レース見解

神戸新聞杯2018エタリオウが勝ち切るための条件とは

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

今年の青葉賞で2着に入り、ダービーでも4着に好走したエタリオウ。ダービーで見せた末脚は強烈で、差し切ってしまうかの勢いも感じるレースだった。それでも、そのレースぶりこそがエタリオウらしく、これまでも2着4回と、惜しい競馬が続いている。

今回はデムーロ騎手を陣営は確保し、必勝態勢を整えてきた。ダービーで先着を許した2頭を逆転する可能性はあるのだろうか。あらゆる角度からエタリオウを解析していく。

[騎手]奇跡の9連続連対中

阪神芝2400mにおけるデムーロ騎手は勝率29%で、勝利数ともにメンバー中トップである。ルメール騎手不在のレースなら断然の存在と判断していいだろう。

2017年4月にハギノアレスで未勝利戦を制してから、2018年6月の生田特別までの騎乗機会9連続連対中である。上位人気に騎乗することも多いが、4・5番人気でも勝利しているように、とてつもない成績を残しているコースなのだ。

過去10年で、デムーロ騎手が神戸新聞杯に騎乗したのは、意外にも昨年のキセキのみである。勝ったのはダービー馬のレイデオロだった。3年連続で勝利しているルメール騎手不在の今年は、神戸新聞杯を勝てるチャンスが巡ってきたと言えそうだ。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
M.デムーロ 29% 55% 58% 92% 84%
ルメール 38% 54% 63% 166% 104%
福永祐一 18% 38% 47% 163% 98%
幸英明 11% 23% 26% 108% 57%
川田将雅 9% 24% 33% 85% 80%
浜中俊 11% 26% 44% 92% 105%
松若風馬 13% 22% 30% 316% 160%
和田竜二 5% 19% 33% 23% 109%
四位洋文 11% 22% 39% 120% 188%
松山弘平 7% 15% 22% 97% 61%
武豊 10% 14% 43% 228% 137%
藤岡佑介 13% 20% 27% 388% 60%
岩田康誠 6% 11% 28% 13% 61%
小牧太 5% 9% 14% 38% 30%
松田大作 11% 22% 33% 211% 411%
国分恭介 10% 20% 30% 129% 122%
岩崎翼 9% 18% 18% 80% 30%
藤岡康太 6% 6% 13% 20% 16%
秋山真一郎 6% 6% 11% 53% 33%
戸崎圭太 17% 17% 33% 51% 153%
高倉稜 10% 10% 10% 31% 15%
三津谷隼 17% 17% 17% 1926% 270%
柴田大知 33% 33% 33% 170% 43%
森裕太朗 17% 17% 17% 908% 161%
坂井瑠星 20% 20% 20% 88% 32%
北村宏司 100% 100% 100% 260% 130%
柴田善臣 100% 100% 100% 3850% 670%
北村友一 0% 9% 14% 0% 69%
太宰啓介 0% 13% 20% 0% 193%
シュタルケ 0% 33% 50% 0% 91%

※阪神芝2400m 2015年以降の集計結果

[厩舎]ワグネリアンとの2頭出しで、どういった作戦を取るのか

阪神芝2400mにおける友道厩舎は勝率23%で、複勝率は60%を超える安定感示している。

今回のメンバーでは、このコースに出走させることが多い厩舎だ。春もアザレア賞をスーパーフェザーが勝利しており、ゆきやなぎ賞ではエタリオウ自身が2着に好走していた舞台でもある。

神戸新聞杯の過去10年を振り返ってみると、2011年フレールジャックが3着に入ったのが最高着順だった。2015年も、今年のように2頭出しを行ったが、どちらも二けた人気馬で、今年とは状況が違う。ワグネリアンとは、ともにノーザンファーム生産馬で、上位人気を争う立場。おまけにデムーロ騎手まで配して勝負気配は、むしろエタリオウから感じるくらいである。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(栗)友道康夫 23% 47% 63% 66% 95%
(栗)藤原英昭 22% 44% 56% 92% 113%
(栗)矢作芳人 14% 21% 21% 57% 29%
(栗)清水久詞 8% 17% 50% 97% 96%
(美)藤沢和雄 25% 50% 50% 55% 52%
(栗)松田国英 0% 25% 50% 0% 88%
(栗)須貝尚介 0% 18% 27% 0% 50%
(栗)渡辺薫彦 0% 0% 18% 0% 190%
(栗)浅見秀一 0% 0% 0% 0% 0%
(栗)高橋義忠 0% 0% 0% 0% 0%

※阪神芝2400m 2015年以降の集計結果

[血統]ステイゴールド産駒の連対率に注目

阪神芝2400mにおけるステイゴールド産駒は勝率8%で、上々の成績を残せている。エタリオウ自身が、今年のゆきやなぎ賞で好走しているが、3着のシュナイデンもステイゴールド産駒だった。直近の成績を見てみても、好走できているのは上位人気馬ばかりであり、人気相応に好走できると判断していいだろう。

