レース見解

毎日王冠2018キセキは約1年ぶりの復活を果たせるのか

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

昨年の菊花賞を制したキセキは、秋の初戦に毎日王冠選択した。古馬になってからは、人気を裏切り続ける結果となっており、復活が期待されている馬と言っていいだろう。

今回も敗れてしまうのか? 約1年ぶりの復活を果たせるのか? ここからはキセキについてあらゆる角度から分析していこう。

[騎手]昨年勝利のデムーロ騎手

東京芝1800mにおけるデムーロ騎手は、勝率27%で、複勝率は51%と安定感を誇示している。リーディング上位騎手のなかでは、戸崎騎手やルメール騎手を差し置いて、トップの成績だ。

2015年にはアンビシャスに騎乗し、2番人気で6着と敗れたが、昨年はリアルスティールとのコンビで毎日王冠を制しており、レースに対する印象も良い方へ変化していることだろう。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
戸崎圭太 22% 36% 49% 87% 94%
ルメール 23% 41% 59% 96% 94%
北村宏司 12% 19% 24% 120% 58%
M.デム 27% 45% 51% 126% 90%
横山典弘 16% 25% 33% 62% 68%
蛯名正義 10% 20% 34% 82% 81%
大野拓弥 9% 16% 18% 96% 61%
田辺裕信 6% 19% 26% 68% 74%
石橋脩 8% 14% 21% 66% 49%
柴田大知 4% 10% 21% 90% 71%
内田博幸 4% 9% 18% 28% 55%
柴田善臣 8% 18% 25% 28% 68%
武豊 18% 24% 35% 110% 111%
福永祐一 9% 22% 33% 23% 53%
石川裕紀 6% 9% 18% 36% 65%
松岡正海 5% 7% 10% 117% 47%
柴山雄一 5% 14% 17% 78% 79%
ムーア 20% 40% 45% 90% 74%
吉田豊 5% 7% 13% 111% 66%
岩田康誠 8% 13% 15% 39% 27%
津村明秀 4% 11% 18% 44% 96%
武士沢友 3% 9% 14% 16% 36%
ボウマン 29% 86% 100% 167% 221%
木幡巧也 7% 11% 18% 32% 50%
池添謙一 14% 21% 29% 252% 105%

※東京芝1800m 2015年以降の集計結果

[厩舎]角居厩舎としてカウントすれば…

東京芝1800mにおける中竹厩舎は、勝率0%で、集計期間中の勝利はなかった。しかし、キセキは元々角居厩舎の馬で、現在は一時的に転厩しているだけである。角居厩舎の場合はこのコースで、勝率17%と上位の成績を残しており、こちらを基準に判断すると良さそうだ。

先日のローズステークスでは、現中竹厩舎で旧角居厩舎のカンタービレが勝利しており、むしろ今の成績は良い状態にある。

過去10年の毎日王冠では、2014年にエアソミュールが勝利。2008~2009年にかけてはウオッカが連続して2着に好走している。また、そのほとんどが人気通りかそれ以上の走りをできており、キセキも上位争いに加わる1頭と言えるのではないだろうか。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(美)国枝栄 20% 30% 37% 157% 87%
(美)堀宣行 16% 30% 37% 64% 60%
(美)鹿戸雄一 15% 23% 33% 113% 79%
(美)尾関知人 22% 33% 41% 163% 109%
(美)斎藤誠 19% 26% 37% 242% 108%
(美)藤沢和雄 9% 17% 28% 36% 62%
(美)古賀慎明 13% 24% 28% 76% 63%
(美)木村哲也 17% 25% 31% 51% 50%
(美)戸田博文 7% 18% 26% 20% 45%
(栗)矢作芳人 12% 22% 29% 109% 91%
(美)奥村武 16% 25% 34% 75% 75%
(美)勢司和浩 12% 17% 29% 169% 139%
(美)加藤征弘 14% 17% 23% 58% 42%
(美)手塚貴久 9% 19% 23% 60% 74%
(美)大竹正博 13% 27% 33% 69% 81%
(栗)角居勝彦 17% 29% 33% 102% 63%
(美)田村康仁 10% 15% 33% 31% 97%
(美)久保田貴 17% 21% 29% 68% 59%
(美)菊沢隆徳 15% 19% 23% 96% 69%
(美)萩原清 10% 21% 35% 49% 76%
(美)二ノ宮敬 8% 15% 21% 83% 124%
(美)矢野英一 13% 25% 25% 87% 83%
(美)中川公成 11% 18% 25% 41% 105%
(美)上原博之 7% 7% 9% 34% 19%
(美)水野貴広 5% 14% 26% 11% 41%
(栗)池江泰寿 10% 24% 43% 39% 72%
(美)畠山吉宏 6% 11% 19% 73% 43%
(美)栗田徹 8% 17% 21% 54% 106%
(美)和田正道 8% 17% 17% 90% 51%
(栗)藤原英昭 11% 16% 37% 52% 60%

