レース見解

北九州記念2018ラブカンプーは今回も好走できるのか

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

前走のアイビスサマーダッシュでは、古馬相手に2着と好走を果たしたラブカンプー。葵ステークスを勝利したゴールドクイーンも古馬相手に2着と、葵ステークス組の3歳馬は通用している印象だ。

ラブカンプーは、昨年10月に未勝利戦を勝って3か月の休養を挟んだ以降、ここまで連戦が続いており、今回で7戦目を迎える。休みを取らず、ここまでにダメージが心配されるが、「夏は牝馬」や「夏は格より勢い」といった競馬格言もある。軽量牝馬で調整がしやすいといったことも考えられるため、出走を決めた陣営の判断を信じたい。

ラブカンプーは今回も古馬相手に好走できるのか? あらゆる角度からラブカンプーを解析していこう。

[騎手]葵ステークス以上、アイビスサマーダッシュ未満

小倉芝1200mにおける和田騎手は勝率7%で、勝利数は4位と上位の成績を残している。和田騎手は葵ステークスで初めて手綱を取り、今回は2度目の騎乗予定だ。コースの相性は京都よりも小倉が上でも、前走のアイビスサマーダッシュで騎乗したデムーロ騎手と比較すると大幅に成績がダウンする。

超得意コースだったデムーロ騎手に導かれての2着だったとしたら、今回のパフォーマンスダウンは否めない。古馬相手に前走以上を和田騎手へ期待するのは厳しい印象だ。葵ステークス以上、アイビスサマーダッシュ未満で、どこまで古馬に通用するのだろうか。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
松山弘平 11% 20% 27% 77% 91%
幸英明 10% 21% 31% 66% 94%
藤岡康太 15% 21% 24% 108% 48%
和田竜二 12% 23% 30% 67% 70%
武豊 21% 35% 45% 95% 78%
北村友一 8% 19% 29% 82% 111%
浜中俊 12% 28% 37% 64% 68%
松若風馬 8% 13% 18% 291% 77%
鮫島克駿 6% 10% 17% 103% 63%
川田将雅 13% 33% 41% 53% 81%
バルジュ 11% 24% 31% 62% 83%
吉田隼人 11% 15% 21% 137% 66%
川須栄彦 6% 11% 20% 127% 112%
小牧太 10% 17% 29% 79% 86%
丸田恭介 11% 13% 21% 282% 144%
中谷雄太 7% 16% 21% 42% 63%
丸山元気 8% 17% 26% 270% 106%
藤岡佑介 7% 15% 21% 23% 57%
M.デム 36% 71% 79% 92% 97%
高倉稜 5% 10% 13% 18% 54%
秋山真一 7% 11% 24% 62% 114%
田中健 8% 14% 20% 260% 78%
小崎綾也 10% 10% 13% 118% 70%
丹内祐次 5% 14% 23% 124% 96%
荻野極 3% 9% 13% 23% 28%
義英真 3% 6% 10% 42% 58%
ホワイト 11% 22% 37% 158% 101%
坂井瑠星 16% 26% 37% 112% 94%
岩田康誠 17% 22% 28% 38% 45%
国分恭介 5% 5% 24% 61% 177%

※小倉芝1200m 2015年以降の集計結果

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
デムーロ・新潟芝1000 50% 70% 80% 162% 127%
和田・京都芝1200 7% 12% 28% 51% 85%
和田・小倉芝1200 12% 23% 30% 67% 70%

※2015年以降の集計結果

[厩舎]前走がメイチだった可能性は?

小倉芝1200mにおける森田厩舎は勝率7%で今回のメンバーだと水準レベル。前走は初重賞制覇を飾り、人気・着順ともにワンツーフィニッシュを決めていたように、目標は前走だった可能性がある。

