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8月26日(日)に札幌競馬場では、第13回・キーンランドカップが行われた。1番人気に支持されたナックビーナスが、好スタートから逃げの手を打つと、直線に向いても脚色
衰えず、後続を完封。惜敗続きだったモレイラ騎手とともに、嬉しい初重賞制覇となった。2着には3歳馬ダノンスマッシュ(4番人気)が入り、内をスルスルと抜けてきたペイシャフェリシタ(9番人気)が3着となった。2番人気のレッツゴードンキは5着、3番人気のムーンクエイクは9着と結果が出なかった。
ナックビーナスは次走のスプリンターズステークスでも通用するのか? レッツゴードンキやムーンクエイクの敗因は? ここからはレース全体と各馬の走りについて振り返っていこう。
目次
キーンランドカップのレース分析
ナックビーナスが絶好のスタートを切るとすぐさまハナを主張。他馬も競りかけることなく隊列はすんなりと決まっていく。2番手争いは内からペイシャフェリシタやダノンスマッシュ、タマモブリリアン、オールインワンも競りかけていく。
さらにその後ろからはデアレガーロやキャンベルジュニア、クリーンファンキー、キングハート、レッツゴードンキと続いていく。ムーンクエイクは、追走に戸惑っているのか最後方から動けずにいた。
3コーナーに入ると後方待機グループがスパートを開始する。トゥラヴェスーラやキャンベルジュニアが手応えよく直線へ。残り300mを切ると、ナックビーナスがもう一段ギアチェンジし後続を突き放しにかかったここで勝負あり。すでに3馬身近くのリードを取り、注目は2、3着争いへ。
ナックビーナスの直後を走っていたダノンスマッシュやペイシャフェリシタが内からバテる気配なく伸びていく。外を回ったキャンベルジュニアやトゥラヴェスーラはすでに息切れ。スターオブペルシャが追い込んで来るが掲示板争いが精一杯だった。
馬券圏内の上位3頭は、コーナーを最内で回ってきた順の着順となっており、通った位置が着順に大きく影響していた印象だ。勝ちタイムは1分9秒4(稍重)で、これは過去10年でも最も遅いタイム。稍重の影響もあったのか、外を回った馬がまったく伸びず、バテていたはずのナックビーナスが、後続を突き放す結果になった。
また、前半600mは33秒7で、稍重にしては速いペース。このようなペースでは先行馬が潰れ、差し馬が台頭してくる展開になるはずなのだが、それでも先行馬が凌ぎ切ってしまった。特殊な馬場だったということも覚えておきたい。
キーンランドカップ2018の各馬の勝因・敗因・次走展望
1着:ナックビーナス
今年の高松宮記念でも3着と、今のスプリント戦線の中心にいながら、重賞
手が届いていなかったナックビーナス。秋のスプリンターズステークスに向けて権利を取る必要もあった。
外目の枠だったが、好スタートを決めると一気にラチ沿いまで進み、マイペースで直線まで向くと、手応えに余裕を残したまま完勝。これでは後続の馬たちも太刀打ち出来ないはずだ。この土日で9勝を挙げ、まさに絶好調だったモレイラ騎手の流れも生かした印象だ。モレイラ騎手に関しては重賞挑戦11回目で嬉しい初制覇。1番人気では安定感を示しており1勝2着2回と連対率は100%である。秋も騎乗を継続するようであれば是非覚えておきたいデータとなるだろう。
ナックビーナスは馬場やペースを味方につけたとはいえ、あれだけの差をつけたのだから秋以降もG1で通用してくることだろう。更に人気を集め、マークが厳しくなった時に真価を問われる。
それでも豪腕モレイラ騎手とのコンビが続くようであれば中心として扱って問題なさそうだ。
2着:ダノンスマッシュ
函館で1600万特別を勝利し、ここへ挑んだ3歳馬ダノンスマッシュ。勝ったナックビーナスに競りかける強気な競馬を見せたが、ここでは力負けだった。
古馬に混ざってスプリント戦を対応出来たことは収穫になったはずだが、特殊な前有利の馬場を味方につけていたことは間違いない。人気を更に背負う競馬で、どこまでやれるか次走が試金石となるだろう。あとは坂のあるコースへ対応できるかも、鍵となるはずだ。
本来なら1400m戦が良いタイプ。スワンステークスや良馬場で再浮上してくるはずだ。
3着:ペイシャフェリシタ
9番人気と低評価ながら3着に好走したペイシャフェリシタ。CBC賞では2番人気、前走のアイビスサマーダッシュでも3番人気と、今回は過剰に人気が落ちていた実績馬。力を出し切ればこれくらい走れても驚くことではなかったはずだ。
ただし、今回に関しては、ナックビーナスとダノンスマッシュの後ろを進み、ロスの無い最内を通ったことによる恩恵を受けた競馬だった。全てが噛み合っての結果だけに、次走以降も過信は出来ないのが正直なところだろう。
4着:キャンベルジュニア
デムーロ騎手騎乗で5番人気に支持されたキャンベルジュニアは、スムーズな流れで直線を迎えるも、伸びを欠き4着に敗れた。キャンベルジュニアが通った位置は例年であればビクトリーロード。稍重だった馬場の影響もあったのか、末脚炸裂とはいかなかった。
2、3着馬とは通った位置取りの差であり、強い競馬だったのはキャンベルジュニアのほうかもしれない。次走以降も人気を集めないようであれば積極的に狙っていきたい。1200mも十分に戦えることを示した。
5着(同着):スターオブペルシャ
14番人気と、かなりの低評価ながら鋭い末脚を見せ5着に駆け込んだ印象のスターオブペルシャ。もちろんこれまでに結果を出している1400m戦のほうがいいはずだが、今回の走りを見る限り1200m戦でも通用しそうである。
3コーナーから4コーナーにかけては外を回さず比較的内目を通って直線へ。馬群をぬって5着まで伸びていたように、状態は良かったのだろうか。改めて1400mに出走となるようであれば、巻き返してくる可能性は高そうだ。
5着(同着):レッツゴードンキ
2番人気のレッツゴードンキは休み明けっぽさの残る5着となった。もう少しやれても? といった感覚は残るが、馬だけでなく鞍上の岩田騎手もケガ明け。人馬ともに次走以降の巻き返しに期待したい。岩田騎手は札幌芝1200mが苦手舞台で、コース変わりの上昇も期待したい。
7着:トゥラヴェスーラ
強気の競馬で3コーナーから動いていったトゥラヴェスーラも触れておきたい。スタートで出負けし、イン有利な馬場なのに位置取りは外目。早めの仕掛けに、直線では伸びを欠いたが、このメンバーが相手でもやれることは示した。
まとめ
まず、今年のキーンランドカップは特殊なイン有利馬場だったことを忘れないでおきたい。ナックビーナスはその恩恵を差し引いてもこのペースを逃げ切った点は評価に値する。
2着以降、0.5秒差の8着デアレガーロあたりまでは展開次第で着順が入れ替わる可能性を秘めているだろう。そのなかでも目立つ競馬を見せていたのはキャンベルジュニアとトゥラヴェスーラ。これらは展開次第で、秋の重賞を勝つことがあってもおかしくはない。
今回は9着に敗れたムーンクエイクは距離が短かった。改めて距離延長のタイミングを狙いたい。