※東京芝1800m 2015年以降の集計結果

[血統]ルーラーシップ産駒適性あり

東京芝1800mにおけるルーラーシップ産駒は勝率15%で、その父であるキングカメハメハ産駒の成績に迫る勢いがある。回収率や、連対率、複勝率ではすでに上回る成績を残せており、キンカメ超えは時間の問題だろう。

ディープインパクト産駒やステイゴールド産駒、ハービンジャー産駒といった大種牡馬を凌駕する成績を、ルーラーシップ産駒は残している。この舞台への適性が高いと言っていいのではないだろうか。

過去10年の毎日王冠にルーラーシップ産駒の出走はなかった。これだけのコース適性を見せている同産駒なら、ここでも好走できそうである。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ディープインパクト 11% 21% 33% 62% 83%
キングカメハメハ 16% 24% 37% 105% 108%
ステイゴールド 8% 16% 24% 93% 60%
ハーツクライ 9% 17% 25% 53% 55%
ハービンジャー 10% 17% 24% 44% 54%
マンハッタンカフェ 13% 20% 24% 75% 67%
ヴィクトワールピサ 18% 23% 31% 388% 149%
ダイワメジャー 9% 19% 21% 46% 41%
ルーラーシップ 15% 28% 45% 217% 144%
ゼンノロブロイ 10% 15% 24% 68% 50%
ネオユニヴァース 8% 13% 19% 74% 74%
ローエングリン 12% 20% 24% 56% 96%
ジャングルポケット 6% 15% 20% 28% 40%
メイショウサムソン 7% 21% 23% 92% 91%
ダノンシャンティ 11% 29% 36% 279% 185%
ブライアンズタイム 25% 25% 33% 337% 100%
シンボリクリスエス 3% 10% 18% 18% 77%
ディープブリランテ 9% 22% 26% 37% 106%
アドマイヤムーン 7% 13% 23% 21% 59%
コンデュイット 5% 10% 12% 37% 29%
ブラックタイド 5% 7% 10% 23% 46%
エイシンフラッシュ 9% 14% 18% 307% 193%
Frankel 50% 50% 75% 327% 97%
エンパイアメーカー 10% 10% 10% 102% 19%
サムライハート 3% 16% 23% 28% 101%
ゴールドアリュール 5% 21% 37% 8% 60%
シングンオペラ 8% 31% 46% 56% 136%
デュランダル 6% 22% 33% 98% 155%
バトルプラン 11% 44% 44% 35% 142%
ナカヤマフェスタ 6% 18% 35% 31% 157%

※東京芝1800m 2015年以降の集計結果

[脚質]微妙なズレを修正できるか

過去10年の毎日王冠における勝ち馬のうち、7頭が上がり3ハロンタイム3位以内の末脚を披露していた馬だった。また、前走においては上がり3ハロンタイムが5位以下だった馬が7勝しているように、今回と問われる適性が、前走と異なることが多い。