過去の神戸新聞杯では、2011年のオルフェーヴル、2012年のゴールドシップが連覇しているように、相性が良い。勝った2頭はいずれも1番人気で出走しており、負けている馬たちは、そのほとんどが人気順と同様の着順に敗れていた。上位人気の予想されるエタリオウなら、ダービー連対馬の2頭に割って入れるかもしれない。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ディープインパクト 16% 25% 37% 130% 89%
キングカメハメハ 14% 28% 35% 84% 82%
ステイゴールド 8% 21% 27% 93% 59%
ハーツクライ 7% 20% 30% 16% 50%
マンハッタンカフェ 6% 12% 27% 43% 100%
ベーカバド 20% 20% 40% 192% 114%

※阪神芝2400m 2015年以降の集計結果

[脚質]安定感のある末脚が生きるか

神戸新聞杯における過去10年の勝ち馬10頭中9頭が上がり3ハロンタイム3位内の馬だった。エタリオウはデビュー以降すべてのレースで上がり3ハロンタイム5位以内の末脚を繰り出しており、特に前走のダービーではメンバー中2位の上がり3ハロンタイムで、あわや差し切るかという脚だった。

連対馬2頭は、どちらかというとエタリオウよりも前で競馬をするタイプ。展開の助けがあると差し切る可能性も秘めている。菊花賞に向けて、賞金が足りている立場であるが、無理なく勝てるなら、勝たせてしまうのだろうか。鞍上も、今回はデムーロ騎手に乗り替わる。デムーロ騎手自身、ダービーで騎乗したキタノコマンドールが屈腱炎で戦線を離脱しており、お手馬として手の内に入れたいはずだ。馬の脚質、レースで問われる脚質ともにマッチしていると評価したい。

上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
今回1~3位 28% 56% 75% 141% 188%
今回4~18位 1% 2% 5% 1% 10%
前走1~6位 9% 17% 25% 44% 55%
前走7~18位 2% 7% 11% 5% 35%

※神戸新聞杯 2008年以降の集計結果

[前走]ダービー上位組を逆転するためには

神戸新聞杯における過去10年の勝ち馬すべてが前走で1600万条件もしくは重賞に出走していた馬だった。特に、ダービーだった馬は、10頭中8頭が該当。やはり中心はダービー組と考えていいだろう。

また、ダービーで3~5着の掲示板確保組については、過去10年で7頭が神戸新聞杯に出走。馬券に絡んだ馬は、ダービーで上がり3ハロンタイムが1位か2位の馬だった。これに該当したのが、2012年のゴールドシップと、2008年のブラックシェルである。エタリオウはこの馬たちと同様の末脚をダービーで披露。同じステイゴールド産駒のゴールドシップのような走りができるようであれば、一気にダービー連対組の2頭を逆転する可能性も考えられる。

前走クラス 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
未勝利 0% 0% 0% 0% 0%
500万下 0% 0% 0% 0% 0%
1000万下 0% 7% 17% 0% 58%
1600万下 20% 20% 20% 160% 48%
OPEN特別 0% 0% 11% 0% 41%
G3 8% 17% 25% 200% 93%
G2 0% 0% 0% 0% 0%
G1 16% 28% 36% 30% 62%

※神戸新聞杯 2008年以降の集計結果

[馬体重]デビューから減り続けた馬体重が戻るようなら

神戸新聞杯において、過去10年の3着内馬30頭中28頭が460キロ以上の馬体重だった。勝ち馬に関しては、500キロ前後だった馬が多い。また、460キロ以上だった馬は10-10-8-93という成績で、連対するには必須データと言っていいだろう。

エタリオウの前走は454キロだったが、デビュー戦では472キロあったように、馬体重の管理には苦労していたのかもしれない。神戸新聞杯においては、このままの馬体重では走れない可能性を秘めている。当日の馬体重は必ずチェックして、460キロを超えているようなら逆転候補として買い目に加えたい。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
460キロ以上 8% 17% 23% 39% 56%
460キロ未満 0% 0% 7% 0% 14%

※神戸新聞杯 2008年以降の集計結果

[まとめ]Gリビエール・レーシングは東西トライアルをジャックできるか

ここまでのデータを振り返ってみて、気になるのは馬体重データくらいだろう。元々470キロ以上あったように、ひと夏を超えて戻っていれば問題ない。それ以外の項目についても、馬とレース傾向が合いそうな要素が多く揃った。

先週のセントライト記念は同馬主のジェネラーレウーノが勝利。ダービー大敗から巻き返しての勝利だっただけに、エタリオウもこれに続きたい。ワグネリアンやエポカドーロを負かせるならエタリオウと言っても過言ではないくらい、良いデータが揃った。

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