レース見解

七夕賞2018の最新見解・データ

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川田 信一
川田 信一
1978年、東京都出身。単撃理論の提唱者・ 趣味で始めたメルマガが、人気薄の単勝を的確に当てることで評判に。わずか半年で2,000人を超える読者が口コミだけで集まる。グリグリの人気馬を迷わず消し、穴馬の単勝を的中し続けている生粋の単勝馬券師。

7月8日(日)に福島競馬場では七夕賞(G3)が行われる。過去10年のうち7年で二桁人気が馬券に絡み、2015年には3連単100万馬券も飛び出した。馬連が万馬券決着になることも多く、七夕賞は「荒れる」イメージの強いレースだ。「夏は牝馬」という格言に反し、6年連続で牝馬が馬券に絡んでいない。人気馬が堅実、といった傾向も出ている。

今年の出走予定馬は、福島民友カップを勝利してここへ挑むマイネルサージュや、マーメイドステークス2着のワンブレスアウェイなど。また、エプソムカップからはサーブルオールやマイネルフロストらが出走を予定している。

データを紐解くと、条件戦を勝利して挑む馬の取捨や、穴馬の条件が見えてきた。今年も例年通り荒れるのか? 人気、斤量、年齢や前走内容など、さまざまな観点から七夕賞を分析していこう。

[人気]意外に堅実!1・2番人気

七夕賞の結果を見ていると、1番人気と2番人気が高い頻度で馬券に絡んでいることがわかる。過去10年で8度、どちらかが馬券内に来ているのだ。1番人気か2番人気に支持されつつ、単勝オッズが3~4.9倍の範囲内になると、3-1-1-1と更に成績が向上する。ただし、2倍台になってしまうと0-0-0-2と一気に信頼度が下がるので、当日のオッズには注目したい。

また、50倍以上の人気薄で馬券に絡んだのは、2012年1着のアスカクリチャンと2015年3着のマデイラの2頭のみ。極端な穴馬は馬券に絡まないという傾向も出ている。複勝率の高い1番人気や2番人気を素直に信頼し、穴は50倍以内の範囲で選ぶといいかもしれない。

人気 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1番人気 30% 40% 60% 120% 104%
2番人気 10% 20% 40% 45% 84%
3番人気 10% 10% 20% 59% 50%
4番人気 0% 10% 20% 0% 59%
5番人気 10% 30% 30% 120% 86%
6番人気 0% 10% 10% 0% 23%
7番人気 20% 30% 50% 369% 273%
8番人気 0% 10% 10% 0% 46%
9番人気 0% 0% 0% 0% 0%
10番人気 0% 10% 10% 0% 63%
11番人気 10% 20% 30% 198% 185%
12番人気 0% 0% 0% 0% 0%
13番人気 0% 0% 0% 0% 0%
14番人気 11% 11% 22% 604% 220%
15番人気 0% 0% 0% 0% 0%
16番人気 0% 0% 13% 0% 500%
1~2人気 20% 30% 50% 82% 94%

※2008年以降の集計結果

単勝オッズ 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2.0~2.9 0% 0% 0% 0% 0%
3.0~3.9 33% 33% 67% 113% 100%
4.0~4.9 30% 40% 40% 131% 78%
5.0~6.9 6% 13% 38% 36% 81%
7.0~9.9 0% 27% 33% 0% 86%
10.0~14.9 6% 6% 6% 75% 24%
15.0~19.9 17% 28% 39% 315% 197%
20.0~29.9 0% 5% 9% 0% 61%
30.0~49.9 0% 5% 10% 0% 84%
50.0~99.9 8% 8% 8% 418% 74%
100.0~ 0% 0% 5% 0% 200%

※2008年以降の集計結果

[斤量]57キロが5勝!軸はここから

過去10年で勝ち馬が出ているのは、52キロから57キロの範囲内だった。馬券圏内は52キロから58キロで、52キロ以下になると厳しくなる。穴馬=軽量馬でないことを念頭に置いて、馬券を組み立てるといいだろう。

最多の5勝を挙げている57キロを背負う馬は、人気で絞るとさらに精度が上がる。馬券になった馬はすべて5番人気以内。また、20倍以上の穴馬で馬券に絡んだ馬は、52キロから55キロの斤量を背負っていた馬だった。こちらも併せて覚えておきたい。

