レース見解

セントライト記念2018レイエンダはここも勝って王手をかける

2017年のダービー馬、レイデオロの全弟のレイエンダ。昨年夏のデビュー戦後、長期休養を余儀なくされたが、復帰後の2戦を連勝中。現在のところ。3戦無敗の状態だ。

春のクラシック路線には出走が間に合わなかったが、最後の1冠を目指してセントライト記念にエントリーしてきた。

ここも勝って菊花賞へ駒を進められるのだろうか? あらゆる角度からレイエンダを解析していきたい。

[騎手]乗り慣れないルメール騎手でも取りこぼす?

中山芝2200mにおけるルメール騎手は勝率8%で、集計期間中1勝のみとなっている。同じ舞台で行われた今年のアメリカジョッキークラブカップでは、レジェンドセラーに騎乗し、4番人気7着だった。昨年のセントライト記念でも1番人気のアルアインで2着に敗れている。

中山の芝2200mといえば特殊なコース形態で、乗りこなすのは難しいということなのだろう。ルメール騎手のコース別成績を見ても、勝率が10%を切る舞台はなかなか見当たらない。思いがけず取りこぼす可能性はゼロでないはずだ。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
内田博幸 16% 27% 32% 124% 89%
戸崎圭太 13% 36% 46% 47% 78%
田辺裕信 13% 26% 28% 81% 51%
北村宏司 19% 48% 52% 159% 126%
石橋脩 14% 21% 25% 81% 67%
蛯名正義 11% 15% 30% 68% 121%
柴田大知 5% 9% 25% 49% 80%
松岡正海 7% 13% 13% 39% 49%
津村明秀 13% 27% 27% 112% 87%
吉田豊 8% 12% 16% 28% 29%
ベリー 18% 27% 27% 100% 50%
福永祐一 67% 100% 100% 226% 163%
武豊 50% 50% 50% 175% 72%
横山典弘 6% 22% 39% 33% 102%
ルメール 8% 33% 50% 16% 93%
吉田隼人 5% 10% 25% 10% 81%
三浦皇成 4% 8% 15% 27% 35%
柴田善臣 4% 8% 15% 30% 28%
田中勝春 7% 7% 20% 38% 40%
M.デムーロ 17% 17% 50% 65% 86%
シュタルケ 25% 25% 75% 122% 185%
C.デムーロ 50% 50% 100% 90% 245%
浜中俊 50% 50% 50% 160% 75%
高倉稜 33% 33% 33% 60% 36%
藤懸貴志 50% 50% 50% 280% 90%
菊沢一樹 20% 20% 20% 142% 66%
木幡初也 20% 20% 20% 104% 40%
池添謙一 20% 20% 20% 152% 46%
村田一誠 25% 25% 25% 80% 30%
大野拓弥 0% 11% 19% 0% 58%

※中山芝2200m 2015年以降の集計結果

[厩舎]藤沢厩舎大苦戦

中山芝2200mにおける藤沢厩舎は、勝率13%で集計期間中1勝と、この厩舎にしては低い成績となっている。

また、藤沢厩舎はセントライト記念を苦手としており、過去10年で11頭が出走し、0-0-0-11と馬券圏内に入れていない。2014年のサトノフェラーリは3番人気で13着。2008年のクリスタルウイングは2番人気で14着と大きく敗れている。

また、馬券圏内だけでなく、掲示板を確保できた馬すらいなかった。藤沢厩舎における鬼門と言えるこの舞台で、レイエンダは輝くことができるのだろうか。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(美)堀宣行 17% 39% 39% 75% 57%
(美)国枝栄 13% 19% 44% 105% 98%
(美)藤沢和雄 13% 25% 25% 98% 52%
(栗)吉田直弘 50% 50% 50% 380% 115%
(栗)高野友和 100% 100% 100% 760% 230%
(栗)藤原英昭 0% 50% 50% 0% 85%
(美)高橋文雅 0% 0% 0% 0% 0%
(美)矢野英一 0% 0% 0% 0% 0%
(栗)河内洋 0% 0% 0% 0% 0%
(栗)須貝尚介 0% 0% 0% 0% 0%

※中山芝2200m 2015年以降の集計結果

[血統]キングカメハメハ産駒も苦手コース

中山芝2200mにおけるキングカメハメハ産駒は勝率3%と苦手にしているコースだ。1-2-1-32という成績で、クラス問わず馬券に絡めないことが多くなっている。

また、セントライト記念においては、2014年のトゥザワールドの2番人気2着が最高着順で、過去10年勝ち馬は出ていない。2011年にはベルシャザールも2番人気で4着に敗れた。

中山で出走歴のないレイエンダが、大きく崩れる可能性があるならば、このデータの影響といってもいいだろう。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ディープインパクト 13% 28% 33% 57% 49%
ハービンジャー 8% 17% 25% 48% 55%
ハーツクライ 6% 15% 30% 24% 96%
マンハッタンカフェ 15% 25% 30% 104% 63%
キングカメハメハ 3% 9% 13% 17% 21%
スクリーンヒーロー 11% 22% 22% 22% 104%
Frankel 0% 0% 100% 0% 130%