キセキの前走は宝塚記念で、上がり3ハロンタイムは3位と末脚を披露。今回と同じ非根幹距離で、こういったレースが出来ているのはプラスと評価したい。

ただ、これまでのキセキの戦歴を見てみると、力を発揮できているのは2000mが多く、いわゆる根幹距離のレースが目立つ。この微妙なズレが、毎日王冠では大きく影響を及ぼす。非根幹距離仕様に仕上がるかどうかがカギとなりそうだ。

上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1位 23% 46% 54% 131% 183%
2位 0% 10% 60% 0% 400%
3位 31% 31% 31% 365% 104%
4~5位 6% 18% 24% 34% 68%
6位~ 3% 8% 12% 11% 35%
4~18位 3% 10% 14% 15% 41%
前走1位 6% 24% 29% 19% 62%
前走2位 0% 0% 14% 0% 174%
前走3位 9% 9% 9% 18% 10%
前走4~5位 5% 16% 26% 68% 90%
前走6位~ 10% 18% 25% 83% 93%
前走1~4位 4% 12% 22% 10% 81%

※毎日王冠 2008年以降の集計結果

[馬体重]適性体重内で条件クリア

毎日王冠において、3着内に入った30頭中、全頭が452~532キロの範囲内におさまる馬体重だった。このレースでは馬体重による評価の増減は必要ない。

キセキの前走は494キロで、大きな増減があったとしても、適性範囲内でおさまってくる可能性が高い。馬体重データは問題にならないだろう。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
420~439kg 0% 0% 0% 0% 0%
440~459kg 8% 8% 17% 27% 117%
460~479kg 16% 21% 32% 136% 66%
480~499kg 5% 14% 21% 48% 78%
500~519kg 9% 18% 27% 38% 107%
520~539kg 6% 18% 24% 92% 115%

※毎日王冠 2008年以降の集計結果

[人気]人気は関係ないタイプだが…

過去10年の毎日王冠において、5番人気以内の上位人気馬が馬券に絡まなかったことは1度でそれ以外の年では、必ず1~5番人気の馬が馬券に絡んでいる。上位人気馬を中心に馬券を組み立てるべきレースだ。

キセキに関しては、これまでのレースほとんどで1番人気もしくは2番人気で出走しており、1度だけ人気薄で出走したことがあった。その際は7番人気で3着に好走しており、人気の有無は関係ないタイプと言えるだろう。

また、毎日王冠は、上位人気が堅実に走っているものの、2~5番人気はさほど率に差が出ていない。1番人気以外はフラットに扱うと良さそうだ。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 40% 60% 60% 137% 91%
2番人気 10% 20% 20% 107% 44%
3番人気 10% 20% 20% 58% 38%
4番人気 20% 30% 40% 197% 90%
5番人気 0% 10% 40% 0% 103%
6番人気 10% 20% 20% 158% 74%
7番人気 0% 0% 10% 0% 32%
8番人気 10% 20% 20% 131% 87%
9番人気 0% 0% 20% 0% 111%
10番人気 0% 0% 20% 0% 160%
11番人気 0% 11% 22% 0% 228%
12番人気 0% 17% 17% 0% 195%
13番人気 0% 0% 0% 0% 0%
14番人気 0% 0% 0% 0% 0%
15番人気 0% 0% 0% 0% 0%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%

※毎日王冠 2008年以降の集計結果

[まとめ]状態次第で復活の可能性高い

ここまでのデータを振り返ってみると、プラス要素が多く揃った印象が強い。昨年の菊花賞では、泥だらけの不良馬場を走ったことで、大きく疲弊していしまったのだろうか。その菊花賞以降、馬券に絡むことが出来ておらず、復活を期待しているファンも多いことだろう。

それでも、今回も引き続きデムーロ騎手が騎乗予定で、好走条件は整ったと言ってもいい。データ面からは良い状態だけに、気になるのはキセキの体調面だ。これで好走できなければ、次走以降の評価を下げざるを得ない。勢いのある石川オーナーの運で、キセキに良い流れを呼び込みたいところだ。

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