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7月8日(日)に福島競馬場では七夕賞(G3)が行われる。過去10年のうち7年で二桁人気が馬券に絡み、2015年には3連単100万馬券も飛び出した。馬連が万馬券決着になることも多く、七夕賞は「荒れる」イメージの強いレースだ。「夏は牝馬」という格言に反し、6年連続で牝馬が馬券に絡んでいない。人気馬が堅実、といった傾向も出ている。
今年の出走予定馬は、福島民友カップを勝利してここへ挑むマイネルサージュや、マーメイドステークス2着のワンブレスアウェイなど。また、エプソムカップからはサーブルオールやマイネルフロストらが出走を予定している。
データを紐解くと、条件戦を勝利して挑む馬の取捨や、穴馬の条件が見えてきた。今年も例年通り荒れるのか? 人気、斤量、年齢や前走内容など、さまざまな観点から七夕賞を分析していこう。
目次
[人気]意外に堅実!1・2番人気
七夕賞の結果を見ていると、1番人気と2番人気が高い頻度で馬券に絡んでいることがわかる。過去10年で8度、どちらかが馬券内に来ているのだ。1番人気か2番人気に支持されつつ、単勝オッズが3~4.9倍の範囲内になると、3-1-1-1と更に成績が向上する。ただし、2倍台になってしまうと0-0-0-2と一気に信頼度が下がるので、当日のオッズには注目したい。
また、50倍以上の人気薄で馬券に絡んだのは、2012年1着のアスカクリチャンと2015年3着のマデイラの2頭のみ。極端な穴馬は馬券に絡まないという傾向も出ている。複勝率の高い1番人気や2番人気を素直に信頼し、穴は50倍以内の範囲で選ぶといいかもしれない。
人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 30% | 40% | 60% | 120% | 104% |
2番人気 | 10% | 20% | 40% | 45% | 84% |
3番人気 | 10% | 10% | 20% | 59% | 50% |
4番人気 | 0% | 10% | 20% | 0% | 59% |
5番人気 | 10% | 30% | 30% | 120% | 86% |
6番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 23% |
7番人気 | 20% | 30% | 50% | 369% | 273% |
8番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 46% |
9番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
10番人気 | 0% | 10% | 10% | 0% | 63% |
11番人気 | 10% | 20% | 30% | 198% | 185% |
12番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
13番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
14番人気 | 11% | 11% | 22% | 604% | 220% |
15番人気 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
16番人気 | 0% | 0% | 13% | 0% | 500% |
1~2人気 | 20% | 30% | 50% | 82% | 94% |
※2008年以降の集計結果
単勝オッズ | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
2.0~2.9 | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
3.0~3.9 | 33% | 33% | 67% | 113% | 100% |
4.0~4.9 | 30% | 40% | 40% | 131% | 78% |
5.0~6.9 | 6% | 13% | 38% | 36% | 81% |
7.0~9.9 | 0% | 27% | 33% | 0% | 86% |
10.0~14.9 | 6% | 6% | 6% | 75% | 24% |
15.0~19.9 | 17% | 28% | 39% | 315% | 197% |
20.0~29.9 | 0% | 5% | 9% | 0% | 61% |
30.0~49.9 | 0% | 5% | 10% | 0% | 84% |
50.0~99.9 | 8% | 8% | 8% | 418% | 74% |
100.0~ | 0% | 0% | 5% | 0% | 200% |
※2008年以降の集計結果
[斤量]57キロが5勝!軸はここから
過去10年で勝ち馬が出ているのは、52キロから57キロの範囲内だった。馬券圏内は52キロから58キロで、52キロ以下になると厳しくなる。穴馬=軽量馬でないことを念頭に置いて、馬券を組み立てるといいだろう。
最多の5勝を挙げている57キロを背負う馬は、人気で絞るとさらに精度が上がる。馬券になった馬はすべて5番人気以内。また、20倍以上の穴馬で馬券に絡んだ馬は、52キロから55キロの斤量を背負っていた馬だった。こちらも併せて覚えておきたい。
斤量 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
~49kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
49.5~51kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
51.5~53kg | 8% | 14% | 22% | 153% | 205% |
53.5~55kg | 2% | 8% | 19% | 113% | 92% |
55.5~57kg | 12% | 18% | 22% | 70% | 53% |
57.5~59kg | 0% | 15% | 23% | 0% | 78% |
~48kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
49kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
50kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
51kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
52kg | 14% | 14% | 21% | 267% | 346% |
53kg | 4% | 13% | 22% | 83% | 119% |
54kg | 0% | 5% | 9% | 0% | 22% |
54.5kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
55kg | 4% | 12% | 27% | 209% | 152% |
55.5kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
56kg | 4% | 8% | 12% | 48% | 42% |
56.5kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
57kg | 22% | 30% | 35% | 97% | 69% |
57.5kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
58kg | 0% | 29% | 43% | 0% | 145% |
58.5kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※2008年以降の集計結果
[年齢]中心は4~6歳馬!高齢馬の出番は…
過去10年で連対した20頭のうち19頭が4~6歳の範囲内だった。7歳以上で馬券に絡んだ馬は2016年の2着ダイワファルコン(8歳)のみ。単勝オッズは7.1倍だったように、ある程度の人気が必要だ。もし、高齢馬で気になる馬がいても、穴狙いは禁物。人気薄なら諦めるほうがいいかもしれない。
今年の7歳以上は…マイネルフロスト・メドウラーク(7歳)、バーディーイーグル・マイネルミラノ(8歳)、シルクドリーマー(9歳)。これらは当日の人気に要注意だ。
年齢 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
4歳 | 20% | 30% | 40% | 93% | 91% |
5歳 | 11% | 20% | 27% | 255% | 128% |
6歳 | 6% | 13% | 23% | 39% | 142% |
7歳以上 | 0% | 2% | 6% | 0% | 30% |
※2008年以降の集計結果
[性別]馬券になっていない!?牝馬を買うには?
