レース回顧

セントライト記念2018のレース回顧 

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

9月17日(月)に中山競馬場では、第72回・セントライト記念(G2)が行われた。

前走のダービーでは16着に敗れていたものの、今回は4番人気という支持を受けていたジェネラーレウーノが、道中2番手から直線で先頭に出ると、追い込むレイエンダを振り切って勝利した。2着には1番人気のレイエンダ、3着には追い込んだグレイルが入り、馬連は900円、3連単は3万3050円と、上位人気が堅実なレースとしては、好配当となった。

ここからはレース全体の流れ、各馬の走りについて振り返っていく。

セントライト記念のレース分析

揃ったスタートから、ジェネラーレウーノの行き脚よく先頭へ出ていく。しかしその外から一気にタニノフランケルが先頭を奪う形で1コーナーへ。3番手にケイティクレバー、4番手にブレステイキングが続いていく。

前半1000mは1分0秒9で、ここ5年では最も速いペース。それでも、タニノフランケルが飛ばしていたことによるもので、2番手以下は平均的なペースで進んでいた。レイエンダは馬群外目を走り、プレッシャーのない位置で道中を進んでいく。グレイルはそれを見るようにインで息を潜めていた。

残り800mあたりで、タニノフランケルが更にリードを広げると、各馬、ジョッキーの手が動き始める。このペースについていけなかったダブルフラットやケイティクレバーは、この段階で脱落。早めに仕掛けたギベオンも、既に手ごたえがなかった。いっぽうで2番手に付けていたジェネラーレウーノは、手ごたえよく直線へ向かっていく。

200mを切ったあたりで、タニノフランケルもいっぱいとなり、それを交わしてジェネラーレウーノが先頭に立つと、外から1頭だけレイエンダが必死に追ってきた。

それでもジェネラーレウーノはバテる気配がない。少しずつ差は詰まってきていたが、そのままジェネラーレウーノが1着でゴール。2着にレイエンダ、3着はインをうまく抜けてきたグレイルが滑り込んだ。

セントライト記念2018の各馬の勝因・敗因・次走展望

1着:ジェネラーレウーノ

今年の京成杯勝ち馬で、皐月賞では3着に好走していたジェネラーレウーノ。前走のダービーでは16着に敗れていたが、得意の中山で見事に巻き返して勝利を掴んだ。

今回もしっかりとスタートを決め、もはや定位置といってもいい、いつのも2番手でピタッと折り合うと、4コーナーから直線にかけても終始スムーズな競馬が出来ていた。直線ではレイエンダの猛烈な追い込みを凌ぎ、セーフティリードを保ったまま。まさに完勝だったと言える。

先行勢は、ジェネラーレウーノ以外は全滅してしまうような厳しい展開のなか、最後までバテることなく伸びており、こういった持続力勝負はとにかく強い。皐月賞では、もっと厳しい流れだったが、3着に粘れていた。

これで中山は3勝3着1回と、相性の良さはピカイチ。次走は菊花賞の行われる京都競馬場で、これまでと同じ走りが出来るのかが、勝負のカギとなりそうだ。

データ分析から振り返ってみても、レイエンダを逆転する可能性が一番高い馬だった。来年もジェネラーレウーノのような、好走条件を満たす馬が登場するようであれば、積極的に狙っていくといいだろう。

また、馬主であるGリビエール・レーシングは今週行われる神戸新聞杯にエタリオウがエントリーしている。勢いのある馬主だけに、今週末にも期待したい。2歳馬では1頭だけデビューしたカルリーノが函館2歳ステークスで3着に好走しているように、ジェネラーレウーノ以外の馬にも注目すると良さそうだ。

2着:レイエンダ

デビューから3連勝で、今回は単勝オッズ1.9倍と圧倒的な人気を集めての出走となったレイエンダ。最後の直線では鋭い脚を見せたものの、ジェネラーレウーノに届かず2着に敗れた。

レース内容を振り返ってみても、特にレース中に不利やコースロスもなく「完敗」という評価で仕方ないのではないだろうか。それでも、重賞勝ち馬のグレイルやオウケンムーンなどには先着できており、この世代では上位の実力を持っているという評価も出来るだろう。

データ分析記事においては、大崩れするところまで含む、危険な人気馬という判断だった。2着には好走できたものの、やはり上がり馬には厳しい展開になったと言える。来年以降もデータ分析は有効に作用しそうだ。

これで菊花賞への優先出走権を獲得したが、このまま菊花賞へ駒を進めるようであれば穴馬候補として挙がってきそうな馬である。まだキャリア4戦を終えたばかりで、今回は初の重賞挑戦だった。決して楽な展開でないなか、よく検討したと言っていいだろう。自己条件でも菊花賞でも、次走は軽視しないように取り扱いたい。

3着:グレイル

昨年の京都2歳ステークス勝ち馬で、共同通信杯では1.8倍の1番人気に支持されたこともあったグレイル。ダービーの後に軽度の骨折が判明したが、ひと夏で完治させ、巻き返してきた。

皐月賞でも上がり3ハロンタイム最速で6着に好走しており、振り返ってみると崩れているのは東京の2戦だけ。中山と京都では崩れていないだけでなく、末脚は一級品のものを持っている。次走の菊花賞では京都に変わり、距離もさらに伸びる。長距離が得意なハーツクライ産駒であれば、次走は更に条件が好転するはずだ。休養明けを叩かれた次走こそねらい目となるかもしれない。

4着:ブレステイキング

引き続きデムーロ騎手を配して出走となったブレステイキング。最後の最後にグレイルに交わされ4着に敗れた。春のプリンシパルステークスでも、権利にわずか及ばずの2着。秋初戦もわずかに1つ着順が足りず、G1への権利を逃した。

今回はギベオンからデムーロ騎手を降ろしての出走で、陣営も権利取りに向けて万全の準備をしてきたのだろう。グレイルにハナ差まで迫っていると考えれば、成長していると取ることもできるが、とにかく惜しかった。次走以降、まず自己条件は楽勝だろう。距離も1600m~2000mの範囲内で狙っていきたい。

13着:ギベオン

春の毎日杯ではブラストワンピースの2着、NHKマイルカップでは着差なしの2着と、世代トップクラスの実績を有するギベオン。3番人気での出走となったが、見せ場なく13着に敗れた。

データ分析記事でも触れたが、距離への不安が的中。デムーロ騎手からの乗り替わりで、藤原調教師は距離を試していたように感じる。長距離仕様で仕上げたとコメントもあったが、結果が出なかった。NHKマイルカップでも好走したように、マイル前後で見てみたい馬。むしろ1400mでもいいかもしれない。

次走以降は距離短縮で見直すといいだろう。条件が合えば実力は世代上位で揺るぎない。

まとめ

今年のセントライト記念は、タニノフランケルがハイペースで飛ばしたものの、全体はミドルペースあたりだろうか。直線で早めに先頭に立ち、押し切る競馬はキタサンブラックやナカヤマフェスタ、フェノーメノのレースぶりと重なる部分がある。血統面においてもスクリーンヒーロー産駒で地味なために、菊花賞でも人気にはならないだろう。キタサンブラックもセントライト記念を6番人気で勝ち、菊花賞は5番人気での勝利だった。それと似ている印象が強く、菊花賞でも注目馬としたい。

データ分析面では、ほぼ傾向通りの決着となった。今年のデータ分析は来年も有効だ。状人気に絞って馬券を組み立てたい。

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