斤量 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
~49kg 0% 0% 0% 0% 0%
49.5~51kg 0% 0% 0% 0% 0%
51.5~53kg 8% 14% 22% 153% 205%
53.5~55kg 2% 8% 19% 113% 92%
55.5~57kg 12% 18% 22% 70% 53%
57.5~59kg 0% 15% 23% 0% 78%
~48kg 0% 0% 0% 0% 0%
49kg 0% 0% 0% 0% 0%
50kg 0% 0% 0% 0% 0%
51kg 0% 0% 0% 0% 0%
52kg 14% 14% 21% 267% 346%
53kg 4% 13% 22% 83% 119%
54kg 0% 5% 9% 0% 22%
54.5kg 0% 0% 0% 0% 0%
55kg 4% 12% 27% 209% 152%
55.5kg 0% 0% 0% 0% 0%
56kg 4% 8% 12% 48% 42%
56.5kg 0% 0% 0% 0% 0%
57kg 22% 30% 35% 97% 69%
57.5kg 0% 0% 0% 0% 0%
58kg 0% 29% 43% 0% 145%
58.5kg 0% 0% 0% 0% 0%

※2008年以降の集計結果

[年齢]中心は4~6歳馬!高齢馬の出番は…

過去10年で連対した20頭のうち19頭が4~6歳の範囲内だった。7歳以上で馬券に絡んだ馬は2016年の2着ダイワファルコン(8歳)のみ。単勝オッズは7.1倍だったように、ある程度の人気が必要だ。もし、高齢馬で気になる馬がいても、穴狙いは禁物。人気薄なら諦めるほうがいいかもしれない。

今年の7歳以上は…マイネルフロスト・メドウラーク(7歳)、バーディーイーグル・マイネルミラノ(8歳)、シルクドリーマー(9歳)。これらは当日の人気に要注意だ。

年齢 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
4歳 20% 30% 40% 93% 91%
5歳 11% 20% 27% 255% 128%
6歳 6% 13% 23% 39% 142%
7歳以上 0% 2% 6% 0% 30%

※2008年以降の集計結果

[性別]馬券になっていない!?牝馬を買うには?

冒頭でも触れたように、6年連続して牝馬が馬券に絡んでいない。過去にはイタリアンレッドや、アルコセニョーラが活躍したように、もともとは牝馬と相性の良いレースなのだが、近年は真逆の成績になっているのが実態だ。

馬券に絡んだ牝馬には共通点があった。前走で単勝オッズ10倍以内だった馬か、前走G1に出走していた馬という点。近年はこれに該当する馬の出走がなかっただけで、いつ馬券に絡んでもおかしくない。

今年はレイホーロマンス、キンショーユキヒメ、ワンブレスアウェイが出走を予定しているが、ワンブレスアウェイのみが前走14.2倍と人気薄だった。レイホーロマンスとキンショーユキヒメは、前走で人気を集めていた馬という条件に当てはまる。この2頭は注目できるが、条件からズレるワンブレスアウェイは割引が必要だろう。

性別 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡馬・セン馬 6% 12% 19% 89% 100%
牝馬 8% 23% 31% 136% 100%

※2008年以降の集計結果

[前走クラス]昇級馬はほぼ不要!必要なのはあの実績

七夕賞を昇級戦で挑んだ馬は、1-0-1-19と厳しいデータが出ている。馬券圏内のほとんどは、前走オープン特別や重賞を走った馬。昇級馬や格上挑戦馬は、後述するある法則に則った馬だけをチョイスするといいだろう。

昇級戦あるいは格上挑戦で馬券に絡んだ2頭は以下の通り。
<囲>
2017年3着 ソールインパクト 前走1000万1着
2008年1着 ミヤビランベリ 前走1600万13着

この2頭の共通点は「1000万条件を勝った実績しかなかった」ということだ。不思議なことに、1600万下を勝って七夕賞に挑む馬は1度も馬券になっていない。このタイプは人気を集めてもことごとく凡走する。すべて消してしまうのも手ではないだろうか。

今年の出走馬で前走が1600万条件だった馬は、パワーポケットの1頭のみ。その前走で敗れているものの、過去に1600万条件を勝利した経験があるので、このデータからは割引になりそうだ。

前走クラス 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
同クラス 7% 13% 21% 94% 105%
昇級戦 5% 5% 10% 91% 47%
1000万下 0% 0% 50% 0% 190%
1600万下 5% 5% 5% 101% 32%
OPEN特別 5% 11% 24% 62% 210%
G3 8% 16% 22% 147% 76%
G2 8% 12% 15% 30% 36%
G1 0% 17% 17% 0% 38%
重賞 7% 15% 20% 106% 63%

※2008年以降の集計結果

[騎手]関東所属騎手を中心視!