冒頭でも触れたように、6年連続して牝馬が馬券に絡んでいない。過去にはイタリアンレッドや、アルコセニョーラが活躍したように、もともとは牝馬と相性の良いレースなのだが、近年は真逆の成績になっているのが実態だ。
馬券に絡んだ牝馬には共通点があった。前走で単勝オッズ10倍以内だった馬か、前走G1に出走していた馬という点。近年はこれに該当する馬の出走がなかっただけで、いつ馬券に絡んでもおかしくない。
今年はレイホーロマンス、キンショーユキヒメ、ワンブレスアウェイが出走を予定しているが、ワンブレスアウェイのみが前走14.2倍と人気薄だった。レイホーロマンスとキンショーユキヒメは、前走で人気を集めていた馬という条件に当てはまる。この2頭は注目できるが、条件からズレるワンブレスアウェイは割引が必要だろう。
性別 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
牡馬・セン馬 | 6% | 12% | 19% | 89% | 100% |
牝馬 | 8% | 23% | 31% | 136% | 100% |
※2008年以降の集計結果
[前走クラス]昇級馬はほぼ不要!必要なのはあの実績
七夕賞を昇級戦で挑んだ馬は、1-0-1-19と厳しいデータが出ている。馬券圏内のほとんどは、前走オープン特別や重賞を走った馬。昇級馬や格上挑戦馬は、後述するある法則に則った馬だけをチョイスするといいだろう。
昇級戦あるいは格上挑戦で馬券に絡んだ2頭は以下の通り。
<囲>
2017年3着 ソールインパクト 前走1000万1着
2008年1着 ミヤビランベリ 前走1600万13着
囲>
この2頭の共通点は「1000万条件を勝った実績しかなかった」ということだ。不思議なことに、1600万下を勝って七夕賞に挑む馬は1度も馬券になっていない。このタイプは人気を集めてもことごとく凡走する。すべて消してしまうのも手ではないだろうか。
今年の出走馬で前走が1600万条件だった馬は、パワーポケットの1頭のみ。その前走で敗れているものの、過去に1600万条件を勝利した経験があるので、このデータからは割引になりそうだ。
前走クラス | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
同クラス | 7% | 13% | 21% | 94% | 105% |
昇級戦 | 5% | 5% | 10% | 91% | 47% |
1000万下 | 0% | 0% | 50% | 0% | 190% |
1600万下 | 5% | 5% | 5% | 101% | 32% |
OPEN特別 | 5% | 11% | 24% | 62% | 210% |
G3 | 8% | 16% | 22% | 147% | 76% |
G2 | 8% | 12% | 15% | 30% | 36% |
G1 | 0% | 17% | 17% | 0% | 38% |
重賞 | 7% | 15% | 20% | 106% | 63% |
※2008年以降の集計結果
[騎手]関東所属騎手を中心視!
過去10年は8-8-10-107と、関東所属騎手が馬券圏内のほとんどを占めている。関西所属騎手が馬券になった例を見てみると、単勝オッズ20倍以内に支持された馬ばかり。つまり、人気サイドでなければ、関西騎手が騎乗する穴馬は軽視できるということだ。人気馬騎乗でもなく、わざわざ関西から東上するパターンには注意したい。
今年は岩崎騎手がプラチナムバレットに騎乗予定だが、この馬は人気が予想される。若手騎手だけに、人気ならすんなり信頼していいかと問われると、悩ましいところだ。
騎手分類 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 6% | 12% | 20% | 102% | 107% |
栗東 | 9% | 18% | 23% | 41% | 65% |
※2008年以降の集計結果
[厩舎]騎手とは真逆!関西馬を狙え!