それをコース実績も示している。デムーロ騎手はワールドオールスタージョッキーズへ騎乗があったとはいえ、今回は乗り替わり。プラスと考えられる材料が乏しいだけに、このデータはマイナス評価とするのが妥当だろう。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(栗)藤岡健一 14% 22% 33% 167% 84%
(栗)音無秀孝 12% 18% 22% 100% 56%
(栗)坂口正則 7% 16% 20% 72% 55%
(栗)角田晃一 15% 24% 30% 76% 57%
(栗)鮫島一歩 16% 26% 29% 430% 157%
(栗)西浦勝一 8% 26% 34% 31% 102%
(栗)森田直行 7% 14% 21% 107% 91%
(栗)松永昌博 11% 14% 32% 91% 115%
(栗)作田誠二 4% 14% 14% 157% 104%
(栗)寺島良 6% 11% 26% 21% 67%
(栗)中村均 6% 11% 20% 31% 65%
(栗)崎山博樹 9% 13% 17% 66% 167%
(栗)北出成人 5% 5% 10% 27% 26%
(栗)大根田裕 2% 10% 31% 9% 228%
(栗)高橋亮 3% 9% 16% 24% 66%

※小倉芝1200m 2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
小倉・芝1200 7% 14% 21% 107% 91%
新潟・芝1000 24% 35% 35% 298% 120%

※森田厩舎 2015年以降の集計結果

[血統]ショウナンカンプ産駒苦手コースだが

小倉芝1200mにおけるショウナンカンプ産駒は勝率2%で複勝率16%とメンバー中下位の成績となっている。

コース実績は下位だが、北九州記念はサクラバクシンオーの血を持つ馬が大活躍しているレースだ。ショウナンカンプ産駒は、レース実績を考えると決して悪い成績ではないのである。昨年のナリタスターワン(14番人気・2着)やショウナンカザン(14番人気・6着)と出走例は2度のみでも好走出来ていたのだ。

コース実績はマイナスだが、レース実績を評価するといいだろう。マイナスにせず、注目血統として取り扱いたい。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
サクラバクシンオー 15% 29% 36% 117% 108%
ディープインパクト 9% 19% 22% 33% 58%
アドマイヤムーン 9% 18% 24% 76% 68%
ヨハネスブルグ 11% 18% 24% 57% 52%
ロードカナロア 18% 21% 30% 84% 71%
キングヘイロー 10% 17% 21% 79% 106%
スペシャルウィーク 15% 31% 31% 758% 218%
ローエングリン 8% 11% 24% 105% 146%
ダノンシャンティ 5% 7% 21% 87% 180%
StormyAtlantic 67% 100% 100% 300% 160%
ショウナンカンプ 2% 8% 16% 4% 130%
シニスターミニスター 4% 4% 13% 98% 60%
デュランダル 0% 3% 8% 0% 156%
ダンスインザダーク 0% 10% 10% 0% 20%
スタチューオブリバティ 0% 0% 8% 0% 20%
トワイニング 0% 0% 0% 0% 0%

※小倉芝1200m 2015年以降の集計結果

コース 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新潟・芝1000 11% 21% 21% 152% 97%
小倉・芝1200 2% 8% 16% 4% 130%

※ショウナンカンプ産駒 2015年以降の集計結果

[脚質]先行馬不振

北九州記念はラスト600mを速く走れる馬が有利なレースである。

レースで上がり3ハロンタイムが5位以内だった馬が、9勝17連対と圧倒的な成績をおさめており、先行粘り込みを狙うラブカンプーにとってはマイナスなデータとなりそうだ。

過去に、かささぎ賞でこのコースを逃げ勝ったことはあっても、3歳馬限定の500万クラスではレベルが違う。勝ち切るまでは厳しいデータと言えるだろう。

上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1~5位 16% 31% 40% 216% 204%
6位~ 1% 3% 7% 5% 44%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

前走上がり3ハロンタイム 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1~3位 12% 21% 31% 188% 118%
4位~ 4% 9% 14% 36% 90%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

[前走着順]前走2着馬、未勝利…

北九州記念は前走2着だった馬が1度も勝てていないレースである。2着になったことは2度あるだけで、はっきり言うと相性が悪い。アイビスサマーダッシュは、2着から挑んだエーシンダックマンは15着に敗れており、このデータなかで最も成績が悪い。