過去10年は8-8-10-107と、関東所属騎手が馬券圏内のほとんどを占めている。関西所属騎手が馬券になった例を見てみると、単勝オッズ20倍以内に支持された馬ばかり。つまり、人気サイドでなければ、関西騎手が騎乗する穴馬は軽視できるということだ。人気馬騎乗でもなく、わざわざ関西から東上するパターンには注意したい。

今年は岩崎騎手がプラチナムバレットに騎乗予定だが、この馬は人気が予想される。若手騎手だけに、人気ならすんなり信頼していいかと問われると、悩ましいところだ。

騎手分類 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
美浦 6% 12% 20% 102% 107%
栗東 9% 18% 23% 41% 65%

※2008年以降の集計結果

[厩舎]騎手とは真逆!関西馬を狙え!

七夕賞を厩舎所属場所別に比較すると、騎手とは真逆の現象が起きている。8-4-6-62で圧倒的に関西馬が有利なのだ。すべての率で関東馬を上回り、回収率も大幅プラス。50倍以上で穴を開けた馬も関西馬だった。軸も穴も基本は関西馬から選ぶと、的中に近づく可能性が高まる。

関東馬の場合はどうだろう。昨年のゼーヴィントのように、人気のある実績馬を選ぶといい。これなら2-0-1-1と安定感のある成績を残せている。逆に穴馬は、関東馬からは現れないので注意が必要。人気薄で好走した馬もそのほとんどが20倍以内の単勝オッズだった。人気薄の関西馬からアタマを選び、人気サイドの関東馬を相手候補に据える。そんな戦略を推奨したい。

今年のメンバーで関西馬はキンショーユキヒメ、プラチナムバレット、メドウラーク、レイホーロマンスの4頭。このなかから馬券に絡む馬が出る可能性が高そうだ。

調教師分類 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
美浦 3% 11% 17% 9% 57%
栗東 10% 15% 23% 172% 141%

※2008年以降の集計結果

[前走着順]危険!前走1着馬

前走1着で七夕賞へ挑む馬が苦戦傾向にある。過去10年で1-0-3-18となっており、連勝したのは2009年のミヤビランベリ(目黒記念1着)のみ。馬券に絡んだ残りの3頭は、オープン特別もしくは1000万条件勝ち馬だった。前走クラスの項でも触れたように、1600万条件から来る馬の成績が悪く、0-0-0-16と馬券圏内なし。勢いは通用しないので注意してほしい。

今年の出走馬はマイネルサージュのみが該当する。オープン特別勝ち馬なので、馬券圏内はあっても3着までと考えるのが妥当と言えそうだ。

前走着順 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1着 5% 5% 18% 20% 61%
2着 14% 14% 21% 52% 35%
3着 0% 29% 29% 0% 62%
4着 20% 30% 40% 375% 180%
5着 13% 13% 25% 56% 58%
6~9着 3% 8% 16% 15% 60%
10着~ 5% 14% 18% 150% 155%

※2008年以降の集計結果

[馬体重]狙いは500キロ未満!大型馬が苦手レース

小回りコースのせいか、大型馬が成績を大きく落としている。500キロ以上で出走した馬は1-0-2-35で、馬券圏内は3度のみ。

<囲>
2015年1着 グランデッツア 504キロ
2012年3着 ミキノバンジョー 510キロ
2010年3着同着 サンライズベガ 500キロ

いずれも510キロまでに収まっており、なおかつ20倍以内に支持されている馬だった。つまり、大穴馬も大型馬からは現れにくい、ということになる。

前走出走時の馬体重を参考にすると、今年はキンショーユキヒメ(514キロ)、パワーポケット(540キロ)、マイネルサージュ(506キロ)、メドウラーク(508キロ)が該当する。牝馬ながらに大柄なキンショーユキヒメが、このデータに打ち勝てるかに注目したい。

馬体重 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
400~419kg 0% 0% 0% 0% 0%
420~439kg 0% 38% 50% 0% 213%
440~459kg 5% 5% 5% 57% 18%
460~479kg 10% 15% 23% 121% 85%
480~499kg 8% 18% 29% 166% 189%
500~519kg 4% 4% 11% 16% 36%
520~539kg 0% 0% 0% 0% 0%
540~ 0% 0% 0% 0% 0%

※2008年以降の集計結果

[まとめ]軸も穴も狙いは関西馬から!

荒れるイメージの強い七夕賞ながら、1番人気・2番人気が堅実という意外なデータが出た。軸を人気サイドに置き、ヒモ荒れを狙う作戦が有効かもしれない。ヒモとなる穴馬としては、関東馬ではなく、前走がオープン特別や重賞で結果の出なかった関西馬が狙うといいだろう。極端な軽ハンデ馬も七夕賞では出番がない。この傾向もしっかり覚えておきたい。

今年は特別登録の段階で12頭と少頭数になりそうで、大荒れまでは期待できないかもしれない。それでも、データを参考に必要な人気薄は的確に拾っていきたいところだ。

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