七夕賞を厩舎所属場所別に比較すると、騎手とは真逆の現象が起きている。8-4-6-62で圧倒的に関西馬が有利なのだ。すべての率で関東馬を上回り、回収率も大幅プラス。50倍以上で穴を開けた馬も関西馬だった。軸も穴も基本は関西馬から選ぶと、的中に近づく可能性が高まる。
関東馬の場合はどうだろう。昨年のゼーヴィントのように、人気のある実績馬を選ぶといい。これなら2-0-1-1と安定感のある成績を残せている。逆に穴馬は、関東馬からは現れないので注意が必要。人気薄で好走した馬もそのほとんどが20倍以内の単勝オッズだった。人気薄の関西馬からアタマを選び、人気サイドの関東馬を相手候補に据える。そんな戦略を推奨したい。
今年のメンバーで関西馬はキンショーユキヒメ、プラチナムバレット、メドウラーク、レイホーロマンスの4頭。このなかから馬券に絡む馬が出る可能性が高そうだ。
調教師分類 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 3% | 11% | 17% | 9% | 57% |
栗東 | 10% | 15% | 23% | 172% | 141% |
※2008年以降の集計結果
[前走着順]危険!前走1着馬
前走1着で七夕賞へ挑む馬が苦戦傾向にある。過去10年で1-0-3-18となっており、連勝したのは2009年のミヤビランベリ(目黒記念1着)のみ。馬券に絡んだ残りの3頭は、オープン特別もしくは1000万条件勝ち馬だった。前走クラスの項でも触れたように、1600万条件から来る馬の成績が悪く、0-0-0-16と馬券圏内なし。勢いは通用しないので注意してほしい。
今年の出走馬はマイネルサージュのみが該当する。オープン特別勝ち馬なので、馬券圏内はあっても3着までと考えるのが妥当と言えそうだ。
前走着順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 5% | 5% | 18% | 20% | 61% |
2着 | 14% | 14% | 21% | 52% | 35% |
3着 | 0% | 29% | 29% | 0% | 62% |
4着 | 20% | 30% | 40% | 375% | 180% |
5着 | 13% | 13% | 25% | 56% | 58% |
6~9着 | 3% | 8% | 16% | 15% | 60% |
10着~ | 5% | 14% | 18% | 150% | 155% |
※2008年以降の集計結果
[馬体重]狙いは500キロ未満!大型馬が苦手レース
小回りコースのせいか、大型馬が成績を大きく落としている。500キロ以上で出走した馬は1-0-2-35で、馬券圏内は3度のみ。
<囲>
2015年1着 グランデッツア 504キロ
2012年3着 ミキノバンジョー 510キロ
2010年3着同着 サンライズベガ 500キロ
囲>
いずれも510キロまでに収まっており、なおかつ20倍以内に支持されている馬だった。つまり、大穴馬も大型馬からは現れにくい、ということになる。
前走出走時の馬体重を参考にすると、今年はキンショーユキヒメ(514キロ)、パワーポケット(540キロ)、マイネルサージュ(506キロ)、メドウラーク(508キロ)が該当する。牝馬ながらに大柄なキンショーユキヒメが、このデータに打ち勝てるかに注目したい。
馬体重 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収 | 複回収 |
---|---|---|---|---|---|
400~419kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
420~439kg | 0% | 38% | 50% | 0% | 213% |
440~459kg | 5% | 5% | 5% | 57% | 18% |
460~479kg | 10% | 15% | 23% | 121% | 85% |
480~499kg | 8% | 18% | 29% | 166% | 189% |
500~519kg | 4% | 4% | 11% | 16% | 36% |
520~539kg | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
540~ | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
※2008年以降の集計結果
[まとめ]軸も穴も狙いは関西馬から!
荒れるイメージの強い七夕賞ながら、1番人気・2番人気が堅実という意外なデータが出た。軸を人気サイドに置き、ヒモ荒れを狙う作戦が有効かもしれない。ヒモとなる穴馬としては、関東馬ではなく、前走がオープン特別や重賞で結果の出なかった関西馬が狙うといいだろう。極端な軽ハンデ馬も七夕賞では出番がない。この傾向もしっかり覚えておきたい。
今年は特別登録の段階で12頭と少頭数になりそうで、大荒れまでは期待できないかもしれない。それでも、データを参考に必要な人気薄は的確に拾っていきたいところだ。