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10月14日(日)に京都競馬場では、第23回・秋華賞(G1)が行われた。
ルメール騎手騎乗のアーモンドアイが、1.3倍の圧倒的支持に応えて三冠牝馬に輝くと、2着には5番人気のミッキーチャーム、3着には3番人気のカンタービレが入った。また、2番人気のラッキーライラックは見せ場なく9着に敗れている。
ひと夏を越えてもアーモンドアイの強さに変わりはなかった。ただし、2着以下は春とは様子が違う。2着にミッキーチャーム、4着にはサラキアと、春の二冠レースに出走していない馬が台頭してきているのだ。
ここからは上位入線馬を中心に、その走りを振り返りつつ、次走の狙いについても触れていきたい。
秋華賞2018の各馬の勝因・敗因・次走展望
1着:アーモンドアイ
未勝利戦を制した後、シンザン記念で牡馬を撃破すると、ぶっつけで挑んだ桜花賞ではラッキーライラックを破って1冠目を制覇。続くオークスでは2400mという距離も物ともせず、楽に2冠を達成した。
今回はその時以来の実戦で、陣営はトライアルをスキップして秋華賞へ駒を進めることを選択。最終的には1.3倍という圧倒的な支持を集めたものの、人馬ともに動じることなく見事に優勝した。この勝利で、歴代5頭目の三冠に輝いている。
当日の馬体重はプラス14キロで480キロ。過去最高体重だった。次走のジャパンカップを大目標としている噂も流れており、そこへ向けた余裕の残る仕上げだったのだろうか。ステップレースを経由しないローテーションが嫌われたのか、これだけのパフォーマンスを見せてきた馬としては、1.3倍のオッズは妙味があったのではないかと感じる。
ミッキーチャームが強気の競馬で先行し、後続が捕えられないなか、アーモンドアイだけが馬群から抜け出してきた。その走りは、まるでディープインパクトを見ているかのようだった。あの時と似た衝撃がアーモンドアイにはあったといって過言ではない。
今回の上がり3ハロンタイムは33秒6だった。これで6戦すべてのレースで上がり最速を記録し続けている。展開も問わない、位置取りも問わない、ローテーションも問わない、遠征にも動じない。この馬が負ける姿が想像つかない。過去にはジェンティルドンナといった三冠を獲った牝馬もいたが、秋華賞では辛勝だった。アーモンドアイはここでも圧勝。余裕残して圧巻のパフォーマンスである。
次走は予定通りであればジャパンカップということになるが、今の様子であれば、古馬勢も相手にしないのではないだろうか。牝馬限定戦への出走は、もう反則というほど力差がついてしまった。この快進撃はどこまで続くのか? 無事に、かつ大胆に、今後の競争生活を全うしていって欲しい。
2着:ミッキーチャーム
前走は夏の札幌で古馬1000万クラスを相手に逃げて完勝していたミッキーチャーム。中内田厩舎2頭出しの1頭で、主戦の川田騎手をオールフォーラヴから、こちらにスイッチさせた。そういった陣営の気配面も垣間見えたのか、クラシック未出走馬ながら、5番人気と高評価を受けていた。
レースは一番のスタートを切ると、躊躇せずハナを主張。前々走ではスローペース。前走はハイペース。今回はその間くらいのペースで刻み、アーモンドアイに最も迫る2着と好走してみせた。
生まれた年が悪かったとしか言いようがない。例年の秋華賞であれば、完勝レベルだろう。川田騎手も完璧に等しい騎乗だったと評価したい。中内田厩舎の判断も流石である。川田騎手への乗り替わりは今後も警戒していこう。
未勝利から3連勝で秋華賞まで駒を進めたミッキーチャームは、ペース問わずに粘り強さを見せられるタイプ。警戒すべき馬によって、変幻自在にペースを作れるようである。今後も相手問わずに注目したい馬だ。極端な話、アーモンドアイがいないレースであれば主役候補である。人気を集めても、結果を出せるタイプだけに、安定感がありそう。ここまでも7戦して5人の騎手が騎乗してきた。大化けの可能性すら感じる。
3着:カンタービレ
前走のローズステークスを快勝し、今回は3番人気に支持されていたカンタービレ。ルメール騎手から武豊騎手への乗り替わりだったが、鞍上も上手く能力を引き出した印象だ。
オークスこそ崩れてしまったが、それ以外に関しては全て馬券圏内を確保する優等生ぶり。2着のミッキーチャームとともに、三嶋牧場産馬として、一矢報いた形だ。
まだはっきりしたことはわからないが、負けた東京を除けば全て右回りの競馬場だった。これは偶然なのだろうか? 東京や新潟、中京で思いがけず脆さを見せる可能性はゼロではない。右回りで1800~2000mの範囲内であれば、これからも好走する可能性は高いだろう。牝馬限定戦であれば、古馬に混じっても上位争いが出来るタイプとの評価で良さそうである。
4着:サラキア
ローズステークスで2着と好走し、今回は4番人気に支持されていたサラキア。モレイラ騎手への乗り替わりかと思いきや、騎乗停止の影響を受けて、改めて池添騎手での出走になったが、このメンバー相手に好走したと言っていいだろう。
馬群を捌くロスがなかったわけではない。勝ちのある4着だったと言っていい。先行馬や逃げ馬で結果を出すことの多いモレイラ騎手よりも。池添騎手に戻ったことはプラスだったのではないだろうか。
サラキアのこれまでを振り返ってみると、末脚の切れるタイプという印象が強いが、33秒台を求められると厳しそうである。1700~1800mで馬券内に入っていたことを考えると、1800mや2200mといった非根幹距離が良いタイプかもしれない。血統のタイプこそ違うものの、モズカッチャンと重なる部分がある。
次走の予定はわからないが、エリザベス女王杯へ駒を進めるようなら狙ってみたい馬と言えそうだ。もちろんアーモンドアイが不在ということを前提条件として。
9着:ラッキーライラック
昨年2歳女王で、今年のチューリップ賞勝ち馬のラッキーライラック。桜花賞でアーモンドアイの2着に敗れると、そこから連敗が止まらない。ついに今回は馬券圏内も外す結果となってしまった。
秋華賞に向けて、良い調整が出来ていたのだろうか? ローズステークスを回避して、じっくり調整をしたように感じるが、決してそうではなかったのだろう。桜花賞ではアーモンドアイを上回る人気を集めていたのにも関わらず、それ以外の馬にも敗れてしまった。馬体重も18キロ増の510キロ。これはデビュー以降最高体重である。調整は困難を極めたのかもしれない。
おまけに今回は主戦の石橋騎手が落馬負傷で乗り替わりだった。決して難しいことを問われる馬ではないにしても、負けすぎという印象は否めない。ここから巻き返せるのか、次走以降については、馬体重が絞れてくるようであれば注目していいだろう。改めてレース間隔が空くようであれば、この馬の成長を疑ってもいいのかもしれない。
まとめ
今年の秋華賞は、とにかくアーモンドアイの独壇場だった。そのなかでも力を示した馬も出てきている。ひと夏を越え、勢力図も変わってきているのだろう。
今回の上位好走馬については、アーモンドアイ不在を条件に、今後も狙っていい馬たちばかり。ここでは取り上げなかったが、ラテュロスについて、次走は1000万条件に出走出来る立場だ。次走も注目していい馬だろう。
春は目立たなかったミッキーチャームのような馬が台頭しつつある季節。ラッキーライラックのように下降線をたどる馬も出てきている。ここでのまとめとしては、秋華賞上位馬は素直に次走も信頼ということとしておこう。