
田辺裕信 | 7% | 15% | 30% | 103% | 100% |
三浦皇成 | 12% | 20% | 25% | 117% | 76% |
柴山雄一 | 12% | 19% | 24% | 71% | 68% |
北村宏司 | 7% | 14% | 17% | 28% | 38% |
大野拓弥 | 7% | 13% | 19% | 69% | 88% |
蛯名正義 | 8% | 16% | 28% | 61% | 93% |
福永祐一 | 12% | 25% | 29% | 71% | 70% |
石橋脩 | 9% | 16% | 22% | 57% | 71% |
柴田善臣 | 7% | 13% | 18% | 32% | 47% |
武豊 | 13% | 22% | 30% | 67% | 61% |
※東京芝1600m 2015年以降の集計結果
[厩舎]好走率高い池江泰寿厩舎
東京芝1600mにおける池江泰寿厩舎の成績は、勝率14%、連対率31%、複勝率45%と、実績のある厩舎らしく高いレベルで安定感を示している。連対率と複勝率においては、富士ステークスに出走を予定している調教師の中で最も高い数値だ。
昨年は同舞台の安田記念をサトノアラジンで制している池江泰寿厩舎だが、あえて不安点を挙げるとすれば、今年は例年と比べると些か成績が芳しくないことだろうか。それでも他厩舎と比べれば十分すぎるほどの成績なので、一流調教師であるがゆえの贅沢な悩みなのかもしれない。
調教師 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
(美)手塚貴久 | 10% | 22% | 26% | 35% | 60% |
(栗)藤原英昭 | 17% | 27% | 33% | 131% | 90% |
(美)斎藤誠 | 6% | 16% | 25% | 33% | 59% |
(栗)池江泰寿 | 14% | 31% | 45% | 70% | 77% |
(栗)須貝尚介 | 13% | 22% | 26% | 176% | 80% |
(栗)西園正都 | 15% | 20% | 35% | 372% | 128% |
(栗)音無秀孝 | 20% | 27% | 33% | 92% | 62% |
(美)堀井雅広 | 4% | 8% | 17% | 37% | 175% |
(美)畠山吉宏 | 4% | 6% | 14% | 47% | 69% |
(栗)藤岡健一 | 14% | 21% | 29% | 60% | 81% |
(栗)荒川義之 | 11% | 22% | 22% | 920% | 355% |
(美)清水英克 | 3% | 5% | 5% | 131% | 33% |
(栗)高野友和 | 9% | 9% | 36% | 52% | 150% |
(栗)笹田和秀 | 20% | 20% | 40% | 78% | 56% |
※東京芝1600m 2015年以降の集計結果
[血統]ハービンジャー産駒の牡馬は東京競馬場が苦手
東京芝1600mにおけるハービンジャー産駒の成績は、勝率9%、連対率15%、複勝率28%なので、当産駒の全成績から考えると可もなく不可もなくといった感じか。
ただし、重賞レースに限定すれば距離不足もあり、どうしても切れ負けしてしまう印象だ。やはりハービンジャー産駒となると本質的には1800~2000mくらいが狙い目で、1600mならば時計が掛かったり、なにかしらの馬場的なアシストがないと分が悪いだろう。
ちなみに、ハービンジャー産駒の牡・セン馬は、距離問わず東京芝重賞の成績が【0-0-0-20】と、未だに3着以内に好走した例がない。1600mに限らず、根本的に東京競馬場というコース自体が合っていないのかもしれない。
種牡馬 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 15% | 29% | 41% | 61% | 97% |
ハーツクライ | 11% | 19% | 25% | 61% | 67% |
キングカメハメハ | 9% | 17% | 25% | 45% | 64% |
ステイゴールド | 8% | 14% | 26% | 75% | 84% |
ハービンジャー | 9% | 15% | 28% | 30% | 52% |
アドマイヤムーン | 6% | 15% | 23% | 35% | 59% |
メイショウサムソン | 6% | 17% | 19% | 233% | 102% |
ローエングリン | 5% | 23% | 31% | 118% | 96% |
スクリーンヒーロー | 4% | 10% | 12% | 9% | 19% |
スニッツェル | 25% | 25% | 25% | 123% | 43% |
Kitten’sJoy | 40% | 40% | 40% | 114% | 52% |
ゴスホークケン | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※東京芝1600m 2015年以降の集計結果
[脚質]信頼できない
過去10年の富士ステークスにおいて、上がり3ハロン2位以内の脚を使えていた馬が、勝率17%、連対率30%、複勝率48%と、安定感のある成績を残しているので、馬券の軸に据えるならば速い上がりが使えそうな馬を選ぶべきだろう。
ペルシアンナイトは後方からレースを進めるタイプなので、速い上がりが使えるかどうかが焦点になってくるが、東京競馬場の重賞レースでは3戦していずれも上がり3ハロン6位以下。過去の成績から信頼を置くのは難しいかもしれない。
また、今回は別定戦で59㎏を背負うことになるので、末脚勝負になった際は大きなディスアドバンテージとなるだろう。
上がり3ハロンタイム | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 14% | 21% | 50% | 100% | 420% |
2位 | 22% | 44% | 44% | 124% | 87% |
3位 | 9% | 27% | 27% | 35% | 69% |
4~5位 | 10% | 24% | 29% | 63% | 110% |