ただし、1度しかない例なので、どれほど信ぴょう性があるかは判断できないが、プラスのデータとすることは厳しいのではないだろうか。

前走着順 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1着 12% 27% 41% 81% 115%
2着 0% 17% 17% 0% 40%
3着 17% 17% 17% 361% 53%
4着 14% 14% 21% 247% 88%
5着 0% 0% 0% 0% 0%
6~9着 5% 12% 14% 63% 110%
10着~ 2% 2% 8% 27% 111%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

[前走距離]距離延長はプラスだが…

北九州記念は前走から距離を伸ばして挑む馬の成績が良いレースである。ただし、馬券に絡んだ馬は、「前走で1着だった馬」もしくは、「4着以下に負けていた馬」ばかりだった。2、3着に好走していた馬は、北九州記念で馬券に絡んでいない。

2016年にはプリンセスムーンが6着、2012年にはエーシンヴァーゴウが8着と、5番人気以内に支持された人気馬でも結果が出ていない。アイビスサマーダッシュで好走するためには、先行力と粘り強さが問われるのに対し、北九州記念はレース後半を速く走る能力が問われる。このことが不振の理由だとすれば、ラブカンプーはこれと一致してしまいそうだ。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同距離 5% 12% 17% 58% 96%
今回延長 8% 12% 20% 106% 96%
今回短縮 4% 13% 17% 68% 99%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

[馬体重]軽すぎる馬は勝ち切れない

北九州記念は馬体重の傾向がバラバラで、どの体重でも狙えるレースである。しかし、ラブカンプーが該当しそうな420キロ台の馬は、過去10年で勝ち馬が出ていない。

2009年にレディルージュが2番人気で、2012年にシゲルスダチが12番人気で2着に入ったのみで、3番人気で出走したジュエルオブナイルは16着に敗れた。昨年は15番人気のラインスピリットが3着に入ったように、このデータから考えると「人気薄」なら走れるデータということになりそうだ。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
420~439kg 0% 18% 27% 0% 269%
440~459kg 4% 9% 13% 62% 42%
460~479kg 6% 13% 21% 92% 74%
480~499kg 7% 9% 14% 84% 127%
500~519kg 8% 8% 12% 48% 25%
520~539kg 0% 25% 33% 0% 165%
540~ 33% 33% 33% 526% 143%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

[人気]3歳馬の上位人気は不安要素だらけ

北九州記念は8番人気が過去10年で5勝しているように、上位人気の安定感がないレースである。特に、3歳で上位人気になった馬は、ベルカント(2014年・2番人気・6着)やマイネルエテルネル(2013年・3番人気・7着)と結果を残せていない。

同じ葵ステークス組のゴールドクイーンと共に、古馬相手に通用しているように感じるが、あくまで先行力を生かして好走してきたタイプ。逆の適性を問われる北九州記念は、今の力だと厳しい可能性が浮上してきている。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 10% 30% 50% 25% 70%
2番人気 10% 30% 40% 50% 76%
3番人気 10% 30% 40% 57% 97%
4番人気 0% 0% 20% 0% 56%
5番人気 10% 20% 20% 134% 80%
6番人気 10% 10% 30% 102% 126%
7番人気 0% 0% 0% 0% 0%
8番人気 50% 50% 50% 878% 214%
9番人気 0% 0% 0% 0% 0%
10番人気 0% 0% 0% 0% 0%
11番人気 0% 0% 0% 0% 0%
12番人気 0% 10% 10% 0% 121%
13番人気 0% 11% 11% 0% 126%
14番人気 0% 11% 11% 0% 112%
15番人気 0% 0% 11% 0% 173%
16番人気 0% 0% 0% 0% 0%
17番人気 0% 0% 17% 0% 675%
18番人気 0% 0% 0% 0% 0%

※北九州記念 2008年以降の集計結果

[まとめ]プラスデータはわずか 前走よりもパフォーマンスは下がりそう

これまでのデータを振り返ると、プラスと評価できそうな項目は、「ショウナンカンプ産駒の北九州記念適性」の1項目のみである。ただし、これもサンプルが少なく、信頼度は高くない。

先行力を生かしたいタイプだが、それが生きないレースで、乗り替わりも少なからずマイナス。前走以上のパフォーマンスを和田騎手に期待するのは厳しいだろう。

データ分析からは軸よりも相手候補で、しかも馬券圏内も怪しいといった評価となりそうだ。

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