レース見解

プロキオンステークス2018インカンテーションは初の1400mを克服できるか

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

今年はフェブラリーで3着、かしわ記念3着とG1戦線でも好走を続けるインカンテーション。今回は初の1400m戦プロキオンステークスを陣営は選択した。G1での好走はあっても、G2以上で未勝利と上級条件では結果が出ていない。8歳馬ながら年齢の衰えは感じないだけにここでもしっかり走ってきそうな馬だ。

これまで出走したことのない未知の距離に対応出来るのか、ファンとしては気になるところだろう。血統や騎手など、インカンテーションがプロキオンステークスを勝利するための条件を探っていこう。

[騎手]経験少ない三浦騎手に乗りこなせるのか

昨年の武蔵野ステークスを制したところから手綱を取っているのが、今回も騎乗を予定している三浦騎手だ。ここ4戦はいずれも関東圏でのレースだったが、今回は中京に舞台が変わる。この舞台での三浦騎手は、1-1-0-9の成績と、そもそも騎乗自体が少ない。2015年以降は43回の騎乗にとどまっており、東京のように勝利を量産、とはいかないコースになっている。

集計期間中の勝利は2勝で勝率は4.7%しかないが、そのうちの1勝が今回と同じ中京ダート1400m戦だった。中京での数少ない勝利ゆえに、記憶に残っているかもしれない。

データで考えると、三浦騎手が騎乗する、ということが気がかりになりそうだ。

騎手 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
藤岡康太 14% 30% 39% 86% 95%
M.デム 24% 41% 51% 133% 88%
松山弘平 11% 19% 27% 48% 60%
福永祐一 22% 27% 41% 105% 80%
幸英明 9% 13% 24% 264% 103%
秋山真一 12% 19% 26% 33% 55%
荻野極 13% 20% 25% 112% 70%
戸崎圭太 31% 44% 44% 218% 99%
北村友一 8% 21% 27% 66% 116%
吉田隼人 11% 24% 29% 75% 91%
国分恭介 13% 19% 23% 67% 58%
国分優作 16% 16% 24% 146% 74%
武豊 8% 25% 43% 29% 81%
松若風馬 4% 11% 16% 26% 39%
岩田康誠 12% 31% 39% 133% 116%
菱田裕二 6% 17% 21% 197% 101%
和田竜二 6% 15% 25% 27% 55%
中谷雄太 6% 13% 22% 40% 55%
岩崎翼 7% 11% 14% 34% 57%
浜中俊 12% 16% 32% 37% 69%
坂井瑠星 16% 21% 21% 565% 131%
川田将雅 7% 27% 43% 31% 93%
鮫島克駿 3% 11% 21% 17% 61%
勝浦正樹 6% 17% 20% 35% 51%
加藤祥太 5% 13% 15% 23% 31%
杉原誠人 11% 22% 33% 128% 160%
藤岡佑介 9% 17% 22% 89% 55%
高倉稜 6% 12% 12% 142% 201%
丸山元気 4% 5% 11% 540% 133%
石橋脩 8% 12% 20% 44% 63%

※2015年以降の集計結果

[厩舎]勝率3.7%…厳しい条件の羽月厩舎

羽月厩舎は今回出走を予定している厩舎のなかだと、結果が出ていない厩舎の扱いになっている。2015年にリアルプロジェクトで沈丁花賞を制したのを最後に24連敗中だ。ただ、そのほとんどが人気のない馬だっただけに、このデータを素直に信じていいかと言われると悩みどころだ。

400m伸びた1800mになると一気に成績が上昇するが、コーナーを回る数と調教方針がかみ合っていない部分もあるかもしれない。
適切な調教が出来る厩舎でないとすると、まったく走れない可能性も十分に秘めている。

