レース回顧

アイビスサマーダッシュ2018のレース回顧 

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

7月29日(日)に新潟競馬場では、第18回・アイビスサマーダッシュが行われた。1番人気に支持されたダイメイプリンセスが、中団馬群でレースを進めると、ゴール前できっちりと抜けだし優勝。直線競馬で負けなしの、3戦3勝で見事重賞初制覇を飾った。2着には先行して粘ったラブカンプー(2番人気)が入り、3着には伏兵のナインテイルズ(8番人気)がしぶとく粘りこんだ。

勝ったダイメイプリンセスを管理する森田直行調教師はうれしい重賞初制覇。おまけに2着のラブカンプーと、ワンツーフィニッシュも決めてみせた。

上位人気では3番人気のペイシャフェリシタが11着、5番人気のレッドラウダが10着に敗れている。終わってみれば1、2番人気で決着し、堅実な決着になったと言えるだろう。

ダイメイプリンセやラブカンプーがなぜ力を出し切ることができたのか? ナインテイルズ好走の理由は? ここからはレース全体と各馬の走りについて振り返っていく。

アイビスサマーダッシュのレース分析

揃ったスタートから、レッドラウダ、ラブカンプーが先頭へ。それを追ってレジーナフォルテやナインテイルズが続く展開に。前半3ハロンの通過は32秒1で、過去10年の中でも最も速いタイム。勝ち時計53秒8は、カルストンライトオが記録した53秒7にコンマ1秒差と迫る好タイムだった。勝ったダイメイプリンセスは、先行馬をマークする位置でレースを運び、抜け出すタイミングとスペースを伺う余裕の手ごたえ。ゴール前で綺麗に抜け出すと、2着のラブカンプーに0.2秒差をつける完勝だった。

ここからは上位着順馬や上位人気各馬の走りを振り返り、次走以降の狙いについても考察していこう。

アイビスサマーダッシュ2018の各馬の勝因・敗因・次走展望

1着:ダイメイプリンセス

前走のCBC賞では9着に敗れたものの、得意の直線競馬でしっかり巻き返した。今回は終始スムーズなレース運びで、1000mへの適性を存分に発揮したと言えるだろう。

距離の短い直線競馬ながら、重賞でも0.2秒以上の差をつける完勝ぶり。歴代最高の1000mスペシャリストに成り上がるかもしれない。今後については1200m戦への対応がカギになってくる。それでもテンが33秒台になる厳しいレースであれば負けていない。今回の勝利で、1000m「だけ」というイメージも強まったいっぽうで、レースの展開次第では距離が伸びても対応できる可能性も示した。秋の大目標になるスプリンターズステークスでも、ペースが速くなるメンバー構成になれば十分に戦えるのではないだろうか。

同馬を管理する森田直行調教師は、通算14戦目で念願の重賞初制覇となった。苦手としていた中京から新潟に変わって、しっかりと仕留めてきた印象だ。今回は人気も着順もワンツーフィニッシュで完璧に等しいレースだった。

2着:ラブカンプー

デムーロ効果もあったのか、2番人気に支持されたラブカンプー。好スタートから先頭に立つと、最後まで脚色が衰えることなく粘りを見せ、2着と結果を残した。

「勝ったダイメイプリンセスが強すぎた」と騎手の談話があったように、この馬なりの力は示せたレースと言っていいだろう。初の直線競馬にも対応し、3歳馬ながらがんばっていた印象だ。ショウナンカンプ産駒らしい、高いスプリント適性を見せた。葵ステークス組は古馬に混ざっても結果を出せている。ラブカンプー以外のメンバーにも注目だ。

今後は人気をさらに集める存在になることだろう。逃げればとにかくしぶといが、マークされる立場になる。勝ち切るまでは厳しいレースが、これからも続きそうな気配がする。阪神コースで勝てていないように直線に坂のある舞台では誰が乗っても過信禁物だ。メンバー構成、舞台設定に気を配り、判断するようにしよう。

3着:ナインテイルズ

8番人気と低評価ながら3着に好走したナインテイルズ。これまで直線競馬では、たびたび好走してきたが、ついに重賞でも馬券に絡んでみせた。戸崎騎手への乗り替わりも良かったのだろう。韋駄天ステークスでは小崎騎手で5着に入れていたように、鞍上強化分で足りた印象がある。

ナインテイルズは直線に坂がある競馬場で敗戦を繰り返しているタイプ。新潟、京都、福島、小倉であれば次走以降も狙っていい。7歳でオープンクラスにたどり着いた馬で元気いっぱい。条件を絞って今後も狙っていこう。

4着:レジーナフォルテ

昨年の3着馬レジーナフォルテは今年も4着と好走した。このコースの2歳レコードホルダーだけに、今回も適性を示した形だ。昨年よりも着順を落としている点が気になるが、今年の2月には中山で準オープンを制しているように、馬体の成長で適性が変わっていっている可能性もある。また、騎手のコメントでは「楽に追走できた」とあった。過去10年で最も速いペースでこのコメント。距離が伸びた中山で再び穴を開ける予感がする。忘れないようにしよう。

5着:ラインスピリット

昨年と同じタイムで駆け抜けたラインスピリット。最も重い57キロを背負った影響もあったのか、内目の枠が影響したのか。それでも5着ならよく頑張ったと言えるだろう。スプリンターでありながら、テンの速くなる流れはあまり得意でないタイプ。昨年同様に北九州記念へ進むようであれば穴候補として注目したい。データ分析記事でも触れたが、アイビスサマーダッシュでは57キロ以上を背負う馬が結果を残せていない。このデータに阻まれただけの可能性も高い。巻き返しに注意しよう。

11着:ペイシャフェリシタ

大外枠に入ったことで3番人気に支持されたペイシャフェリシタは11着と大敗した。スタートは決まったが、あまり前に出ていくタイプではない。もともと1800mでも勝利しているようにスプリントというよりは1400mに適性のあるタイプだろう。これまでも中山や中京、東京など直線に坂のあるコースで成績が良い。2戦続けて敗れたことで、次走は大きく人気を落とすことが予想される。舞台適性次第では巻き返せる馬なので、簡単に軽視しないようにしよう。

まとめ

勝ったダイメイプリンセスは、1000m戦に高い適性を見せているが、ペース次第では1200m戦でも対応可能。距離ではなく、メンバーやそのレースのペースを基準に判断すると良さそうだ。場合によっては穴馬に変身する可能性がある。

ラブカンプーは次走以降も人気が予想される。マークされて脆さを出せば崩れる可能性もあり、過信禁物としたい。ナインテイルズは7歳でも活気十分。人気がなければ次走以降も積極的に狙おう。レジーナフォルテは成長で馬が変わりつつある。中山でも走れる可能性が高い。ラインスピリットは北九州記念に進めば穴としてねらい目。

データ分析記事を振り返るとダイメイプリンセスやラブカンプーはデータ通りに好走してきた印象だ。3着のナインテイルズもデータではマイナス面の少なかった馬。来年も参考にするといいだろう。

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