※中山芝2200m 2015年以降の集計結果

[脚質]速い上がり3ハロンタイムに対応可能

セントライト記念は上がり3ハロンタイムが上位だった馬の強いレースである。特に1位~4位内の競馬が出来た馬は、過去10年3着以内馬30頭中、19頭が該当していた。

レイエンダはデビュー戦以降、3戦すべてで上がり3ハロンタイム最速をマークしている。最後の600mを速く走る能力には長けていると考えていいだろう。広い東京だけでなく、札幌や函館といった小回りな競馬場でも同様のパフォーマンスを発揮できていた。これが中山に変わって、急にパフォーマンスを下げるとは考え難い。

上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1位 36% 36% 46% 324% 90%
2位 0% 21% 43% 0% 174%
3位 17% 33% 33% 190% 103%
1~4位 18% 31% 42% 148% 124%
5位以下 2% 5% 10% 12% 32%

※セントライト記念 2008年以降の集計結果

[前走]前走1000万条件組の取捨は

セントライト記念は前走でG1レースに出走していた馬が、過去10年で6勝しているレースである。

昨年こそミッキースワローが2番人気で勝利したが、それ以前は2008年のダイワワイルドボアまでさかのぼる必要があった。2009年には1000万特別を勝ってここに挑んだアドマイヤメジャーが1番人気で4着に敗れており、どちらかというと、人気薄の馬が好走するパターンの方が多かった。人気の集まりそうなレイエンダには厳しいデータとなりそうである。

前走クラス 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
未勝利 0% 0% 0% 0% 0%
500万下 2% 2% 7% 13% 31%
1000万下 5% 15% 18% 63% 81%
1600万下 0% 0% 0% 0% 0%
OPEN特別 0% 0% 0% 0% 0%
G3 4% 9% 22% 27% 44%
G2 0% 17% 33% 0% 71%
G1 19% 32% 42% 140% 106%

※セントライト記念 2008年以降の集計結果

[馬体重]470キロ以上なら問題なし

セントライト記念は馬体重が470キロ以上だった馬が強いレースである。過去10年の3着以内30頭中、22頭がこのデータに合致していた。

470キロに満たない馬は人気で敗れることが多く、2015年のサトノラーゼン(462キロ・1番人気・7着)や、2009年のアドマイヤメジャー(444キロ・1番人気・4着)に敗れている。

レイエンダの前走は486キロで、この条件はクリアできそうだ。馬体重データはプラスに作用するだろう。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
420~439kg 0% 9% 9% 0% 15%
440~459kg 5% 14% 14% 20% 32%
460~479kg 4% 10% 19% 5% 51%
480~499kg 4% 8% 17% 15% 73%
500~519kg 10% 15% 20% 141% 43%
520~539kg 33% 44% 44% 413% 138%
470キロ以上 8% 14% 20% 69% 69%
470キロ未満 2% 10% 15% 8% 32%

※セントライト記念 2008年以降の集計結果

[人気]ダービーを経由していない1番人気は?

セントライト記念における1番人気は、勝率30%で複勝率は60%。勝った3頭は、ダービーで1番人気だった馬か、ダービーで着差なしに好走していた馬だけだった。

ダービーを経由していない1番人気は、過去10年で2009年のアドマイヤメジャーのみが該当している。この馬も初勝利から500万、1000万と3連勝でセントライト記念に挑んだ馬だった。

過去にアドマイヤメジャーしかサンプルがないため、もちろん結果は違ってくる可能性はあるが、それでも注意したいデータと言えそうだ。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 30% 50% 60% 48% 75%
2番人気 20% 40% 50% 104% 78%
3番人気 10% 30% 50% 62% 93%
4番人気 10% 20% 30% 64% 79%
5番人気 0% 10% 20% 0% 62%
6番人気 20% 20% 30% 343% 113%
7番人気 0% 0% 10% 0% 60%
8番人気 0% 0% 0% 0% 0%
9番人気 10% 20% 20% 185% 128%
10番人気 0% 0% 20% 0% 133%
11番人気 0% 0% 0% 0% 0%
12番人気 0% 0% 0% 0% 0%
13番人気 0% 0% 0% 0% 0%
14番人気 0% 11% 11% 0% 126%
15番人気 0% 0% 0% 0% 0%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%
1~2人気 25% 45% 55% 76% 76%
1~3人気 20% 40% 53% 71% 82%
1~5人気 14% 30% 42% 55% 77%

※セントライト記念 2008年以降の集計結果

[まとめ]過剰人気必至 マイナスデータ揃う

ここまでのデータを振り返ると、マイナスデータが多く揃った印象だ。ルメール騎手と藤沢厩舎の黄金コンビであっても、さすがに厳しそうなデータばかりだ。

場合によっては馬券圏外に消えることすら想像できるデータの数々だけに、負けも想定した馬券の組み立てを考えたい。アタマ固定の馬券は危険な選択になるだろう。

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