調教師 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
(栗)加用正 14% 19% 24% 98% 47%
(栗)奥村豊 13% 13% 25% 35% 145%
(栗)中尾秀正 13% 25% 31% 411% 233%
(栗)中竹和也 10% 20% 20% 54% 65%
(栗)北出成人 22% 33% 44% 86% 71%
(栗)寺島良 50% 50% 50% 270% 80%
(栗)森秀行 10% 30% 40% 54% 200%
(栗)矢作芳人 5% 10% 20% 227% 91%
(栗)羽月友彦 4% 8% 12% 18% 36%
(栗)杉山晴紀 9% 18% 18% 1431% 249%
(美)尾形和幸 3% 3% 20% 13% 47%
(栗)鮫島一歩 0% 19% 25% 0% 59%
(栗)池添兼雄 0% 0% 0% 0% 0%
(栗)村山明 0% 0% 0% 0% 0%

※2015年以降の集計結果

[血統]シニスターミニスターの血が騒ぐ!?初コースも適性抜群の舞台

インカンテーションは今回が初の中京ダート1400mになるが、厩舎の不安材料を払拭し、これまでにないパフォーマンスを披露する可能性を秘めている。

この舞台を得意とするシニスターミニスター産駒は勝率21%で全ダートコースのなかでも高い成績になっている。近走のG1でも、強豪馬を相手に先行することが出来ており、短いペースに対応できるのではないだろうか。距離適性を懸念し、過度な人気にはならないはず。買うなら今回、なのかもしれない。

いずれにしてもインカンテーションは、この距離をこなせる力を持った馬と言っていいだろう。

種牡馬 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
シニスターミニスター 21% 26% 38% 251% 111%
カジノドライヴ 18% 24% 29% 121% 58%
キンシャサノキセキ 12% 16% 18% 494% 95%
サウスヴィグラス 8% 26% 33% 200% 107%
ロージズインメイ 11% 17% 17% 494% 115%
ノボジャック 8% 8% 17% 33% 36%
フジキセキ 0% 13% 40% 0% 112%
スパイキュール 0% 20% 40% 0% 232%
Speightstown 0% 20% 40% 0% 138%
SmartStrike 0% 25% 25% 0% 35%
ダノンシャンティ 0% 0% 0% 0% 0%
ElusiveQuality 0% 0% 0% 0% 0%
Giant’sCauseway 0% 0% 0% 0% 0%

※2015年以降の集計結果

[脚質]しぶとさ見せるか?このコース有利な先行脚質

このコースは基本的に逃げ馬や先行馬が強い。前走で差す競馬をしていたタイプには割引が必要だ。フェブラリーステークスでは差す競馬で3着だったが、前走のかしわ記念では4コーナーで3番手まで進んでおり変幻自在な競馬を見せた。

ここ2戦は着順こそ3着だが、着差は1着馬とわずかしかない。かしわ記念ではゴールドドリームの差し脚に屈したものの、しぶとさをみせていたように思う。200mの短縮かつ前走がG1だったことで今回も行き脚がつくはず。そうなれば勝利へ更に一歩前進できそうだ。

前走4角位置 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番手 11% 19% 23% 76% 55%
2番手以内 11% 19% 26% 78% 78%
3番手以内 11% 18% 26% 95% 76%
4番手以内 10% 19% 27% 93% 81%
5番手以下 4% 10% 16% 84% 70%
7番手以下 4% 9% 14% 66% 69%
10番手以下 3% 8% 13% 47% 75%
13番手以下 3% 8% 13% 39% 78%
16番手以下 3% 11% 12% 30% 181%

※2015年以降の集計結果

[前走距離]回収率100%オーバー!距離短縮組

このコースで安定感を見せているのは前走と同距離組だが、距離短縮組は単勝回収率119%と一発を秘めたローテーションだ。かしわ記念から200mの短縮になるが、この舞台はシニスターミニスター産駒が得意にしているようにインカンテーションに適性がある可能性が高い。

このレースを連覇したベストウォーリアもかしわ記念からのローテーションだった。先行したかしわ記念で敗退し、プロキオンステークスで巻き返していたように、インカンテーションにも同様の結果を期待してもいいだろう。