6位~ | 3% | 5% | 9% | 26% | 70% |
1~2位 | 17% | 30% | 48% | 109% | 290% |
※富士ステークス2008年以降の集計結果
[前走距離]マイラーが集うのは必然
過去10年の富士ステークスにおいて、3着以内に好走した30頭中、17頭が前走も今回と同じ芝1600mのレースに出走していた。また、前走1600m組から連対馬が出なかったのは2015年のみで、マイルチャンピオンシップの前哨戦とあらば、1600mを中心に使われている馬が好走するのは自然な流れだろう。
前走安田記念に出走していた馬の成績は【1-3-0-8】で、格上のレースに出走していたことを考えると思いのほか取りこぼしている印象だ。実績馬については、他馬より斤量を背負う影響がないわけではないが、基本的にはマイルチャンピオンシップに向けての叩き台と見做すべきだろう。
前走距離 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
距離延長 | 0% | 0% | 20% | 0% | 355% |
同じ距離 | 6% | 13% | 17% | 46% | 87% |
距離短縮 | 8% | 14% | 22% | 48% | 98% |
※富士ステークス2008年以降の集計結果
[馬体重]馬体重による影響はなし
過去10年の富士ステークスにおいて、馬体重による成績の差異は見受けられないので、とりわけ気にする必要はないだろう。
ペルシアンナイトは前走490㎏だったので、480~500㎏という範囲で成績を調べてみると、勝率3%、複勝率22%となり、勝率は悪いものの複勝率は少し高いというデータになっている。
ちなみに、サイレントプライド(2008年 1着)が488㎏、エイシンアポロン(2011年 1着)が500㎏という馬体重で優勝しているように、勝率が悪くとも優勝例がないわけではないので心配ない。
馬体重 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
420~439kg | 50% | 50% | 50% | 120% | 75% |
440~459kg | 0% | 7% | 7% | 0% | 24% |
460~479kg | 12% | 14% | 19% | 97% | 126% |
480~499kg | 2% | 11% | 20% | 20% | 95% |
500~519kg | 7% | 7% | 13% | 29% | 127% |
520~539kg | 6% | 25% | 31% | 35% | 136% |
540~ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
480~500㎏ | 3% | 12% | 22% | 25% | 110% |
※富士ステークス2008年以降の集計結果
[人気]人気薄の時が狙い目?
過去10年の富士ステークスにおいて、優勝馬10頭中9頭が5番人気以内の支持を集めていた馬だった。二桁人気馬の激走も多いレースではあるが、勝ち馬に限れば極端な波乱傾向には無いようだ。
ペルシアンナイトの成績を振り返ると、古馬混合重賞で連対を果たしたマイルチャンピオンシップと大阪杯は、いずれも4番人気以下での好走だった。逆に、2番人気以内に支持されていた富士ステークス、中山記念(中山芝1800m内・G2)、安田記念では、すべて5着以下に敗れており、上位人気に支持されていた時ほど結果が伴っていない。今回も人気に支持されるようならば少し疑ってかかりたい。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 30% | 40% | 40% | 104% | 63% |
2番人気 | 20% | 20% | 30% | 112% | 64% |
3番人気 | 10% | 20% | 30% | 56% | 80% |
4番人気 | 20% | 40% | 40% | 212% | 116% |
5番人気 | 10% | 20% | 40% | 110% | 143% |
6番人気 | 10% | 20% | 20% | 112% | 81% |
7番人気 | 0% | 0% | 10% | 0% | 40% |
8番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
9番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 75% |
10番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
11番人気 | 0% | 10% | 20% | 0% | 172% |
12番人気 | 0% | 11% | 11% | 0% | 84% |
13番人気 | 0% | 0% | 11% | 0% | 176% |
14番人気 | 0% | 11% | 33% | 0% | 470% |
15番人気 | 0% | 0% | 11% | 0% | 254% |
16番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
17番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
18番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※富士ステークス2008年以降の集計結果
[まとめ]あくまでも狙いは次走
ここまでのデータを振り返ってみると、今回に限れば静観が妥当ではないだろうか。
騎手、種牡馬ともに苦手としている舞台ということに加えて、休み明けで59㎏を背負っての出走となると、マイルチャンピオンシップに向けての叩き台と捉えるのがベターだろう。
展開を考えても、前哨戦らしい緩いペースになりやすいので、後方脚質の馬が勝ち切るのは至難の業。また、ペルシアンナイトは馬の間に入ることを躊躇い、馬群を割ることができないタイプなので、大外を回して間に合ったとしても、2着、3着あたりが妥当ではないだろうか。