前走距離 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同距離 8% 16% 23% 75% 67%
今回延長 5% 11% 15% 69% 71%
今回短縮 6% 11% 18% 119% 88%

※2015年以降の集計結果

[前走着順]前走馬券圏内だった馬に安定感あり

前走3着からこのコースへ挑む馬は前走2着だった馬に次いで2番目に良いデータとなっている。特に掲示板に載れていた馬が安定感を示しており、前走3着インカンテーションは問題にならないだろう。

リニューアル後、前走がG1で上位に入っていた馬の出走はこれまでになかった。インカンテーションの場合は僅差の3着でダート路線トップクラスの実績を持っている。更に過去を遡ると、フェブラリーステークス4着からここへ挑んだダノンカモンが2着に好走している。インカンテーションには追い風になりそうなデータだ。

前走着順 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1着 7% 14% 19% 44% 66%
2着 19% 36% 47% 75% 82%
3着 13% 26% 36% 71% 66%
4着 10% 19% 29% 79% 78%
5着 7% 13% 25% 40% 64%
6~9着 4% 11% 16% 105% 83%
10着以下 3% 5% 9% 105% 72%

※2015年以降の集計結果

[馬体重]大型馬有利で問題なし

中京ダート1400mは大型馬が有利なデータが出ている。インカンテーションは安定して500キロ台で出走出来ており問題ないだろう。

ただ、前走は8キロ減らして504キロでの出走だった。これ以上の減った場合は割り引く必要が出てくるかもしれない。当日の馬体重はしっかりとチェックし、500キロ以上であればOKとしよう。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
~399kg 0% 0% 0% 0% 0%
400~419kg 0% 2% 5% 0% 15%
420~439kg 2% 7% 12% 44% 58%
440~459kg 6% 12% 19% 122% 65%
460~479kg 6% 13% 19% 114% 85%
480~499kg 6% 13% 19% 72% 70%
500~519kg 11% 18% 24% 87% 66%
520~539kg 11% 19% 30% 51% 128%
540~ 8% 19% 25% 40% 84%

※2015年以降の集計結果

[斤量]57.5キロまで克服済み!57キロは問題ない

今回のメンバーではサクセスエナジーが58キロでそれ以外は57キロ以下となっている。
57.5キロで、マーチステークスを制しているように、今回の57キロの斤量は問題ないだろう。

直近の競馬内容から考えれば、ここを57キロで出走できることがラッキーであり、このチャンスを掴みとりたいところだ。

斤量 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
49.5~51kg 0% 0% 0% 0% 0%
51.5~53kg 0% 0% 0% 0% 0%
53.5~55kg 14% 29% 29% 1702% 247%
55.5~57kg 5% 12% 19% 23% 42%
57.5~59kg 14% 14% 14% 95% 32%
56kg 5% 10% 20% 24% 46%
57kg 6% 18% 18% 19% 30%

※2012年以降の集計結果

[まとめ]G1では結果が出ていないが、G3なら負けていない!

G3の武蔵野ステークスを制した以降は、G1を3戦し結果が出なかった。ただ、それ以前まで振り返ってみるとG3では負けていないのだ。2017年のマーチステークス、白山大賞典、武蔵野ステークスを勝利し、敗れているのはいずれもG1だった。しかも、強豪馬相手に大崩れしていない。

地方の交流重賞を中心に使われてきた短距離路線に、中央G1で勝負になっていたインカンテーションが路線変更でここへ挑んできている。かしわ記念の後は帝王賞ではなく、ここへ進めてきたあたり、陣営もそろそろ勝利を…と思っているのではないだろうか。

三浦騎手がきっちりと乗れれば、インカンテーションには1400mを克服する能力が備わっている。というのがデータ分析の導き出した答えになるだろう。G3で負けていない点や、57キロでの出走も魅力的だ。1600mでは1-2-2-2と短い距離でも崩れていない。短距離実績が無い今回だからこそ狙い目なのかもしれない。

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